きょうのちしん
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BLOGまち歩き
2021.05.17
京都・銀座物語② 徳川時代は「銀座」が京都に!?
先日の「きょうのちしん」でご紹介した、高瀬川の「銀座のヤナギ」。銀座といえば、江戸時代、京都には江戸(東京)より先に「銀座」があったのをご存じでしょうか?「銀座」という名前は、京都の伏見が発祥の地ともいわれています。京阪伏見桃山駅の北側に現在も残る、「銀座町」1丁目~4丁目。慶長6年(1601)5月、徳川家康がこの地に銀貨の鋳造所である「銀座」を置いたことが由来です。当時の伏見は日本最大の城下町として栄え、家康によって幕府が開かれたのです。伏見の「銀座」(銀貨鋳造所)は、慶長13年(1608)に京都の両替町(現在の中京区)に移転。現在の烏丸通の1筋西、両替町通の二条・押小路・御池・姉小路・三条あたりといわれています。その後、江戸(東京)に「銀座」(銀貨鋳造所)が移ったのは、慶長17年(1612)のこと。新両替町1丁目~4丁目という町名を経て、明治2年(1869)に銀座1丁目~4丁目ができました。それまでの俗称としての「銀座町」から、正式に「銀座」と称されるようになったのだとか。貨幣の鋳造は江戸中期の「寛政の改革」以降、京都で行われなくなり、明治元年(1868)に廃止。その間には駿府(静岡)や大坂(大阪)、長崎などにも「銀座」が置かれていたといわれています。第1号となった京都・伏見区の銀座町1丁目には、「伏見銀座跡」の石標が残されています。また、京都・両替町通の御池を上がったあたりには「徳川時代銀座遺址」の石標も。ちょうど、京都国際マンガミュージアム(龍池小学校跡地)の西門側ですね。また、当時は銀座(銀貨鋳造所)と同様に「金座」(金貨鋳造所)も設けられました。「徳川時代銀座遺址」から60メートルほど北上すると「徳川時代金座遺址」の石標もありますよ。これらの石標の脇にも「銀座のヤナギ」を植栽してほしいと思うのは私だけでしょうか。徳川時代銀座遺址(とくがわじだいぎんざいし)京都市中京区両替町通御池上る東側地下鉄烏丸御池駅から徒歩2分徳川時代金座遺址(とくがわじだいきんざいし)京都市中京区両替町通押小路下る東側地下鉄烏丸御池駅から徒歩2分京都・銀座物語① 京都に里帰りした「銀座のヤナギ」はこちら
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BLOGまち歩き
2021.05.15
京都・銀座物語① 京都に里帰りした「銀座のヤナギ」
出町柳、柳馬場(やなぎのばんば)通、柳小路通、柳池(りゅうち)学区......京都には、「柳」のつく地名もいろいろありますね。六角堂 頂法寺、鯖街道口、鴨川、高瀬川、白川、島原大門前など、ヤナギの名所も点在。シダレヤナギは、上京区や中京区などの「区民の誇りの木」のひとつとしても知られています。そのなかで、木屋町の高瀬川沿いに「銀座のヤナギ」とよばれるシダレヤナギがあります。東京都中央区の銀座から京都に"里帰りした"といわれるヤナギの木です。銀座中央通りのシンボルだった柳並木は、大正時代に道路整備によって撤去されました。ところが、昭和初期の『東京行進曲』の大ヒットによって柳並木の復活のラブコールが。歌詞のなかの「昔恋しい 銀座の柳」のフレーズが、地元の人々の郷愁をかき立てたのです。復活を求める地元有志の人々が接ぎ木するなど尽力し、残されたヤナギの木から二世の増殖に成功。そのおかげで、東京・銀座中央通りに柳並木がよみがえったのだとか。そのヤナギの木がなぜ、銀座から京都に"里帰りした"といわれるのでしょうか?じつは「銀座のヤナギ」の親は、六角堂 頂法寺の「六角柳」ともいわれています。そこで、その返礼にと東京から京都に寄贈されたのが「銀座のヤナギ二世」です。平成8年(1996)に、ヤナギの木が似合う高瀬川沿いに植樹されるも、枯れてしまったとか。現在の木は平成25年(2013)6月、松坂屋銀座店の屋上の「銀座のヤナギ四世」が植栽されたもの。高瀬川沿いに沿って、木屋町通と姉小路通が交差する姉小路橋のたもとに立っていますよ。さて、六角堂 頂法寺の「六角柳」は平安時代の故事から「縁結びの柳」として知られてきました。現在は、ヤナギの枝2本におみくじを結ぶことで良縁のご利益があるとされています。「銀座のヤナギ」とも縁が深かったことは、意外にも知られていないかもしれません。青々とした葉が薫風に揺れるこの季節は、とくに風格があって美しいですね。銀座のヤナギ(ぎんざのやなぎ)京都市中京区木屋町通姉小路恵比須町(姉小路橋角)地下鉄京都市役所前駅から徒歩3分六角堂 頂法寺(ろっかくどう ちょうほうじ)京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町地下鉄烏丸御池駅5番出口から徒歩3分
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BLOG歳時記
2021.05.13
京都・要法寺から鴨川へ"子ガモのお引越し"
京都三大祭のひとつとして知られる、5月の「葵祭(賀茂祭)」。「賀茂社」と総称される、上賀茂神社(賀茂雷別神社)と下鴨神社(賀茂御祖神社)の例祭です。昨年に続き、今年も5月15日(土)の「時代行列」や「路頭の儀」は中止に。斎王代による「禊の儀」も中止となり、関連する神事のみ一般には非公開で執り行われます。そんななか、葵祭のこの時期、コロナ禍でも中止できない"ある行列"があります。それはカモの親子が、育ったお寺から鴨川の東岸まで移動する"お引越し"です。カモの親子が住みついているのは、東山三条の「要法寺(ようぼうじ)」。この春は3月30日(火)の未明に、境内の清涼池で13羽のカモが孵化したそうです。一連のきっかけは、平成17年(2005)、境内につがいのカモが飛来して産卵したこと。それ以来、清涼池で繁殖し、巣立ちのときまでお寺や近所の人々に温かく見守られてきました。今年は5月13日(木)に、"お引越し"が行われました。孵化した13羽のうち、無事に成長した12羽が、池から約700メートル西にある鴨川へ。この日は早朝から親ガモの姿がなかったそうで、子ガモだけでの出発になったとか。近所の人々や警察官に見守られ、誘導されながら、12羽は鴨川までの道のりを2時間かけて横断。先頭を歩くはずの親ガモは不在なものの、例年より子だくさんでにぎやかな行列となりました。もちろん、交通量の多い川端通を横断する際には、車両が通行止めになります。パトカーも出動する、京都三大祭の行列さながらの一大行事ですね。生まれ育った池から大きな川へ、子ガモたちにとって"新しい生活"がスタートしました。ちょうど、5月10日(月)~16日(日)は「愛鳥週間(バードウィーク)」です。鴨川でも子ガモたちが温かく見守られ、無事にすくすくと育ちますように。
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BLOGまち歩き
2021.05.11
「龍岸寺」が"ナムい"!
先日の「きょうのちしん」でご紹介した、三哲通(塩小路通)。その通りに建つ浄土宗のお寺が、三哲通の名前の由来になったといわれています。元和2年(1616)ごろ、僧・三哲(安井算哲)によって創建されたと伝わる「龍岸寺」です。三哲(安井算哲)の息子は、江戸幕府の初代天文方を務めたという、渋川春海(算哲)。その渋川春海(算哲)の屋敷跡に、お寺が整備されたのが始まりとされています。今、この龍岸寺が、"ナムい"お寺として注目を浴びているのをご存じでしょうか?合言葉は、"一緒にツクろう 新しいお寺のかたち"。"お寺こそ、日本人の信仰文化の拠点!"を信念に、さまざまな取り組みが行われています。なかでも注目は、多彩なメンバーで構成される活動ユニットです。仏具系ポップユニット「佛佛部」は、仏師を筆頭に京都の職人さんたちがアイドルとコラボ。冥土喫茶「ぴゅあらんど」では、メイドの「くーたん」が、隔月で"娑婆留学"に来ているとか!?どちらもお寺での活動再開が待たれますが、おうち時間に楽しめるコンテンツもありますよ。YouTubeチャンネル「龍岸寺ナムナムTV」です。ご住職さんと、小学生の息子さん(えんちゃん)によって、さまざまな動画を配信。週末には、「今週の終わりの会」と称したライブ配信も行われているとか。外出自粛期間中の今、ぜひ視聴して心を整えてみてはいかがでしょうか。また、仏師・三浦耀山さんによる「1日仏像彫刻教室」の11月9日(火)分の募集も行われています。詳細は龍岸寺の公式ウェブサイトで確認してください。お寺の掲示板も名物で、つぶやきはもちろん、カラフルなチョーク画にも見入ってしまいます。浄土宗 龍岸寺(じょうどしゅう りゅうがんじ)京都市下京区塩小路通大宮東入八条坊門町564京都市バス停七条大宮下車、徒歩5分龍岸寺 公式ウェブサイト はこちらYouTubeチャンネル「龍岸寺ナムナムTV」 はこちら三哲通の今を求めて はこちら
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BLOGまち歩き
2021.05.09
三哲通の今を求めて
京都の中心部を東西に走る通り。なかでもよく知られているのが、丸太町や三条、四条などのメインストリートですよね。「まるたけえびす」の通り名の歌を覚えることで、中心部の通りを歩きやすくなります。ただ、この通り名の歌は古くからあるので、五条より南の通りは現在とは異なる場合も。たとえば「三哲(さんてつ)」は、現在の「塩小路」通のことだとか。京都駅の北側、京都タワーを望む大きな通りで、駅ビルなどが建ち並んでいます。塩小路通は知っていても、三哲通は聞いたことがないという人が多いかもしれませんね。JRバスの停留所名だった「三哲」は、2020年3月「下京区総合庁舎前」に改称。京都のまちで、三哲の名前がすっかり影をひそめてしまいました。先述の通り名の歌にしても、三哲の部分が異なっているバージョンもあるようです。地図上では、堀川通の西側、岩上通から大宮通の細い道は三哲通として記されています。じつは、三哲通(塩小路通)には、通り名の由来になったとされるお寺が建っています。そのお寺については、次回の「きょうのちしん」でご紹介したいと思います。
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BLOG歳時記
2021.05.03
初夏の訪れを告げる鯉のぼり
5月5日の端午の節句に向けて、大空に泳ぐ鯉のぼり。最近はその姿を見かけることも少なくなりましたが、初夏の風物詩のひとつですね。京都の東山中学・高等学校の玄関前や周辺では、この時期にたくさんの鯉のぼりが並んでいます。子どもたちの健康安全や学業成就を願って3年前より行われている、名門男子校の新名物です。保護者や教職員、関係者から寄贈されたという鯉のぼりは、約300旒(りゅう)を数えるとか。玄関前から鹿ケ谷通り沿い、琵琶湖疏水上に5月の風を受けた鯉のぼりがはためいています。昨年は新型コロナウイルス感染症による全国一斉休校の影響で、鯉のぼりの掲揚が中止に。今年は新型コロナウイルス感染症の終息を願い、5月6日(木)ごろまで掲揚されています。創立が明治元年(1868)と、日本最古の私立学校のひとつである東山中学・高等学校。幕末の混乱期に学問の必要性が唱えられ、知恩院内に学問所が設けられたのが起源だとか。永観堂は徒歩1分、南禅寺は徒歩2分、哲学の道は徒歩5分など、東山の名所に囲まれています。先日の「きょうのちしん」でご紹介した「蹴上のつつじ」も、歩いて10分ほどの場所にありますよ。現在、京都を含む4都道府県は緊急事態宣言下にあります。このゴールデンウイークも、京都へのお出かけを控えてくださいますようお願いいたします。ウェブ上で、時間や場所を気にせず京都を楽しんでいただければ幸いです。空を泳ぐ鯉のぼりのように、子どもたちが元気にのびのびと過ごせる世の中になりますように。
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BLOGまち歩き
2021.04.30
「蹴上のつつじ」が花盛り
今年のゴールデンウイークもおうち時間が増えますね。ウェブ上で旬の京都をお楽しみいただければうれしいです。コロナ禍でも四季折々の花は咲き、「蹴上(けあげ)のつつじ」も花盛りを迎えています。蹴上浄水場内のツツジで、例年より1週間ほど早い開花なのだとか。残念ながら、今年はゴールデンウイークの一般公開はありません。場内も立ち入り禁止ですが、場外から群生するツツジを愛でることはできます。その数は4800本といわれ、地下鉄蹴上駅から三条通を東に沿って見どころが続きます。粟田山の山麓に広がる、蹴上浄水場。日本初の急速ろ過式浄水場として、明治45年(1912年)から給水が開始されました。傾斜地に建てられた施設のため、斜面が崩れないようにツツジが植えられたのだとか。「蹴上のつつじ」は、大正時代から京都市民に人気の名所だったそうですよ。今年は間近で見ることは叶いませんが、変わりなく山肌を彩るツツジに元気をもらえます。丸くなるように刈り込むなど、手入れをしてくださっている職員さんにも感謝です。ツツジ全体の花言葉は「節制」「節度」「慎み」「自制心」など。まさに、コロナ禍の心がまえとして大切なことばかりですね。蹴上浄水場(けあげじょうすいじょう)京都市東山区粟田口華頂町3地下鉄蹴上駅からすぐ※2021年の「蹴上のつつじ」の一般公開はありません。場内への立ち入りも禁止されています。
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BLOGまち歩き
2021.04.28
カキツバタの名所「大田神社」
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う、3度目の緊急事態宣言が発令中の京都。ウェブ上で楽しめる旬の京都をお届けできればと思います。今回ご紹介するのは、上賀茂神社(賀茂別雷神社)の境外摂社である大田神社です。起源は不明ですが、白鳳6年(678)造営の上賀茂神社より前から存在していたといわれる古社。延長5年(927)に作成された『延喜式神名帳』にも、大田神社の名前が記載されています。『延喜式神名帳』とは、官社によって指定された当時の全国の神社一覧のこと。本殿と拝殿は、寛永5年(1628年)に造り替えられたものといわれています。大田神社は、上賀茂神社より社家町に沿って東に10分ほど歩いた場所に鎮座。御祭神の天鈿女命(あめのうずめのみこと)は、芸能上達の神様として信仰されています。境内東側の沢池は、京都を代表するカキツバタの名所。約2000平方メートルの大田ノ沢に、約2万5000株もの野生のカキツバタが自生しているとか。京都がまだ湖だった古代よりこの地に生息していた花といわれ、国の天然記念物に指定。平安後期から鎌倉初期の歌人・藤原俊成も、「大田ノ沢のかきつばた」の情景を歌に詠んでいます。平安時代には、すでに大田ノ沢がカキツバタの名勝地であったことがうかがえますね。例年、5月中旬ごろに見ごろを迎えますが、今年は2週間ほど早く咲き始めているようです。濃淡の紫色の花が大田ノ沢の一面を彩るころには、世の中が少しでも落ち着いていますように。大田神社(おおたじんじゃ)京都市北区上賀茂本山340市バス停上賀茂神社前下車、徒歩10分※2021年4月25日(日)~5月11日(火)の期間、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う「緊急事態宣言」が京都府全域に発令中です。
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