歳時記
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2020.12.29
「子」と「丑」が並ぶ、下鴨神社の大絵馬
つい先日、新しい年を迎えたと思ったのに、もう除夜の鐘が聞こえるころになりました。干支も子(ねずみ)から丑(うし)へバトンタッチの準備が始まっています。境内に丑の絵馬が掲げられ、ひと足早く迎春ムードを迎えている神社やお寺も。また、いくつかの寺社では、新旧の干支の絵馬が並んで姿を見せています。たとえば、私が2020年のお正月にお参りした「下鴨神社(賀茂御祖神社)」。年の瀬の現在、舞殿の大絵馬は、子と丑の両方が参拝者を出迎えてくれています。下鴨神社の大絵馬は、干支がリアルタッチに描かれているのが特徴。神社によって絵馬のテイストがさまざまなのも楽しいですね。下鴨神社の境内でも新年に向けての準備が始まり、年の瀬ならではの雰囲気に包まれていました。コロナ禍のお正月は、分散参拝が推奨されています。前倒しして、12月に参拝を済ませた人もいるのではないでしょうか。下鴨神社では1月15日(金)まで初詣を受け付け。1月中、または2月の節分までを初詣とする寺社もあるので、密を避けてお参りくださいね。落ち着かない世の中ですが、2021年が皆さまにとってよい1年となりますように。下鴨神社(賀茂御祖神社)/しもがもじんじゃ(かもみおやじんじゃ)京都市左京区下鴨泉川町59市バス停下鴨神社前下車、徒歩すぐ
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2020.12.25
六波羅蜜寺で「空也踊躍念仏」厳修
天暦5年(951)、空也上人によって開創された「六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)」。年の瀬の伝統行事「空也踊躍念仏(くうやゆやくねんぶつ)」をご紹介します。平安時代、京都で流行した伝染病の退散を願って空也上人が行った念仏が起源と伝わる踊り念仏。鎌倉時代には幕府による念仏の弾圧もあり、秘儀としてひそやかに厳修されてきました。弾圧が解けてもなお、"かくれ念仏"として一般の目に触れられることはなかったそうです。昭和50年代にようやく一般公開されるようになり、国の重要無形民俗文化財に指定。鎌倉時代から800年にもわたって法灯を守り続けた、代々のご住職に頭が下がる思いです。念仏のスタイルは独特で、唱和されるのは「南無阿弥陀仏」でなく「モーダーナンマイトー」。ご住職が鉦(かね)を叩き、踊りながら念仏を唱える節回しは空也上人の姿を模しているとか。いつでも中断して撤収できるよう、念仏には決められた終わりが定められていないのも特徴です。現在も夕方にひっそりと行われるなど、堂々と念仏を唱えられなかった時代の名残を感じます。コロナ禍の今こそ、1年の罪を悔い改め、新しい年の悪疫退散と幸せを祈りたいですね。「空也踊躍念仏」は12月13日(日)~31日(木)の毎日、16時から本堂で厳修されています。ただし31日(木)は非公開となるため、拝観される方は30日(水)までにお出かけください。拝観の際は感染症対策を万全に、また、本堂は冷え込むので防寒対策もお忘れなく。六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)京都市東山区五条通大和大路上ル東京阪清水五条駅から徒歩7分https://www.rokuhara.or.jp/
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2020.11.20
11月の伝統行事「七五三まいり」
7歳・5歳・3歳の子どもの成長を祝う11月の伝統行事「七五三まいり」。晴れ着に身を包み、親御さんに手を引かれてお参りに向かうお子たちのかわいらしいこと。この三連休に、お参りを予定している人もいるのではないでしょうか。平安時代の儀式が起源とされ、江戸時代に現在のようなお参りが始まったといわれる七五三。わらべ歌「通りゃんせ」でも、七五三のお参りの情景がうたわれていますね。「ここはどこの細道じゃ(天神さまの細道じゃ)」京都で天神さまといえば、北野天満宮。天神信仰発祥の地として知られる、全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社です。知恵の神様・菅原道真公をご祭神とし、この菅原道真公こそが「天神さま」。北野天満宮でも、11月中は「七五三まいり」が随時受け付けられていますよ。また、「通りゃんせ」の歌の中に出てくる「行きはよいよい 帰りはこわい」。これには当時、参道を通って天神さまへお参りし、帰りは寂しい裏道を通ったという説もあるとか。北野天満宮でいうと、御土居のあたりが当時の帰り道だったのかもしれませんね。現在の北野天満宮の御土居といえば、七五三まいりの時期に公開される「史跡御土居のもみじ苑」。見ごろの紅葉を愛でに、多くの人でとてもにぎわっています。「七五三まいり」を申し込んで参詣した人は、もみじ苑の入苑料が半額になるとか。「帰りはこわい」なんてことはまったくなく、「帰りはたのしい」歌になりそうです。「通りゃんせ」の親子も今の時代をうらやましく感じているかも、などと勝手に思い馳せる秋です。北野天満宮(きたのてんまんぐう)京都市上京区馬喰町市バス停北野天満宮下車、徒歩すぐ
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2020.09.07
菊で彩る大人のひな祭り「重陽の節句」
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」。「菊の節句」ともよばれ、菊の花を飾り、菊酒をいただいて無病息災や長寿を願う日です。江戸時代には、上巳の節句(桃の節句)に対して「後(のち)の雛」などとよばれていたとか。大人の女性はこの時期にお雛様を出して虫干しし、長寿や健康を願ったといわれています。奈良時代に、中国から薬草として日本に伝わったという菊。日本の国を象徴する花としても親しまれています。重陽の節句のお祝いに欠かせないのが、邪気を払うとされる菊酒。お酒に菊の花びらを浮かべるだけでも、香りや風情を感じることができそうです。食用菊はスーパーなどで手に入るため、手軽に菊酒を楽しめるのもうれしいですね。さらに、菊湯や菊枕など、お風呂や寝床で菊の花を楽しむ風習もあるのだとか。和菓子も、この時期は菊をモチーフにしたものがたくさん店頭に並んでいます。亀屋良長の「着綿(きせわた)」は、まさに重陽の節句をイメージした上生菓子。節句の前夜に菊の花にかぶせておいた綿で翌朝身を清める、不老長寿信仰にちなんでいます。かつては、上巳や端午などの五節句のなかで特に大切にされていたという重陽の節句。秋の夜長、当時に思いを馳せながら"大人のひな祭り"を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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2020.07.31
京都のお中元の始まりの日「八朔(はっさく)」
8月1日は「八月朔日(さくじつ)」、縮めて「八朔(はっさく)」とよばれています。「月の最初の日」を意味する「朔日」。京都の八朔といえば、新暦の8月1日に花街で行われる挨拶まわりの風習ですね。例年、八朔には芸妓さんや舞妓さんが正装でお茶屋さんや芸事のお師匠さんのもとへ。「おめでとうさんどす」「おたの申します」などと、日ごろの感謝を伝える伝統行事です。京都のお中元の起源となった日でもあり、各家庭でもこの日よりお中元の挨拶が始まります。また、旧暦の八朔は9月の中ごろで、ちょうど早稲(わせ)の穂が実り出す時期。2020年は、9月17日が旧暦の八朔にあたります。農業を営む人々の間では、お世話になった人々に初穂を贈る風習があったとか。初穂の収穫に感謝し、田の神様に豊作を願ったことから「田の実の節句」などの呼び名も。「田の実」が転じて「頼み」となり、現在のお中元につながっているといわれています。ところで、「はっさく」と聞くと、口の中が酸っぱく、みずみずしくなる気がしませんか?実はあの果物のハッサクは、江戸時代に広島県の浄土寺で偶然、発見されたものだそう。ご住職が「八朔のころには食べられる」と言ったことが、名前の由来だといわれています。もちろん、現在では八朔のころにハッサクは出回らず、主に2~4月に食べごろを迎えます。伝統行事などが相次いで中止、規模縮小される今年も、心豊かで実りある日々となりますように。※2020年はコロナウイルス感染防止のため、五花街での「八朔」行事は行われないようです。
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2020.07.16
祇園祭期間にだけ開放される「御手洗井」とは?
四条烏丸のビルの一角に、祇園祭の宵々山から還幸祭にかけて開放される井戸があります。烏丸通の東側、蛸薬師通と錦小路通の間にある「御手洗井(みたらいい)」。普段は木の柵で閉鎖されてひっそりとしているため、気づかずに通り過ぎている人も多いのでは?例年、7月14日に提灯やしめ縄が飾られ、15日の早朝に井戸開きが行われます。井戸開きのあと、24日までは井戸から湧き出る名水で手を清め、のどを潤すことができます。コロナ禍にある今年は山鉾巡行や神輿渡御などは行われず、御手洗井も開放されていないようです。周辺の町名「手洗水町(てあらいみずちょう)」の由来にもなった、由緒ある御手洗井。来年は無事に祇園祭が執り行われ、井戸も開かれるよう願うばかりです。御手洗井(みたらいい)京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町
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2020.07.14
祇園祭にまつわる宝物を紹介する「六角堂・池坊 屏風祭」がオンラインで公開中
聖徳太子の創建と伝わる「六角堂 頂法寺(ろっかくどう ちょうほうじ)」。「華道家元池坊(いけのぼう)」が代々住職を務め、「いけばな発祥の地」として知られています。六角堂に隣接する池坊会館3階の「いけばな資料館」では、祇園祭期間に屏風祭を開催してきました。祇園祭の風習を継承する夏の特別開館で、池坊に伝わる屏風がお披露目される機会です。今年は資料館での開催に代わり、華道家元池坊のYouTubeチャンネルで屏風祭の動画を公開。この機会に、自宅でゆっくりといけばな資料館の宝物を愛でてはいかがでしょうか?江戸時代末期に、山鉾巡行のくじ取りが六角堂で行われていた史実なども紹介されますよ。厄除け効果のある「檜扇(ヒオウギ)」は、山鉾町に飾られる祇園祭の花。7月16~17日には、いけばな資料館で檜扇のいけばな作品が展示されます。※見学は事前予約制。詳細は、華道家元池坊 公式ウェブサイトで確認してください。今までにない祇園祭を迎えている京都で、夏の伝統行事に思いを馳せたいですね。華道家元池坊 YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/user/ikenobo550/華道家元池坊 いけばな資料館https://www.ikenobo.jp/ikebanaikenobo/shiryokan.html
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2020.06.30
半夏生とタコの共通点とは!?
6月21日ごろの夏至から数えて11日目を「半夏生(はんげしょう)」とよびます。雑節のひとつで、七十二候では「半夏生(はんげしょうず)」とも。2020年は7月1日にあたり、ドクダミ科の植物の葉が白く色づくころでもあります。半夏生のころに花を咲かせることから、その植物の名も「半夏生(はんげしょう)」。緑色の葉が半分お化粧したように真っ白になることから、その名がついたともいわれています。京都では建仁寺塔頭の両足院や天龍寺、大覚寺、等持院などが半夏生の名所。京都府立植物園でも半夏生が見ごろを迎えていますよ。また、7月2日は「タコの日」というのをご存じでしょうか?この時期、農業を営む人々にとってはちょうど田植えを終え、ひと段落するころ。タコの足のように、作物が大地にしっかり根を張ってほしいとの願いを込めて制定されたとか。京都や関西では、半夏生の日にタコを食べ、暑い夏に向けて体力をつける風習があります。真っ白に色づいた半夏生を愛でて、真っ赤に茹で上がったタコをいただく......紅白の組み合わせも、なんだか縁起がよさそうですね。
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