今年も早咲きの桜が京都の春の到来を告げています。
一条通の堀川に架かる「一条戻橋」は、京都でいち早く楽しめる桜スポットのひとつ。
見ごろを迎えた濃いピンクの河津桜が、橋を渡る人々の目を楽しませています。
現在の橋は平成7年(1995)に新築されたものですが、歴史は平安京造営時にさかのぼります。
当時は堀川より西のエリアが荒廃していたことから、さまざまな逸話が生まれたという伝説の橋。
平安中期の武将・渡辺綱が、美女に化けた鬼を退治した場所としても知られています。
橋の名前の由来になったのは、延喜18年(918)に行われた平安初期の漢学者・三善清行の葬列。
息子の浄蔵が橋の上で父・清行の葬列に遭遇、嘆き悲しんで棺にすがって祈ると清行が一時蘇生!
父子が再会した奇跡から、それまでの「土御門橋」から「戻橋」とよばれるようになったとか。
満開の桜は、橋の下から見上げるとアーチのよう。
現在はひっそりと架かる橋ですが、縁談や婚礼の際には避けて通るべしという言い伝えは健在です。
逆に旅などに出るときは、この橋を渡るとよいとされているようですよ。
一条戻橋(いちじょうもどりばし)
京都市上京区一条通堀川下之町
市バス停一条戻橋・晴明神社前からすぐ
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