BLOGまち歩き2021.02.28

京都の気になる町名③ 「轆轤町」と"髑髏"

京都の難読漢字の地名・町名のなかでもハイレベルな「轆轤町(ろくろちょう)」。

西福寺(桂光山敬信院)や六波羅蜜寺が建つ、松原通大和大路にある町名です。

実は、もともと「髑髏(どくろ)町」だったのが、江戸時代の寛永年間に役人によって改名。

陶芸のろくろ引き職人が多く住んでいたことが、轆轤(ろくろ)町の由来ともいわれています。

もとの町名の髑髏(どくろ)とは、もちろん、あのガイコツのドクロのこと。

平安京の京都三大葬送地のひとつの「鳥辺野」の入口で、亡骸が運ばれてくる場所だったとか。

当時、京都では庶民の亡骸は野ざらしにされ、自然に朽ちる風葬が主流だったといわれています。

轆轤町_リサイズ3.jpg

轆轤町にある六道の辻は、あの世とこの世の境目といわれ、不思議な伝説が数多く残されています。

六道の辻に建つ、創業450年を超える「みなとや幽霊子育飴本舗」もそのひとつ。

その昔、赤子を身ごもったまま亡くなった女性が、土葬されたあとに幽霊となって夜ごと来店。

買い求めた飴をお乳代わりに、お墓の中で赤子を育てていたという逸話で知られています。

すぐ近くには、冥府通いの伝説を持つ小野篁(おののたかむら)ゆかりの六道珍皇寺も。

不思議な伝説にも説得力がある気がするのは、京都という土地柄ならではかもしれませんね。


みなとや幽霊子育飴本舗(みなとやゆうれいこそだてあめほんぽ)
京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80-1
市バス停清水道下車、徒歩6分


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