BLOGまち歩き2021.10.15

お風呂だけじゃない銭湯② 京極湯と週末のアヒル

秋はあっという間に日が暮れるという意味のことわざ「秋の日のつるべ落とし」。

夕方でも明るかった夏より、なんとなくせわしなく感じてしまいますね。

せわしなく感じてしまう季節こそ、銭湯でひとっぷろ浴びてから帰りませんか?

広々とした湯船で手足をのばせば、疲れも吹き飛ぶ気がします。

だいたい15時くらいから深夜にかけて営業するところが多いという、まちの銭湯。

今回は、昭和の名残を今に伝える「京極湯」をご紹介します。

京極湯があるのは、かつて歓楽街や映画の興行街としてにぎわいを見せた「西陣京極」。

日暮れとともに京極湯のネオンが灯ると、往時の歓楽街らしい情緒が漂います。

大人の雰囲気を感じる外観ですが、暖簾をくぐると、子どもに戻った気分を味わえそうです。

銭湯といえば、番台や脱衣場に掛けられた「あすもあります」という札。

京極湯では、金・土・日曜限定で「今日はあひるがおります」の札が掛けられます。

あひるとは、おもちゃの黄色いアヒルのこと。

週末は、湯船に浮かべられた黄色いアヒルとお風呂に入ることができますよ。

浴室の鏡広告にもアヒルが描かれているので、ぜひ見つけてみてはいかがでしょうか?

レンガ造りの煙突も珍しく、お湯は毎日ご主人が薪で井戸水を沸かしているとか。

まろやかな肌ざわりのお湯で、体の芯から温まります。

京極湯_リサイズ2.jpg

番台では、ご主人手づくりの木札キーホルダーなどのオリジナルグッズも販売されています。

木札の「2615」や「1010」といった番号を見てニヤリとする人も多いかもしれませんね。

かつては何軒もの映画館や寄席・芝居小屋が建ち並んでいたという西陣京極。

その地で今も営業を続ける京極湯は、西陣の貴重な文化財ともいえそうです。


京極湯(きょうごくゆ)
京都市上京区土屋町通一条下ル東西俵屋町666
市バス停千本中立売下車、徒歩4


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