BLOGまち歩き2022.02.23

本法寺の「春季特別寺宝展」

224日は「等伯忌(とうはくき)」。

等伯とは、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師・長谷川等伯です。

等伯の代表作『松林図屏風』は日本水墨画の最高傑作といわれ、国宝に指定されています。

「等伯忌」は石川県七尾市の市民団体「等伯会」が、命日である224日にちなんで制定。

日本記念日協会によって認定・登録されました。

同協会で忌日が記念日として認定・登録されたのは、この「等伯忌」が初めてなのだとか。

等伯の出身地は、能登国・七尾(現在の石川県七尾市)。

長谷川家の養子として能登国で絵師として活動し、養父母との死別を機に京都へ移住しました。

そのため、京都でも多くの作品を生み出し、さまざまな社寺に作品が奉納されています。

なかでも西陣にある本法寺は、等伯が活動の拠点にしたというお寺。

境内では等伯の像が参拝者を出迎え、国指定重要文化財の「佛涅槃図」を所蔵しています。

「涅槃図(ねはんず)」とは、お釈迦様の入滅(死)の情景を表現した図のこと。

当時、画家として才能を開花していた息子・久蔵を亡くした等伯の悲しみが込められた作品だそう。

「佛涅槃図」には、息子の久蔵や日蓮上人、本法寺の先師らの供養名が添えられています。

お釈迦様を囲んで嘆き悲しむ弟子や動物たちの中には、等伯自身の姿も描かれているそうですよ。

縦およそ10メートル、横およそ6メートルにおよび、「京都三大涅槃図」のひとつ。

通常は本法寺に複製の「佛涅槃図」が展示されていますが、原画を拝観できる機会があります。

毎年、春に開催される特別寺宝展です。

今年は314日(月)~415日(金)に「春季特別寺宝展 大涅槃図開帳 長谷川等伯」が開催。

ちょうど桜も見ごろを迎える時期に、ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。

また、本法寺に建つのと同じ長谷川等伯像が、出身地の石川県七尾市にも建てられているとか。

本法寺では、空を見上げる長谷川等伯像の前に多宝塔がそびえています。

長谷川等伯_リサイズ2.jpg


本山 叡昌山 本法寺(ほんざん えいしょうざん ほんぽうじ)

京都市上京区小川通寺之内上ル本法寺前町617
市バス停堀川寺之内下車、徒歩3分


令和4年 春季特別寺宝展 大涅槃図開帳 長谷川等伯

314日(月)~415日(金)の各日1016時に開催予定(休館日は要問合せ)。
拝観料は大人1,000円。

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