BLOGまち歩き2022.01.28

「夫婦の日」と「おかめ福節分会」

2月2日は「2(ふう)」「2(ふ)」の語呂合わせから、「夫婦の日」に制定されています。

「夫婦円満」や「縁結び」にご利益のある「大報恩寺(千本釈迦堂)」をご紹介します。

「おかめ物語」で知られる、全国の「おかめ信仰」発祥の地です。

おかめ(阿亀)は、千本釈迦堂の本堂が造営された際に、棟梁を務めた長井飛騨守高次の妻。

本堂の重要な柱を切りすぎた高次に、おかめが助言して窮地を救ったといわれています。

しかし、棟梁である夫の名誉を守るため、本堂の上棟式を待たずにおかめは自害。

そこで、境内に宝篋印塔を建て、福の面がついた扇御幣を飾っておかめを供養しました。

この宝篋印塔が、いつしか「おかめ塚」とよばれるように。

現在でも、上棟式にはお多福の面をつけた御幣が飾られているそうです。

なんとも悲しい内助の功の物語ですが、おかめ塚は「夫婦円満」のシンボルになっています。

「おかめ塚」とともに、およそ800年続いてきたのが、2月3日の「おかめ福節分会」です。

例年、番匠保存会による「木遣音頭」が奉納され、おかめ塚の前で法楽がおこなわれます。

江戸時代から続く狂言・茂山社中による、鬼追いの儀も見もの。

おかめの福徳によって鬼が改心する演目が披露され、豆まきで招福を祈願します。

地元・上七軒歌舞練場の舞妓さんによるおどりの奉納もおこなわれるなど、見どころが満載。

「おかめ塚」のおかめさんも西陣織の着物でおめかしをする、特別な日なのです。

※「おかめ福節分会」の内容は変更になる場合があります。

おかめ_リサイズ2.jpg

「千本釈迦堂(大報恩寺)」は、鎌倉初期にあたる、安貞元年(1227)、義空上人によって開創。

国宝の本堂は応仁の乱などの戦火から免れ続けたという、京都市内で最古の木造建築です。

御本尊の釈迦如来像は行快によるもので、こちらも創建当時のものだとか。

また、本堂には、全国から祈願成就のお礼として奉納された「おかめ」が展示されています。

本堂の前の「阿亀桜(おかめざくら)」が咲き誇る春にも、ぜひ参拝したいですね。


大報恩寺(千本釈迦堂)/だいほうおんじ(せんぼんしゃかどう)
京都市上京区七本松通今出川上ル溝前町
市バス停上七軒下車、徒歩3分

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