BLOGまち歩き2021.02.21

石像寺の「厄除招福だるま」と「釘抜地蔵御縁日」

今年は緊急事態宣言下で、節分のお参りがかなわなかった人も多いですよね。

節分も初詣と同様に分散参拝が推奨され、まだまだお参りできる社寺もあります。

たとえば、西陣の「釘抜(くぎぬき)地蔵」で知られる「石像寺(しゃくぞうじ)」。

今年は特別に、331日(水)まで「厄除招福だるま」が授与されています。

例年、節分限定で授与される「七転び八起きお身代わり守り」。

かわいらしい姫だるまの姿でありながら、釘抜地蔵大菩薩の慈悲の力が込められたお守りです。

また、毎月24日は「釘抜地蔵御縁日」。

短いおつとめとご住職のお話のあとに、お地蔵さまからのプレゼントが接待されます。

毎月おこなわれるので、落ち着いてからゆっくりお参りしてみてはいかがでしょうか。

釘抜地蔵_リサイズ6.jpg

弘仁10年(819)、弘法大師・空海の開基とも伝わる石像寺。

鎌倉時代の俊乗坊重源上人による中興を機に、真言宗寺院から浄土宗寺院に。

さらに、慶長19年(1614)に西蓮社厳誉上人によって再興されたといわれています。

地蔵堂(本堂)には、空海の作とされるご本尊の石造地蔵菩薩立像を安置。

参道では釘と釘抜が、境内では大きな釘抜の像が参拝者を出迎えてくれます。

社伝によると、「釘抜地蔵」の名前の由来には、2つの説があるとか。

ひとつは「苦抜(くぬき)地蔵」が転じて「釘抜(くぎぬき)地蔵」になった説。

もうひとつは、商人の夢に出てきたお地蔵さまが、商人の手から2本の恨みの釘を抜いた説。

心や体の釘(苦しみ)を抜きとってくれるお地蔵さまとして、現在も参拝者が絶えず訪れています。

釘抜地蔵_リサイズ4.jpg

石像寺には、釘(苦しみ)を抜きとってもらったら「お礼絵馬」を奉納する習わしがあるとか。

大きな板に2本の八寸釘と釘抜が張り付けられた、なんとも珍しく壮観な絵馬。

地蔵堂の壁一面に約1000枚のお礼絵馬がびっしりと貼られ、その信仰の深さがうかがえます。

先日の「きょうのちしん」でご紹介した、ウソつきの舌を抜くといわれる閻魔さま。

そして今回の、心や体の釘(苦しみ)を抜いてくださる菩薩さま。

一見、正反対のように見えて、どちらも慈悲深いお地蔵さまというのも興味深いですね。


石像寺(しゃくぞうじ)/釘抜地蔵(くぎぬきじぞう)
京都市上京区千本通上立売上ル花車町503
市バス停千本上立売下車、徒歩3分


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