BLOGまち歩き2021.12.28

年末の大そうじと付喪神(つくもがみ)

もう仕事を納めた人も、まだまだ働いているという人も、1年間お疲れ様でした。

この1年、毎日のように使った仕事道具などにも感謝をして新しい年を迎えたいですね。

仕事道具を丁寧に扱うことは、気持ちよく仕事を進めるうえでとても大切です。

また、使わなくなった道具もそのまま放置せず、心を込めて処分したいものです。

京都では、古くなった道具を供養する風習があります。

「きょうのちしん」でも、古本供養名刺供養櫛供養など、さまざまな供養をご紹介しました。

年末の大そうじの時期は、「付喪神(つくもがみ)」が頭をよぎる人もいるかもしれません。

付喪神とは、平安時代、大そうじで捨てられた古道具たちが人間に仕返しをするために化けた妖怪。

山にまとまって暮らし、まちに繰り出して人間に悪さをすると信じられてきました。

平安時代に書かれた「付喪神絵巻」などでもそのようすが紹介されています。

そのなかで、付喪神たちが夜中に行進する「百鬼夜行」とよばれる伝説も生まれました。

百鬼夜行の通り道になったとされるのが、京都・一条通の「大将軍商店街」です。

「妖怪ストリート」とよばれ、商店街のあちこちのお店で妖怪や付喪神の気配を感じます。

たとえば、「錦佳月堂茶舗」にいる妖怪は「ぬらりひょん」。

夕方の忙しい時間に人の家に勝手に上がり込んでお茶を飲み、タバコを吸うとされる妖怪です。

そして、知らない間に去っているという「ぬらりひょん」ですが、こちらのお店では安定の存在感。

さらに、「ぬらりひょん」の右隣に立っているのは、急須の付喪神。

「ひょっとこ急太郎」という名前まで付けられ、人間と共存しているのがわかります。

マスク姿で出迎えてくれるのは、このご時世ならではですね。

付喪神_リサイズ2.jpg

日本茶インストラクターの称号を持つ店主が営む、宇治茶と茶道具の「錦佳月堂茶舗」。

ほうじ茶に炒り大豆がブレンドされた「百鬼夜行」も販売されています。

手づくりのソフト落花生「ぬらり豆」も、妖怪にちなんだオリジナル商品です。

仕事や大そうじが終わったら、とっておきの宇治茶でひと息ついてはいかがでしょうか?

商店街のお店をまわって、それぞれの付喪神やオリジナル商品を探すのもよいですね。

商店街の「百鬼夜行資料館」では、付喪神などの妖怪について学ぶことができますよ。


錦佳月堂茶舗(にしきかげつどうちゃほ)
京都市上京区一条通御前東入西町15(大将軍商店街内)
嵐電北野白梅町駅から徒歩8分

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