日本も世界も、日ごとに深刻な事態を迎えています。
おうちで過ごすなか、「きょうのちしん」で少しだけお花見気分を味わっていただければ幸いです。
リアルタイムの開花情報ではなく、京都の桜の名所をゆるりとご紹介しています。
空から降り注ぐように咲き誇る枝垂れ桜は、満開時には迫力も感じられるほど。
京都には一重咲きの枝垂れ桜の名所もたくさんあります。
千本北大路にたたずむ「上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)」も、そのひとつ。
3月下旬に千本通に面した山門をくぐると、見事な枝垂れ桜が出迎えてくれました。
通りからも目に飛び込んでくる立派な枝ぶりは、静寂な境内でひときわ華やかな存在感!
ほぼ独り占め状態の枝垂れ桜の下をくぐりながら、ときが経つのを忘れて見入ってしまいます。
聖徳太子が開基、当時は「香隆寺(こうりゅうじ)」と称していたと伝わる、真言宗智山派の寺院。
その後、宇多法皇の勅願により天徳4年(960)に寛空僧正が再建、寺号を上品蓮台寺に改めました。
応仁の乱(1467~1477)で伽藍が焼失するも、文禄年間(1592~1596)に性盛上人が再建。
この再建で、蓮台野一帯に12もの支院が建立されたことから「十二坊」とも称されたとか。
12の支院のうち、現存するのはごくわずかですが、町名の「紫野十二坊町」が名残を伝えています。
枝垂れ桜のあとは、ソメイヨシノや八重紅枝垂れ桜が境内を染め上げる「上品蓮台寺」。
観光寺院ではないため参拝者も少なく、静寂な境内が桜の美しさをさらに引き立てています。
来年の春には、満開の桜の下を思い思いに歩くことができますように。
上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)
京都市北区千本通北大路下ル紫野十二坊町33-1
市バス停千本北大路下車、徒歩3分
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