京都府・京都市でも「大阪・兵庫や首都圏への不要不急の往来を当面控える」要請が出ました。
そんな中でも咲いていた桜を、「きょうのちしん」で少しずつお届けできればと思います。
先が見えず、おうちにこもる中で、少しでも気持ちが明るくなりますように......。
広い敷地内には宮家や公家ゆかりの桜も多く、隠れた桜の名所である京都御苑。
先日の「きょうのちしん」で、近衛邸跡の糸桜(枝垂れ桜)をご紹介しました。
苑内の中ほどにある「学習院発祥の地」と伝わる場所でも、珍しい桜が横たわっています。
......桜が横たわっている!?
なんと、倒れたクロマツの木の枝から花を咲かせるヤマザクラで、その名も「桜松」。
発端は昭和30年ごろ、樹齢60年ほどだったクロマツに鳥がヤマザクラの種を落としたことだとか。
種はクロマツの幹の中で発芽して生長、幹の空洞を通り、土に根を下ろしたと考えられています。
根を下ろすまでの歳月、幹を貫通して枝から花を咲かせるヤマザクラの生命力、すべてが神秘的!
平成8年にクロマツが枯れて倒れたあとも、ヤマザクラは自立して花を咲かせ続けているそうです。
昭和から平成を生き抜き、そして令和の時代に入って初めて迎えた桜の季節。
開花期間は短いながらも、この春もたくましく美しい姿を見せてくれました。
日本をはじめ世界が大変なときですが、桜松の生命力にパワーをもらえた気がします。
クロマツが元気なころは高くそびえる松の幹から桜の花を咲かせ、これまた珍しい光景だったそう。
生命力のみなぎる桜松は、「京都御苑の7不思議」のひとつに数えられているそうですよ。
京都御苑(学習院発祥の地)
京都市上京区京都御苑3
市バス停府立医大病院前下車、徒歩3分
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ウェブ上でお花見② 近衛家ゆかりの「本満寺」はこちら
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