「五明金箔工芸」の伝統工芸士が教える金箔押し体験
京都の伝統工芸の1つ、金箔を造形物に張り付ける職人「箔押し師」の五明久(いつあきひさし)さんは、仏壇や位牌、仏像の金箔仕上げはもちろん、京都市役所の市章、大阪城の瓦、ティファニー社のバッグなど、様々なジャンルの作品に取り組んでいます。「箔押し」の繊細で緻密な仕事と、その可能性に挑戦する姿をご紹介いたします。
体験場所
五明金箔工芸
〒600-8306 京都市下京区新町通正面下る平野町784
明治時代、仏具店の番頭だったという初代をきっかけとして、2代目が金箔押しの技術を習得したのが始まりの五明金箔工芸。それ以来、京都で仏像や仏壇などの仏具を中心に、有名ブランドのアクセサリーや公共施設の金箔押しなど、さまざまな作品を手掛けています。奥ゆかしく輝く金箔の魅力に、あなたも触れてみませんか。
体験内容
赤か黒の角皿に、金沢で手作りされた純金箔を押していく体験。金箔に触れて知るところから始まり、自分の好きなデザインを描いて、金箔を押します。職人の技を体験するこちらの体験、完成した作品は料理や小物を置くのではなく、専用のスタンドに飾って楽しみましょう。当日すぐ持って帰ることができるのも嬉しいですね。
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アクセスも抜群の工房へ
京都駅から新町通を歩いて10分ほどのところにある、五明金箔工芸の工房へ。通りに出ている看板を目印に、路地奥の金で書かれた五明の文字に向かって進みましょう。
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工房内には作品がずらり
工房内には、所狭しと金箔が施された作品が並びます。「糸へんのもの(繊維系、伸縮するもの)以外は全て金箔を貼ることができるんですよ」と、伝統工芸士・五明 久(いつあき ひさし)さん。ピカピカに光るというよりは、金箔そのものの重めの光、落ち着いた美しさを出したいというのがこちらの仕上げの方針です。
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金箔について知る
体験は、金箔を知るところから始まります。五明金箔工芸では、金沢の職人さんの手で丁寧に作られる、日本にしか存在しない「縁付け箔」を使用。通常のものよりも薄くしなやかなこちらの金箔、手で触れるとその繊細さに驚きます。手作業で作るため少し高価だそうですが、日本ならでは、そして金箔工芸が古くから盛んだった京都ならではの体験をめざす上では、譲れないポイントなのだとか。
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デザインを下描き
用意されている紙に、鉛筆で図案を描きます。実際にはテープを張ってデザインしていくので、曲線ではなく直線で描くのが◎。テープを張っていない部分が金箔になり、文字は手書きで自由に入れられます。体験前にデザインを考えておくと、よりスムーズに進めることができますよ。
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角皿の色を選び、テープを張る
皿は赤か黒か、好きな方をチョイス。描いた図案に基づいて、テープを張っていきましょう。テープは後ではがすので、端を少し長めに貼ることがポイント!
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下地を塗布
ここまで出来たら、金箔を角皿にくっ付けるための接着剤を五明さんに塗布してもらいます。この作業が美しく作品を仕上げる重要なポイント。均一に、薄く接着剤を塗り広げることで、マットな質感に仕上がるのだとか。塗り方次第では、ピカピカ仕上げにもできる職人技だそうで、塗り方の微妙な差で仕上がりが変わるのにびっくり!その質感にも納得です。
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練習、金箔押し本番
作業の前に、箔箸(はくばし)で金箔を扱う練習。箔紙(はくし)に挟まれた金箔は極薄で柔らかく、持つのも緊張してしまうほど!体験用に4分割した金箔を、それぞれ角皿に置いていきます。少し穴が空いちゃった...という時は、五明さんが修正してくれるので、ご安心を。
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テープをはがし、美しく整える
金箔が張れたら、五明さんが表面をハケでならしてくれ、ツヤを出してくれます。テープを剥がすと...金と地色のコントラストが美しい角皿に!地の部分に金箔が飛んでいるところなどを、綿棒や五明さんお手製の修正棒などで整えます。
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完成
修正や文字入れを終えたら...キラキラというよりは控えめに輝く、美しい作品の完成!お部屋に飾るのが一番おすすめですが、どうしてもお料理をのせたい場合は、直接置くのではなく、紙を置いたりラップを厚めに敷いて、金箔を傷めないようにしましょう。
詳細情報
- 体験名
- 金箔押し体験「はんなりコース」
- 値段
- 2,500円(税込み)
- 所要時間
- 約120分
- 受付人数
- 3~24名
※基本は12名まで。13名からは別会場(近隣の寺院など)で開催
※月~金曜(日曜・祝日休、土曜は応相談)の9時~9時30分開始、または13時~13時30分開始 - 用意するもの
- なし
※ 外部サイトへ遷移します
「五明金箔工芸」伝統工芸士・五明 久さんから一言
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皆さんは金箔に直接ふれたことがありますか?金箔のひらひらとした優美な触感を感じてほしいと思い、20年ほど前にこの体験を始めました。五明金箔工芸では、体験にも作品にも、通常の機械で作る金箔ではなく、金箔の有名生産地・金沢で職人が作り出す縁付け金箔を使います。日本の伝統の技に触れて、金箔のすばらしさを感じてください。
Column
五明 久さんの
お気に入りの場所は...?
北尾晴富堂(きたおせいふどう)
私のおすすめは、五明金箔工芸から歩いて3分ほどのところにある「北尾晴富堂」。飴菓子やかりんとうなど、数種類のお菓子が揃いますが、一番のおすすめ商品は京おこし。スタンダードな粟おこしのほか、紫蘇、抹茶、ピーナッツのおこし「落下つくね」などの変わり種も。季節によっても限定の味が出るので、体験の帰りに立ち寄ってみてください。
京都市下京区 新町通花屋町上る艮町855
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