熟練の染色職人が教える手捺染(てなっせん)のTシャツ染め体験

手捺染のTシャツ染め体験
手捺染のTシャツ染め体験
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手捺染のTシャツ染め体験

MBS毎日放送「京都知新」(関西ローカル)2021.06.27 #256

染色職人

鷲野 城克一Washino Seiichi

放送回詳細ページ

「手捺染」という染めに特化し雨傘、洋服、水着、鞄等の生地を染めている「鷲野染工場」。自社で企画・開発を行うオリジナル商品の制作にも力を入れています。立命館大学の木立雅朗教授が収集した友禅図案を生地に染めるなど、教授とタッグを組んで新しいものづくりに挑む鷲野さんの姿をご紹介します。

職人の手で行う、質にこだわる「手捺染」のプリント

染め型を使って、職人が自分の手でスキージ(ゴムベラ)を使って生地に色糊を刷り込んでいく技法「手捺染(てなっせん)」。京都・一乗寺にある「鷲野染工場」は、1930年の創業以来、三代に渡って手捺染によるプリントを行ってきました。
近年では、手捺染からオートスクリーンやインクジェットプリンターへと主流が移り変わり、手捺染によるプリントを行う工場は京都でも数少なくなってきています。そんな中、鷲野染工場の代表・鷲野 城克一(わしの せいいち)さんは、量よりも質にこだわったものづくりを続けたいと話します。
「インクジェットによる量産が可能な時代だからこそ、見た人が驚くような飛びぬけたものを作りたい。試行錯誤を繰り返して、一つ一つ職人の手によって丁寧に作る"本当にいいもの"を作り続けることで、手捺染の可能性を追求したいと思っています。」

もともと雨傘や洋服、水着などの生地に受注を受けてプリントを行っていた鷲野染工場ですが、最近では自社で企画・開発を行うオリジナル商品の制作にも力を入れています。特に、立命館大学の北岡明佳教授とのコラボレーションのもと誕生した、錯視図形のユニークな二重張日傘やストールは話題を呼んでいます。

手捺染の魅力を広めるために手染め体験をスタート

インクジェットが主流になっていく中、鷲野さんはもっと多くの人に手捺染の魅力を知ってほしいと語ります。そんな思いで、2019年から手捺染によるTシャツの染め体験を始められました。
「手捺染では、オートスクリーンやインクジェットには出せない、手作業だからこその深みのある美しい色や模様が表現できます。この体験を通して若い人や子どもたちに手捺染の魅力を感じてもらい、興味を持ってもらえれば嬉しいです。」
それでは、手捺染による染め体験の内容をご紹介します。

体験場所

鷲野染工場

鷲野染工場
〒606-8183 京都府京都市左京区一乗寺大新開町43
※出張も可能(要相談)

友禅染の一大産地である京都・一乗寺の自社工場で行うほか、百貨店や商業施設での出張営業も行います。また、電気が通っていれば、グループ単位での出張依頼も可能。マルシェや町内会などでの利用もおすすめです。

体験内容

実際の工場で行われる手捺染と同じ流れで、Tシャツをプリント。鷲野染工場オリジナルのデザイン(染め型)と好きな色(インク)を選び、オリジナルTシャツが作れます。

  1. 好きなデザイン(染め型)を選ぶ

    好きなデザイン(染め型)を選ぶ

    まずは、Tシャツのデザインを選びましょう。デザインは、約15種類のオリジナルの染め型からセレクト。シンプルな渦巻きやハート型などの図形をはじめ、視力検査表をデザインしたものや京野菜を擬人化したイラストなど、遊び心のあるデザインが揃います。
    上から見ても下から見ても人の顔に見える「逆さ絵」のユニークなイラスト(写真右)は、鷲野さん自身が描かれたとか。どれも目を引く可愛らしいデザインで、どれにしようか迷ってしまいますね。

  2. 型とTシャツをプリント台にセット

    型とTシャツをプリント台にセット

    型を選んだら、プリント台の上に白いTシャツと選んだ型をセット。この作業は鷲野さんがやってくれます。Tシャツは、110センチ~XLまでのサイズを用意しているので、子どもから大人まで対応しています。Tシャツの正面はもちろん、背中やサイド部分など、好きな場所にプリントすることができますよ。

  3. 色(インク)を選ぶ

    色(インク)を選ぶ

    Tシャツと型のセットができたら、10色あるインクの中から、どの色を使うか決めていきます。何色でも自由に使っていいそうです。

  4. 型の上にインクを載せていく

    型の上にインクを載せていく

    色を選んだら、型の上にインクを載せていきます。配色やインクの量の加減で作品の見え方が変わるので、ここが腕の見せどころ! 几帳面に一色ずつ載せても、不規則に思い切りよく載せてもOKです。アルファベットやハート型など、意味のある形に色を載せる人もいるそう。色の選び方や載せ方で、それぞれの個性が出ておもしろいですね。

  5. スキージ(ゴムベラ)でインクを生地に刷り込むスキージ(ゴムベラ)でインクを生地に刷り込む

    スキージ(ゴムベラ)でインクを生地に刷り込む

    型の上に載せたインクを、スキージで滑らせるようにしてTシャツの生地に刷り込みます。スキージの持ち方や力の入れ方で、インクの浸透具合が変わるので、しっかりとまんべんなく刷り込むのがポイント。鷲野さんが手を添えてくれるので、子どもでも安心です。
    ワクワクしながら型を外してみると...とても綺麗に着色されていて、「わぁ!」と感嘆の声が上がりました。

  6. ドライヤーとアイロンを使って色を定着させる

    ドライヤーとアイロンを使って色を定着させる

    最後に、ドライヤーで乾かし、アイロンをかけて色を定着させます。この工程は鷲野さんがやってくれます。

  7. 完成!

    完成!

    しっかりと乾かしたら完成です。世界に1つだけのオリジナルTシャツができました。特別なTシャツなので、大切に着たいですね。持ち帰って、色が定着するまでは1週間ほどハンガーに掛けておいてください。そのあとは洗濯機で洗うこともできますよ。
    ちなみに今回体験に挑戦したのは、鷲野さんの息子さんたち、太輔君と友輔君。二人とも、とても素敵な作品が出来上がりました。子どもから大人まで、家族みんなで楽しめる体験です。ぜひ挑戦してみてくださいね。

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詳細情報

体験名
出張てなっせんワークショップ
値段
1名2,500円~(税込み)
所要時間
約10分
受付人数
5名~(最大25名)
用意するもの
特になし(汚れてもいい服装で)
お願い
雨天時の屋外での実施は難しいため、出張を依頼する場合は、屋根付きの会場の確保をおすすめします

※ 外部サイトへ遷移します

染色職人・鷲野 城克一さんより一言 

  1. この体験は、ご家族や友人同士など、グループで挑戦してほしいと思います。小さな子どもからご年配の方まで楽しんでいただけるので、親子3世代で体験するのもおすすめですよ。世界に1つだけのオリジナルTシャツを作って、記念日やおでかけの日にみんなで一緒に着ていただきたいですね。作った後も、家族や友人同士の絆を深めるきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

鷲野 城克一さん
お気に入りの場所は...?

唯食いかわ(ゆいしょく いかわ)

京都・一乗寺駅からほど近くにある「唯食いかわ」。京都中央卸売市場から直接仕入れる旬の食材を使用した本格的な和食を、リーズナブルな価格でいただける割烹です。なかでもおすすめは、大ぶりにカットされた新鮮なお刺身。料理に合うお酒も種類豊富に揃います。一階には椅子席、二階には座敷があり、ゆったりとくつろぐことができるので様々なシーンで利用できますよ。

唯食いかわ 075-722-8590
京都市左京区一乗寺谷田町33-2

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