BLOGまち歩き2021.05.15

京都・銀座物語① 京都に里帰りした「銀座のヤナギ」

出町柳、柳馬場(やなぎのばんば)通、柳小路通、柳池(りゅうち)学区......

京都には、「柳」のつく地名もいろいろありますね。

六角堂 頂法寺、鯖街道口、鴨川、高瀬川、白川、島原大門前など、ヤナギの名所も点在。

シダレヤナギは、上京区や中京区などの「区民の誇りの木」のひとつとしても知られています。

そのなかで、木屋町の高瀬川沿いに「銀座のヤナギ」とよばれるシダレヤナギがあります。

東京都中央区の銀座から京都に"里帰りした"といわれるヤナギの木です。

銀座中央通りのシンボルだった柳並木は、大正時代に道路整備によって撤去されました。

ところが、昭和初期の『東京行進曲』の大ヒットによって柳並木の復活のラブコールが。

歌詞のなかの「昔恋しい 銀座の柳」のフレーズが、地元の人々の郷愁をかき立てたのです。

復活を求める地元有志の人々が接ぎ木するなど尽力し、残されたヤナギの木から二世の増殖に成功。

そのおかげで、東京・銀座中央通りに柳並木がよみがえったのだとか。

銀座の柳_リサイズ2.jpg

そのヤナギの木がなぜ、銀座から京都に"里帰りした"といわれるのでしょうか?

じつは「銀座のヤナギ」の親は、六角堂 頂法寺の「六角柳」ともいわれています。

そこで、その返礼にと東京から京都に寄贈されたのが「銀座のヤナギ二世」です。

平成8年(1996)に、ヤナギの木が似合う高瀬川沿いに植樹されるも、枯れてしまったとか。

現在の木は平成25年(2013)6月、松坂屋銀座店の屋上の「銀座のヤナギ四世」が植栽されたもの。

高瀬川沿いに沿って、木屋町通と姉小路通が交差する姉小路橋のたもとに立っていますよ。

銀座の柳_リサイズ1.jpg

さて、六角堂 頂法寺の「六角柳」は平安時代の故事から「縁結びの柳」として知られてきました。

現在は、ヤナギの枝2本におみくじを結ぶことで良縁のご利益があるとされています。

「銀座のヤナギ」とも縁が深かったことは、意外にも知られていないかもしれません。

青々とした葉が薫風に揺れるこの季節は、とくに風格があって美しいですね。


銀座のヤナギ(ぎんざのやなぎ)
京都市中京区木屋町通姉小路恵比須町(姉小路橋角)
地下鉄京都市役所前駅から徒歩3分

六角堂 頂法寺(ろっかくどう ちょうほうじ)
京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町
地下鉄烏丸御池駅5番出口から徒歩3分

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