BLOGまち歩き2022.01.08

新春の鞍馬② 天狗と牛若丸

先日の『きょうのちしん』でご紹介した「鞍馬寺」。

「狛虎(あうんの虎)」で知られるお寺で、寅年の今年はとくに多くの参拝客が訪れています。

鞍馬のシンボルといえば、天狗も有名ですね。

鞍馬山には鞍馬天狗が住んでいるともいわれ、山全体が信仰の対象となっています。

叡山電車鞍馬駅の前で出迎えてくれるのは、高さ4メートルの「大天狗」の像。

現在の大天狗の像は、2019年10月より設置されている2代目です。

初代の大天狗の像は、老朽化や大雪の重みで鼻が折れてしまったことなどから引退。

2代目の「大天狗」は、初代の力強いイメージを継承しながらもやさしい表情が特徴です。

さらに、2021年9月には「大天狗」に衣装型の装飾に着せ替えられ、よりリアルな風貌に。

「大天狗」や衣装型の装飾は、叡山電車沿線にある京都精華大学の学生さんによるデザインです。

新年の「大天狗」も鼻に雪が降り積もっていましたが、ぐっと耐えているようでした。

鞍馬駅のホームなどにも「天狗」のお面などが展示され、鞍馬に来たという感じがします。

天狗が山の中を飛んでいても不思議ではない、神秘的な雰囲気に包まれています。

鞍馬天狗と牛若丸_リサイズ2.jpg

鞍馬山は、平安時代の末期に牛若丸(源義経)が修行をした地ともいわれています。

この聖地で牛若丸に秘儀を教えたと伝えられているのが天狗。

鞍馬駅前のお店では、天狗のお面や「天狗せんべい」などが並んでいます。

おみやげにすると、我が家がパワースポットになるかもしれません。

また、鞍馬寺門前の名物といえば「木の芽煮」。

一説には牛若丸が食べていたという、アケビのツル・山椒の芽・ヤマブキなどの塩漬。

"木の芽漬"が転じて「木の芽煮」となったといわれています。

さらに、京都と若狭をつなぐ鯖街道のひとつとして往来が盛んだったといわれる鞍馬街道。

若狭から運ばれた昆布を木の芽漬に加えて、木の芽煮が誕生したという説もあるそうです。

木の芽煮は保存食として、古くから鞍馬に暮らす人々の食生活を支えてきました。

門前のそれぞれのお店で木の芽煮を購入し、おうちで食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。

鞍馬天狗と牛若丸_リサイズ3.jpg

おみやげには「多聞堂(たもんどう)」の「牛若餅」や「神虎(しんこ)餅」もどうぞ!

「牛若餅」は「とちの実」が練り込まれたお餅で、中にこしあんが入った"多聞堂名物"です。

「神虎餅」はシンプルな甘みのひねり餅で、寅年の今年、ぜひ味わいたい"鞍馬名物"。

鞍馬駅の周辺にも残る、天狗や牛若丸の足跡をたどってみるのも興味深いですね。


多聞堂(たもんどう)
京都市左京区鞍馬本町235
叡山電車鞍馬駅から徒歩すぐ


新春の鞍馬① 鞍馬寺の「あうんの虎」 はこちら

京都知新オススメの京都 職人&工房 体験