2月24日は「等伯忌(とうはくき)」。
等伯とは、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師・長谷川等伯です。
等伯の代表作『松林図屏風』は日本水墨画の最高傑作といわれ、国宝に指定されています。
「等伯忌」は石川県七尾市の市民団体「等伯会」が、命日である2月24日にちなんで制定。
日本記念日協会によって認定・登録されました。
同協会で忌日が記念日として認定・登録されたのは、この「等伯忌」が初めてなのだとか。
等伯の出身地は、能登国・七尾(現在の石川県七尾市)。
長谷川家の養子として能登国で絵師として活動し、養父母との死別を機に京都へ移住しました。
そのため、京都でも多くの作品を生み出し、さまざまな社寺に作品が奉納されています。
なかでも西陣にある本法寺は、等伯が活動の拠点にしたというお寺。
境内では等伯の像が参拝者を出迎え、国指定重要文化財の「佛涅槃図」を所蔵しています。
「涅槃図(ねはんず)」とは、お釈迦様の入滅(死)の情景を表現した図のこと。
当時、画家として才能を開花していた息子・久蔵を亡くした等伯の悲しみが込められた作品だそう。
「佛涅槃図」には、息子の久蔵や日蓮上人、本法寺の先師らの供養名が添えられています。
お釈迦様を囲んで嘆き悲しむ弟子や動物たちの中には、等伯自身の姿も描かれているそうですよ。
縦およそ10メートル、横およそ6メートルにおよび、「京都三大涅槃図」のひとつ。
通常は本法寺に複製の「佛涅槃図」が展示されていますが、原画を拝観できる機会があります。
毎年、春に開催される特別寺宝展です。
今年は3月14日(月)~4月15日(金)に「春季特別寺宝展 大涅槃図開帳 長谷川等伯」が開催。
ちょうど桜も見ごろを迎える時期に、ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。
また、本法寺に建つのと同じ長谷川等伯像が、出身地の石川県七尾市にも建てられているとか。
本法寺では、空を見上げる長谷川等伯像の前に多宝塔がそびえています。
本山 叡昌山 本法寺(ほんざん えいしょうざん ほんぽうじ)
京都市上京区小川通寺之内上ル本法寺前町617
市バス停堀川寺之内下車、徒歩3分
令和4年 春季特別寺宝展 大涅槃図開帳 長谷川等伯
3月14日(月)~4月15日(金)の各日10~16時に開催予定(休館日は要問合せ)。
拝観料は大人1,000円。