京都の秋といえば、カエデの紅葉を思い浮かべる人が多いですよね。
澄んだ秋の空に映えるイチョウ並木の黄葉も見事なものです。
イチョウは生命力が強く、葉は水分を多く含んでいるといわれています。
そのため、火災から守る木として古くから神社やお寺で重宝されてきました。
あちらこちらの街路樹にもイチョウの木が植えられ、光を浴びて美しい黄金色に。
なかでも堀川通は、今出川通から紫明通あたりまでイチョウ並木が続く名所です。
中央分離帯には、堀川の水の流れに沿って「堀川せせらぎ公園」が整備されています。
寺之内通から上立売通にかけて第一・第二・第三公園があり、イチョウの絨毯もすてき。
木の下に立つと風を受けてイチョウの葉がひらひらと舞い落ち、風情満点です。
ギンナンの香りに包まれながら、イチョウ狩りを楽しんでみるのもよさそうですね。
堀川紫明にある「淡交社」のビルに描かれたロゴマークは、赤と黄色の2枚のイチョウ。
淡交社は、茶道の家元・裏千家と繋がりの深い京都の出版社です。
裏千家の茶室「今日庵」の露地には、千宗旦の手植えとされる「宗旦銀杏」が。
イチョウは、裏千家や淡交会のシンボルマークとしても知られています。
堀川紫明のイチョウの木越しに淡交社のイチョウのマークを望むのは、この季節だけの光景です。
また、紫明通には賀茂街道から新町通にかけて「紫明せせらぎ公園」があります。
木々の間を流れる小川に浮かぶイチョウの葉など、こちらも風情があって散策にぴったり。
中央分離帯でありながら、地元の人の憩いのスポットとなっています。
堀川通や紫明通の中央分離帯で見られる低花木類は、京都市街路樹「道路の森づくり」事業の一環。
地球温暖化対策の推進を目的として、家庭ごみ有料指定袋の収入によって整備されているとか。
京都市の黄色い家庭ごみ袋を手にするたびに、黄金色のイチョウが目に浮かびそうです。
「紅葉」と書いて「こうよう」「もみじ」。
「銀杏」と書いて「いちょう」「ぎんなん」。
赤や黄色に染まる木々を愛でながら、日本語の奥深さにも改めて気づかされる晩秋です。
堀川せせらぎ公園
京都市上京区堀川通(紫明通~今出川通間)
紫明せせらぎ公園
京都市北区紫明通(賀茂街道~新町通間)