BLOGまち歩き2022.02.05

初午(はつうま)と京野菜「畑菜」

立春が過ぎ、暦のうえでは春とはいえ、まだまだ寒い日が続きますね。

2月最初の「午(うま)の日」は「初午(はつうま)」とよばれています。

奈良時代の和銅4年(711)、穀物の神様「稲荷大神」が稲荷山に鎮座されたのが初午だったとか。

当日は伏見稲荷大社をはじめ全国の稲荷大社で「初午大祭」が斎行され、五穀豊穣を祈願。

初午は年によって変動し、令和4年(2022)は2月10日(木)が初午にあたります。

いなり寿司を食べる風習があり、初午に食べるいなり寿司を「初午いなり」とも。

また、その年の初午とは別に、毎年2月11日は「初午いなりの日」に制定されています。

さらに京都では、初午に「畑菜のからし和え」を食べる風習もあります。

畑菜は1~2月に旬を迎える、京都の伝統野菜のひとつ。

江戸時代には、すでに京都で栽培が始まっていたといわれています。

現在では畑菜は伏見区と左京区のみでの栽培となり、ほかの京野菜と比べて生産量も少なめ。

京都以外の地域では見られない野菜なので、見つけたらぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

畑菜の調理方法は、からし和えのほか、お揚げさんと炊いたん、おひたしなどがおすすめです。

初午に畑菜を食べるようになったのには諸説あるとか。

稲荷大神をまつったとされる豪族「秦 伊侶具(はたの いろぐ)」との語呂合わせ、という説。

そして、稲荷大社のお使いである狐(きつね)の好物といえば、油揚げ。

その油揚げと畑菜を一緒に食べると縁起がよい、という説があります。

京都の伝統野菜のなかでも、知る人ぞ知る逸品といえるかもしれませんね。

だん弥の畑菜は農薬・化学肥料不使用

私が購入した畑菜は、京都の農園「だん弥」で生産されたもの。

だん弥では約40年間、農薬・化学肥料を使用せずに野菜やお米が栽培されてきました。

伏見・久我に野菜直売所があり、季節の野菜が毎日販売されています。

京都市内の自然派食品を扱うお店やマルシェなどに、「だん弥」の野菜が並んでいることも。

私は今回、畑菜を自然派スーパー「ファーマーズ 河原町丸太町店」で手に入れました。

初午に畑菜をいただいて、本格的な春の訪れを心待ちにしたいですね。


久我・だん弥 野菜直売所(こが・だんや やさいちょくばいしょ)
京都市伏見区久我森の宮町8-18
市バス停久我下車、徒歩13分

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