桜の花に代わって、山吹(やまぶき)が京都の各所で花盛りです。
黄金色の花は新緑によく映え、まさに野山の芽吹きが伝わってくるようです。
小学生のころに、絵の具の色として出合った「やまぶき色」。
大人になった今、そのネーミングの美しさに気づかされています。
京都の山吹の名所の代表格といえば、「松尾大社(まつのおたいしゃ)」。
四条通の西の端、桂川に架かる松尾橋のたもとに広大な神域を持つ古社です。
3,000本もの山吹が境内を彩り、花に近づくとバラ科ならではの高貴な香りを感じられます。
境内の松風苑・上古の庭には白山吹も自生し、「清めの白山吹」として種子の授与も。
また、黄金色の山吹をかたどったお守り「山吹花守」を求めることもできます。
大宝元年(701)、秦氏によって建立された松尾大社は酒造りの神様としても知られています。
酒造りは秦一族の得意とするところで、秦氏には名前に「酒」のつく人が多かったとか。
酒造りの際には、原水に「亀の井」とよばれる湧き水を加えると腐らないといわれています。
境内には各地の酒造業者が奉納したという酒樽が積み上げられ、銘柄を一つひとつ眺めるのも一興。
奉納された酒樽の前では、樽の中の的に矢を射る「樽うらない」も楽しめますよ。
境内の「お酒の資料館」には、日本酒の歴史や文化、酒づくりの工程などが展示されています。
広大な境内には、ほかにも重要文化財の本殿や松風苑三庭、霊亀の滝など見どころがいっぱい。
気ままにお出かけができる世の中になったら、ぜひ参拝してみてはいかがでしょうか?
松尾大社(まつのおたいしゃ)
京都市西京区嵐山宮町3
阪急松尾大社駅から徒歩3分