BLOGお土産2020.08.05

上方落語や立本寺でも語られる「幽霊子育飴」伝説

先日の「きょうのちしん」でご紹介した、高台寺の「百鬼夜行展」。

幽霊といえば、青白い顔の女性が夜な夜な飴を買い求めに来る「幽霊子育飴」の伝説も有名ですね。

高台寺から歩いて10分ほど、六道の辻で幽霊子育飴を販売する「みなとや幽霊子育飴本舗」。

六道の辻といえば、この世とあの世の境目といわれる場所として知られています。

幽霊子育飴の伝説は、京都はもちろん全国各地に諸説あり、上方落語の題材にもなっています。

共通するのは、六道の辻の飴屋へ、女性が夜遅くに1文銭だけを持って飴を買いに来ること。

それが6日続き、7日目の晩、女性が飴屋の主人に差し出した1文銭が1枚の葉に変わります。

不思議に思った主人は、女性の後をこっそり追うことに。

落語では、たどり着いた先が高台寺の墓地。

女性は新しく建てられた墓の前まで来ると、ふっと姿を消します。

そこは赤子を身ごもったまま命尽きた女性の墓で、墓の中から赤子の泣き声が......

墓を掘り返すと、女性の亡骸の横で、生まれたばかりの赤子が飴をしゃぶっていたのです。

落語では、助け出された赤子は飴屋夫婦に大切に育てられ、やがて高台寺の高僧に。

「こおだいじ(高台寺、子を大事)」のオチで締めくくられています。

6文銭とは、亡くなった人が三途の川を渡るのに必要なお金。

死後に墓の中で出産した女性は幽霊となり、貴重な6文銭でわが子に飴を買い続けたのですね。

幽霊子育飴_リサイズ済2.jpg

飴で命拾いした赤子は、出家して西陣にある「立本寺」の日審上人になったといわれています。

墓の中に埋められた壺に入っていたことから、「壺日審さま」の愛称を持つ日審上人。

安産守護の信仰が厚く、幽霊子育飴は立本寺の社務所でも買い求めることができます。

パッケージは立本寺のオリジナルなので、みなとやのものと見比べてみるのも面白いですね。


立本寺(りゅうほんじ)
京都市上京区七本松通仁和寺街道上ル一番町107
市バス停千本中立売から徒歩5分


高台寺・圓徳院で「百鬼夜行展」が開催中 はこちら

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