先日の「きょうのちしん」でご紹介した、「京の大仏」跡。
豊臣秀吉公が建立した方広寺に、奈良の大仏にならって造営されたものといわれています。
今回は、大仏殿の台座があったとされる場所をご紹介します。
豊国神社の東、京都国立博物館の北側、現在は「大仏跡緑地」として整備されています。
現在の豊国神社、京都国立博物館、三十三間堂なども、かつては方広寺の寺域だったとか。
平成12年(2000)に、豊国神社境内の東で大仏殿跡の発掘調査がおこなわれました。
その際に大仏殿の正確な位置が判明し、台座や柱跡などの遺構が見つかったのです。
遺構は再び地下に埋め戻して保存され、地上に配された板石などで位置が示されています。
当時の大仏殿は、高さ約49メートル、東西約55メートル、南北約90メートルという大スケール。
そこに安置された「京の大仏」は、約19メートルの高さだったともいわれています。
「京の大仏」の姿はないものの、ここへ来ると思わず空を見上げてしまいます。
また、豊国神社から京都国立博物館にかけて西側に見られる巨石は、大仏殿の石積みです。
当時、方広寺の大仏殿などの主な伽藍は巨大な石塁に囲まれていました。
現在は「方広寺大仏殿跡及び石塁・石塔」として、国の指定史跡に指定されています。
石垣の間には、パズルのようにさまざまな大きさや形の石が埋め込まれているのもユニーク!
傍らには、「大佛殿石垣 天正14年豊臣秀吉築造」と刻まれた石碑も建っています。
社寺を参拝し、京都国立博物館を訪れる際は、大仏殿跡にも注目してみてはいかがでしょうか?
大仏殿跡緑地(だいぶつでんあとりょくち)
京都市東山区茶屋町531
京阪七条駅から徒歩10分
「京の大仏」の名残① 正面通と大仏前 はこちら
「京の大仏」の名残② 甘春堂の「大佛餅」 はこちら