BLOG歳時記2021.05.13

京都・要法寺から鴨川へ"子ガモのお引越し"

京都三大祭のひとつとして知られる、5月の「葵祭(賀茂祭)」。

「賀茂社」と総称される、上賀茂神社(賀茂雷別神社)と下鴨神社(賀茂御祖神社)の例祭です。

昨年に続き、今年も515日(土)の「時代行列」や「路頭の儀」は中止に。

斎王代による「禊の儀」も中止となり、関連する神事のみ一般には非公開で執り行われます。

そんななか、葵祭のこの時期、コロナ禍でも中止できない"ある行列"があります。

それはカモの親子が、育ったお寺から鴨川の東岸まで移動する"お引越し"です。

カモの親子が住みついているのは、東山三条の「要法寺(ようぼうじ)」。

この春は330日(火)の未明に、境内の清涼池で13羽のカモが孵化したそうです。

一連のきっかけは、平成17年(2005)、境内につがいのカモが飛来して産卵したこと。

それ以来、清涼池で繁殖し、巣立ちのときまでお寺や近所の人々に温かく見守られてきました。

今年は513日(木)に、"お引越し"が行われました。

孵化した13羽のうち、無事に成長した12羽が、池から約700メートル西にある鴨川へ。

この日は早朝から親ガモの姿がなかったそうで、子ガモだけでの出発になったとか。

近所の人々や警察官に見守られ、誘導されながら、12羽は鴨川までの道のりを2時間かけて横断。

先頭を歩くはずの親ガモは不在なものの、例年より子だくさんでにぎやかな行列となりました。

もちろん、交通量の多い川端通を横断する際には、車両が通行止めになります。

パトカーも出動する、京都三大祭の行列さながらの一大行事ですね。

生まれ育った池から大きな川へ、子ガモたちにとって"新しい生活"がスタートしました。

ちょうど、5月10日(月)~16日(日)は「愛鳥週間(バードウィーク)」です。

鴨川でも子ガモたちが温かく見守られ、無事にすくすくと育ちますように。

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