BLOGまち歩き2021.08.09

源義経が旅の安全を祈願した「首途八幡宮」

「8(は)」「10(と)」の語呂合わせから、「鳩の日」に制定されている8月10日。

鳩は全国の八幡神の使いとされ、京都では石清水八幡宮や三宅八幡宮などの象徴に。

平和のシンボルとしても知られ、六角堂 頂法寺の境内でも鳩が大切にされています。

今回は、西陣にある「首途八幡宮(かどではちまんぐう)」をご紹介します。

境内の手水舎を守っている鳩の像の、フォルムや大きさ、たたずまいが本物の鳩にそっくり!

さらに、鳩の像に人が近づくとセンサーで鳩の口から水が流れ出すという仕掛けにびっくり!

御本殿や門などにもさまざまな鳩の姿が見られるので、ぜひ探してみてくださいね。

また、絵馬やお守り、土鈴などの授与品にもさまざまな表情の鳩があしらわれています。

旅行バッグや車などに貼りたい、旅行・交通安全ステッカーも鳩の形がユニークです。

首途八幡宮_リサイズ2.jpg

首途八幡宮は、八幡宮の総本宮の大分・宇佐(うさ)神宮から八幡大神を勧請したのが起源。

もともと、このあたりに平安末期の商人・金売吉次(かねうりきちじ)の屋敷がありました。

吉次は奥州(東北地方)で算出される金を京で商うことを生業にしていたとか。

承安年間(1174)、吉次に会うため鞍馬山から飛び出してきたのが、牛若丸こと源義経。

義経は吉次の屋敷近くの内野八幡宮で道中の安全を祈願し、吉次の援助を受けます。

そして、奥州・平泉の藤原秀衡(ひでひら)のもとへ旅立つことができたといわれています。

義経が参拝した内野八幡宮こそが、現在の首途八幡宮。

その安全祈願の逸話から、「出発」や「旅立ち」の意味を持つ現在の「首途」に転じたとか。

境内には「源義経奥州首途之地」と刻まれた石碑も建っています。

このご時世で旅行もままならなくなりましたが、人生の転機にもご利益があるそうですよ。

幸せを運んでくる鳩にあやかって、新しい世界へ羽ばたくことができますように。


首途八幡宮(かどではちまんぐう)
京都市上京区智恵光院通今出川上ル桜井町102-1
市バス今出川大宮下車、西へ徒歩5分

鳥と神社③ 鳩に囲まれる「三宅八幡宮」 はこちら

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