きょうのちしん
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BLOGまち歩き
2021.02.08
日本で唯一、鍾馗さんをまつる神社
京都のまちを歩いていると、町家の小屋根などから気配を感じることがあります。その正体は「鍾馗(しょうき)さん」。中国の民間伝承として広まった、疫病よけなどにご利益のある道教系の神さまといわれています。京都では民間信仰のひとつとして、町家の小屋根などに鍾馗さんの焼き物が置かれるのが一般的。向かいの屋根の鬼瓦などから弾かれた邪気を払ってくれる、町家の小さな守り神とされています。そんな鍾馗さんを正式に神格化して崇めている「鍾馗神社」をご存じでしょうか。陶祖神・椎根津彦命(しいねつひこのみこと)をまつる「陶器神社(若宮八幡宮社)」の末社。鍾馗さんも瓦から作られた焼き物であることにちなみ、平成25年(2013)に建立されました。境内の駒札によると、鍾馗神社を建立したのは、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の教授。鍾馗さんの御神体は、同大学で当時、美術工芸学科だった学生さんによる制作だそうです。屋根の上の鍾馗さんの何十倍もありそうな特大サイズの御神体は迫力満点!参拝者とにらみ合うことがないよう、視線がしっかりそらされています。よく見ると、大きな鍾馗さんの足もとには小屋根の上にいるのと同じくらいの小さな鍾馗さんが。さらに、対になった鍾馗さんも阿吽(あうん)像のように参拝者を出迎えてくれます。京都のまちで存在感を放つ鍾馗さんですが、鍾馗さんをまつる神社は日本でここだけだとか。鍾馗神社があるのは、清水焼発祥の地として知られ、古くからの京町家が多く残る五条坂。鍾馗神社の2軒西隣りにある、老舗陶器店「陶点睛 かわさき」の鍾馗さんに注目を!なんと、陶器店ならではの白い陶器の急須を持った、独特のスタイルの鍾馗さんなのです。今は京都のまちも人が少なくなって、鍾馗さんもさみしがっているかもしれませんね。世の中が落ち着いたら、まち歩きを楽しみながら鍾馗さんを探してみてください。そのときはぜひ、鍾馗神社へもお参りしてみてはいかがでしょうか。鍾馗神社(しょうきじんじゃ)京都市東山区五条橋東五丁目480(陶器神社内)市バス停五条坂下車、西へ徒歩5分
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BLOGまち歩き
2021.02.04
聖護院門跡の「法螺貝(ほらがい)みくじ」
神社やお寺へお参りする際、おみくじを引くのを楽しみにしている人も多いですよね。陶器製の縁起物の中に入ったおみくじなど、集めたくなるものもたくさんあります。私のお気に入りは、修験道の寺・山伏の寺として知られる「聖護院門跡」のおみくじ。寺紋であり、山伏が立てる(鳴らす)「法螺貝(ほらがい)」がモチーフになっています。山伏(やまぶし)とは山にこもって厳しい修行をする僧のことで、法螺貝は山伏の象徴。日本では、法螺貝はお釈迦さまの説法を知らせる法具として使用されてきたとか。仏の説法と同じ音色は、聞く人のさまざまな災難を取り除いてくれるといわれています。おみくじを読んだあとは、厄除けや魔除けのお守りとして玄関などに飾るとよいそうですよ。法螺貝を実際に立てる(鳴らす)ことはできませんが、独特のモチーフに心が動かされます。※「法螺貝みくじ」は、聖護院門跡の特別公開などの際に授与されます。聖護院門跡は、寛治4年(1090)に増誉(ぞうよ)大増正によって開基された本山修験宗総本山。修験道は、約1300年前に役行者神変(えんのぎょうじゃじんべん)大菩薩が開いた宗旨です。明治期まで皇族が住職を務めた門跡寺院であり、寺紋に菊の紋と法螺貝があしらわれています。さらに、明治期まで聖護院門跡の西側にあったといわれるのが「聖護院村」。この村で作られた大根やカブ、八ッ橋には「聖護院」の名前が与えられたとか。聖護院大根と聖護院カブは冬の京野菜、聖護院八ッ橋は京銘菓として今やすっかりおなじみですね。聖護院門跡のすぐ近くには聖護院八ッ橋総本店があり、聖護院は一帯の地名にもなっています。聖護院門跡(しょうごいんもんぜき)京都市左京区聖護院中町15市バス停熊野神社前下車、徒歩3分
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BLOGイベント
2021.02.02
トークショー「空想の仏像展~疫病退散のみほとけ~」を配信
仏像好き女性芸人が自分が理想とする仏像展について語るトークショーが2月3日(水)にライブ配信されました。MBS京都プロジェクト室の阿部成樹室長がコーディネーターを務め、京都のお寺の仏像のことも熱く語られました。 元アイドルにして仏像を愛してやまない芸人、みほとけさん。もしも、彼女の理想が詰め込まれた、仏像展が開催されたなら...。空想の展示室に並んだ、理想の仏像たち。ここだけの展示方法でそれぞれの仏像の美しさ、優しさ、力強さを紹介し、そこに込められた「疫病退散」への願いについて語ります。この「空想の仏像展」を「理想の仏像展」として実現させたいと思う90分です!「水曜トークショー」のページでアーカイブされた動画を視聴することができます。みほとけプレゼンツ 空想の仏像展~疫病退散のみほとけ~(出演)みほとけ(仏像好き芸人)×阿部成樹(MBS京都プロジェクト室)【水曜トークショー】https://www.mbs.jp/plaza/talkshow/
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BLOGまち歩き
2021.01.31
京都・五条坂の「若宮八幡宮社」で身も心も美しく
先日の「きょうのちしん」でご紹介した、須賀神社の「懸想文売り」。美しくなれる、縁談が舞い込むといったご利益があるとされる、節分の風俗行事です。京都には、美容や縁結びにご利益のある社寺も数多くあります。そのなかから、今回は五条坂の途中にある「若宮八幡宮社」をご紹介します。御祭神は、八幡神の主神である応神天皇と、父の仲哀天皇、母の神功皇后。神功皇后は、子育てや安産の神様としても知られる美貌の持ち主といわれています。本殿の脇に姿見が設置されているので、参拝前に全身をチェックすることもできますよ。鏡といえば、こちらで授与される「美の鏡御守り」はコンパクト鏡になっているのがユニーク。職人さんの手づくりという「勝運 勝ち守」も、本格的な石の台座に御神鏡がついています。参詣できない人のために、授与品の発送も受け付けられているとか。詳細は、若宮八幡宮社の公式ウェブサイトで確認してください。昭和期に、陶祖神の椎根津彦命(しいねつひこのみこと)が合祀。そのことから「陶器神社」ともよばれています。若宮八幡宮社のある五条坂といえば、清水焼発祥の地。一帯には陶磁器店が立ち並び、京焼・清水焼専門店の「京都陶稚會陳列所」もあります。女性のあこがれである「陶器のような肌に」という願いもかなえてくれるかもしれません。若宮八幡宮社(わかみやはちまんぐうしゃ)京都市東山区五条橋東五丁目480市バス停五条坂下車、西へ徒歩5分https://wakamiya-hachimangu.jp/今年の節分は2月2日① 須賀神社「懸想文売り」 はこちら
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BLOGお土産
2021.01.29
今年の節分は2月2日 ②錦・河一の「節分セット」
恵方巻や福豆が並ぶ節分の食卓に、かわいらしい「鬼」をプラスしませんか?京の台所・錦市場の中ほどにある「錦 河一(河一商店)」。旬の京野菜をはじめ、新鮮な野菜や果物が豊富に並ぶ、昭和30年(1955)創業の青果店です。こちらのお店では、オリジナルの「節分セット」が数量限定で販売されています。金時人参の鬼、南瓜の木葉、紫芋の金棒、金時人参と大根の梅の花と、心をくすぐる飾り切り。鬼は凛々しいまゆ毛につぶらな瞳、通った鼻筋、口角の上がった口元と、愛嬌のある表情もすてき!これらの野菜が入った桝(ます)も大根で作られていて、まるごと食べられるのも魅力です。大根はおうちのドレッシングなどをお好みでかけて、サラダ感覚でいただくこともできるとか。鬼や梅の花は、お弁当のおかずなどに添えてもよさそうですね。とても気さくなご主人に、おすすめの食べ方などを聞いてみるのも楽しいひとときです。 錦 河一(にしき かわいち)京都市中京区錦小路通柳馬場東入ル東魚屋町177(錦市場内)阪急京都河原町駅から徒歩5分今年の節分は2月2日 ①須賀神社「懸想文売り」 はこちら
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BLOG歳時記
2021.01.27
今年の節分は2月2日① 須賀神社「懸想文売り」
2021年の節分は2月3日ではなく、2月2日。立春が2月3日にずれることに伴うもので、明治30年(1897)以来、124年ぶりのことなのだとか。コロナ禍のため、追儺式や豆まきの行事、甘酒の接待などは中止とする神社やお寺が多いようです。おうちで粛々と豆まきをして、鬼とともに新型コロナウイルスも追い払いたいものですね。節分といえば鬼ですが、鬼ではなく、ミステリアスな人間が境内に出没する神社もあります。京都の聖護院にある須賀神社では、2人組の「懸想文(けそうふみ)売り」が節分の主役に。懸想文売りは、現在では節分の須賀神社でしか見られない貴重な京都の風俗行事です。須賀神社の社務所で授与される絵馬や御朱印にも描かれている、懸想文売りとは!?須賀神社で授与される懸想文は、"縁談や商売繁昌など人々の欲望をかなえる符札"。烏帽子(えぼし)と水干(すいかん)姿で、梅の枝に文を結んで歩くのが懸想文売りです。読み書きが一般的でない江戸時代、お正月に恋文の代筆業をしていた風習が受け継がれています。目だけを出して顔全体が白い布で覆われているのは、正体を見抜かれないようにするための策。その正体は公家たちで、教養がありながら生活に困窮していた彼らの秘密裏の副業だったとか。鼻や口が完全に隠された姿は、思いがけず感染症対策にもなっているのかもしれません。懸想文はお守として、タンスの引き出しの中などにこっそり忍ばせておくとべっぴんさんに!?さらに、早々に縁談が舞い込む、衣装持ちになるなどのご利益もあるといわれています。須賀神社(すがじんじゃ)京都市左京区聖護院円頓美町1市バス停熊野神社前下車、徒歩5分※豆まき行事は中止、2月1日(月)・2日(火)の「優雅な懸想文(お守)売り」は実施予定。
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BLOGお土産
2021.01.25
嵩山堂はし本の「新春セール」
卒業や入学など、お祝いの機会が増えるこれからの季節。すてきなデザインのご祝儀袋やポチ袋に気持ちを包めば、さらに喜んでもらえそうです。昭和28年(1953)創業、六角通麩屋町に本店を構える「嵩山堂はし本」。手書き文字や手描きデザインにこだわった紙製品を製造・販売する、京都の和文具店です。なかでも、オリジナルのご祝儀袋やポチ袋、封筒は、ほぼ手作業で製袋されているのだとか。便せんや封筒、はがき、カードなど、手紙を書きたくなる紙製品も充実のラインナップ。この時期は、桃の節句に送りたい、お雛様があしらわれた便せんやカードなども並んでいます。お祝いが増えて懐具合も気になるという人は、「新春セール」で手に入れてみてはいかが?京都本店限定で1月31日(日)まで開催している、半期に一度のお得な機会。店内の一部の商品が最大50%オフになるほか、組み合わせでお得になる商品も用意されています。期間中、商品を購入した人には、オリジナルのマスクケースがプレゼントされます。鳥獣人物戯画の「とがのをうさぎ」がマスクをしている、風刺を交えたデザイン。マスクケースのプレゼントは、公式オンラインショップで購入した人も対象です。この機会に、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。嵩山堂はし本(すうざんどうはしもと)京都市中京区六角通麩屋町八百屋町110阪急京都河原町駅から徒歩10分https://suuzando.co.jp/
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BLOGお店
2021.01.22
「麹屋cafe」の甘酒
二十四節気の最終節にあたる「大寒」は、1年でもっとも寒いといわれる時期。2021年は1月20日(水)~2月2日(火)が大寒にあたります。底冷えの京都で人々の身体を温めてきた飲み物といえば、あめ湯や甘酒。起源が古墳時代と伝わる甘酒は、平安時代ごろまでは貴族の飲み物だったとか。江戸時代に京都や大阪、東京で甘酒売りが繁盛し、庶民にも飲まれるようになったそうです。例年、節分会などであめ湯や甘酒が振舞われることもありますが、コロナ禍の今年は中止に。老舗こうじ店が手がける発酵カフェの本格的な甘酒で、冷えた身体を温めませんか?京都の舞鶴に本店を持ち、生こうじや味噌などの発酵食品を販売している「大阪屋こうじ店」。江戸時代初期の寛永年間に大阪から舞鶴へ移り住み、「大阪屋」として商いを始めた老舗です。創業以来、伝統の製法で3日をかけてひとつずつ手づくりされるという、こうじ(麹・糀)。国産米の米こうじ、麦こうじ、無農薬こうじなどが、1年を通して製造・販売されています。平安神宮の近くには「大阪屋こうじ店 三条神宮道店」があります。こちらのお店では、カフェスペースとして「麹屋cafe」を併設。甘酒や白味噌のお雑煮、味噌汁定食など、こうじを生かした発酵食メニューをいただけます。甘酒はアルコールや砂糖が入っていない、こうじのやさしい甘みを感じられる一杯。お米の粒もふんわりとやわらかく、生姜入りで身体の芯からホカホカになるのを感じます。こうじ100%で作られた甘酒は、点滴とほぼ同じ成分で整腸作用や疲労回復にもよいとか。ホットミルク甘酒ラテ、タピオカ入りのホットココア甘酒など、豊富なバリエーションも魅力です。テイクアウトのほか、生甘酒の素などをお取り寄せもできるので、おうち時間にもいかが?詳細は大阪屋こうじ店の公式ウェブサイトで確認してください。大阪屋こうじ店 三条神宮道店(おおさかやこうじてん さんじょうじんぐうみちてん)京都市東山区三条通神宮道東入ル中之町181地下鉄東山駅から徒歩5分https://www.namakouji.com/今も昔も、底冷えの京都で愛される「あめ湯とは?」 はこちら
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