BLOGまち歩き2020.07.28

京都に現存するラジオ塔

夏休みの風物詩、ラジオ体操。

今年は夏休みが短縮され、ラジオ体操も流動的になっているかと思います。

ラジオ放送が日本でスタートしたのは大正14年(1925)のことです。

皆さんは「ラジオ塔」をご存じでしょうか?

昭和初期から戦時中にかけて、ラジオは高価で一般家庭に普及していませんでした。

そこで、屋外に「公共のラジオ受信機」が設置され、近所の人が集う場に。

大阪の天王寺公園を皮切りに、多いときで全国に460基が建てられていたといいます。

現在は関西の公園を中心に塔のみが残され、そのなかで京都の8基が最多なのだとか。

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円山公園のラジオ塔は、シンボルの「祇園枝垂桜」から八坂神社へ向かう途中にあります。

昭和7年(1932)に設置、戦中の金属回収を経て昭和57年(1982)に修復されたものです。

今や歴史的建造物ですが、当時は野球中継などが流れ、ラジオ体操なども盛んだったそう。

昭和の時代のマンガやドラマなどでおなじみの、街頭テレビのラジオ版ですね。

現在は受信機などが外されていますが、夏の朝にはラジオ体操の音楽が流れてきそうな存在感です。

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ラジオ塔は船岡山公園、小松原公園、紫野柳公園、橘公園、萩児童公園、ケーブル八瀬駅近くにも。

ケーブル八瀬駅近くのラジオ塔も、歴史を感じさせる風貌です。

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また、御射山(みさやま)公園のラジオ塔はオブジェのように公園に溶け込んでいます。

昭和初期は公園に隣接する日彰小学校(現在の高倉小学校)の校庭に設置されていたそう。

ラジオ塔の前に立っていると、遠い日の夏休みが目に浮かぶようです。

この夏は新しい生活様式として、おうちでラジオ体操を楽しんでいる人もいるかもしれませんね。


円山公園(まるやまこうえん)
京都市東山区円山町
市バス停祇園から徒歩3分


御射山公園(みさやまこうえん)
京都市中京区東洞院通六角下ル御射山町282
阪急烏丸駅・地下鉄四条駅から徒歩5分

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