京都の難読漢字の地名・町名のなかでもハイレベルな「轆轤町(ろくろちょう)」。
西福寺(桂光山敬信院)や六波羅蜜寺が建つ、松原通大和大路にある町名です。
実は、もともと「髑髏(どくろ)町」だったのが、江戸時代の寛永年間に役人によって改名。
陶芸のろくろ引き職人が多く住んでいたことが、轆轤(ろくろ)町の由来ともいわれています。
もとの町名の髑髏(どくろ)とは、もちろん、あのガイコツのドクロのこと。
平安京の京都三大葬送地のひとつの「鳥辺野」の入口で、亡骸が運ばれてくる場所だったとか。
当時、京都では庶民の亡骸は野ざらしにされ、自然に朽ちる風葬が主流だったといわれています。
轆轤町にある六道の辻は、あの世とこの世の境目といわれ、不思議な伝説が数多く残されています。
六道の辻に建つ、創業450年を超える「みなとや幽霊子育飴本舗」もそのひとつ。
その昔、赤子を身ごもったまま亡くなった女性が、土葬されたあとに幽霊となって夜ごと来店。
買い求めた飴をお乳代わりに、お墓の中で赤子を育てていたという逸話で知られています。
すぐ近くには、冥府通いの伝説を持つ小野篁(おののたかむら)ゆかりの六道珍皇寺も。
不思議な伝説にも説得力がある気がするのは、京都という土地柄ならではかもしれませんね。
みなとや幽霊子育飴本舗(みなとやゆうれいこそだてあめほんぽ)
京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80-1
市バス停清水道下車、徒歩6分
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