毎月16日は「ゑんまさまのご縁日」。
「ゑんま(えんま)さま」とは、「ウソつきの舌を抜く」で知られる閻魔法王のことです。
京都には、難読漢字のほか、由来が気になる地名や町名がいくつもあります。
たとえば、平安京の三大葬送地のひとつとして知られる「蓮台野(れんだいの)」。
この地に、ウソをつくのがはばかられる「閻魔(えんま)前町」があります。
その名のとおり、冥界の主である閻魔さまが目の前にいらっしゃることが由来だとか。
その閻魔前町に建つ引接寺は、「千本ゑんま堂」の愛称で知られています。
引接寺の開基と伝わるのは、平安初期の公卿(くぎょう)・小野篁(おののたかむら)。
小倉百人一首の歌人のひとり(参議篁)で、この世とあの世を往来する神通力を持っていたとか。
昼は宮中で働きながら、夜は冥府に通って閻魔さまに仕えていたという伝説の人物です。
お地蔵さまの化身とされる閻魔さまは、実はこの世の人間にもっとも身近な仏さま。
閻魔さまが小野篁に伝授したのが、ご先祖さまの霊を塔婆でこの世に迎える「精霊迎えの法」です。
その根本道場として、小野篁は朱雀大路(現在の千本通)の北側に祠(ほこら)を建立。
そこに自ら彫った閻魔法王像をまつったのが、引接寺の起源といわれています。
引接寺の本堂には、現在もご本尊として長享2年(1488)に再現の閻魔法王像が安置されています。
通常は非公開となる、ご本尊の閻魔法王像。
毎月16日の「ゑんまさまのご縁日」に開扉され、その姿を拝むことができます。
境内にまつられた「ゑんま法王」の像は、地元の消防団によって制作されたものだそう。
こちらもなかなかの迫力がありますね。
千本ゑんま堂 引接寺(せんぼんえんまどう いんじょうじ)
京都市上京区千本通廬山寺上ル閻魔前町34
市バス停千本鞍馬口下車、徒歩3分
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