BLOGまち歩き2021.06.26

紫式部の邸宅跡「廬山寺」で桔梗が見ごろ

日本文学史を代表する作家のひとり、紫式部。

平安時代中期に紫式部が執筆したとされる『源氏物語』は、全54帖からなる長編の物語です。

京都には、紫式部や『源氏物語』ゆかりの地が点在しています。

そのなかから、『源氏物語』の大半を執筆したといわれる紫式部の邸宅跡をご紹介します。

『源氏物語』の主人公・光源氏が誕生した京都御所の東側に建つ「廬山寺(ろざんじ)」です。

かつては境内の全域が紫式部の邸宅で、後年、廬山寺が移転してきたとか。

廬山寺は天慶年中(938947)に船岡山の南に創建され、寛元3年(1245)に船岡山の南麓に再興。

現在地の寺町広小路に移転したのは天正元年(1573)、豊臣秀吉公の都市改造にともなってです。

現在、境内の「源氏庭」では、桔梗(ききょう)が咲き誇っています。

例年69月にかけて開花しますが、今年は例年より早く見ごろを迎えているそうですよ。

白砂と苔の庭に映える紫色の花は、紫式部の高貴なイメージにもぴったりな気がします。

桔梗は9月ごろまでゆっくり楽しめるのもうれしいですね。

紫式部邸宅跡_リサイズ2.jpg

境内には紫式部にちなみ、古い筆を供養する「筆塚」もあります。

また、歌人としても活躍したことから紫式部の「歌碑」も建てられています。

紫式部は日本人で唯一「世界の五大偉人」に選出され、フランスのユネスコ本部にも登録。

そのことから、廬山寺は「世界文学発祥の地」ともよばれているとか。

歌碑には、紫式部の娘で歌人の大弐三位(だいにのさんみ)の歌も刻まれています。

歌人としては、母親の紫式部に負けず劣らずのすぐれた腕前だったそうですよ。

この地に立っていると、どこからか物語をつづる音や歌を詠む声が聞こえてきそうです。


廬山寺(ろざんじ)
京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
市バス府立医大病院前下車、徒歩5分

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