2021年の節分は2月3日ではなく、2月2日。
立春が2月3日にずれることに伴うもので、明治30年(1897)以来、124年ぶりのことなのだとか。
コロナ禍のため、追儺式や豆まきの行事、甘酒の接待などは中止とする神社やお寺が多いようです。
おうちで粛々と豆まきをして、鬼とともに新型コロナウイルスも追い払いたいものですね。
節分といえば鬼ですが、鬼ではなく、ミステリアスな人間が境内に出没する神社もあります。
京都の聖護院にある須賀神社では、2人組の「懸想文(けそうふみ)売り」が節分の主役に。
懸想文売りは、現在では節分の須賀神社でしか見られない貴重な京都の風俗行事です。
須賀神社の社務所で授与される絵馬や御朱印にも描かれている、懸想文売りとは!?
須賀神社で授与される懸想文は、"縁談や商売繁昌など人々の欲望をかなえる符札"。
烏帽子(えぼし)と水干(すいかん)姿で、梅の枝に文を結んで歩くのが懸想文売りです。
読み書きが一般的でない江戸時代、お正月に恋文の代筆業をしていた風習が受け継がれています。
目だけを出して顔全体が白い布で覆われているのは、正体を見抜かれないようにするための策。
その正体は公家たちで、教養がありながら生活に困窮していた彼らの秘密裏の副業だったとか。
鼻や口が完全に隠された姿は、思いがけず感染症対策にもなっているのかもしれません。
懸想文はお守として、タンスの引き出しの中などにこっそり忍ばせておくとべっぴんさんに!?
さらに、早々に縁談が舞い込む、衣装持ちになるなどのご利益もあるといわれています。
須賀神社(すがじんじゃ)
京都市左京区聖護院円頓美町1
市バス停熊野神社前下車、徒歩5分
※豆まき行事は中止、2月1日(月)・2日(火)の「優雅な懸想文(お守)売り」は実施予定。