BLOG歳時記2021.07.17

祇園・花街に伝わる祇園祭の風習「無言詣り」

四条寺町の「Otabi Kyoto(四条センター)」は、京都を代表する名産品を扱う土産物店。

祇園祭期間中は土産物店が姿を消して「祇園祭 八坂神社 御旅所(おたびしょ)」に様変わりします。

例年、神幸祭の717日に八坂神社から3体の神様が御旅所に運ばれ、還幸祭の24日まで滞在。

今年は、神様をみこしで運ぶ、神幸祭の「神輿渡御(みこしとぎょ)」も中止となりました。

そのため御旅所に3基の神輿は並びませんが、祇園祭でもっとも重要な行事は神輿渡御なのです。

神輿では運ばれないものの、3体の神様は今年もこちらの御旅所に滞在されていますよ。

さて、昔から、この期間の夜に静かにおこなわれている祇園・花街の風習をご存じでしょうか?

舞妓さんたちが、誰にも言えない願いごとをするという「無言詣り(むごんまいり)」です。

717日から24日の間に、誰とも言葉を交わさずに八坂神社から御旅所まで歩いて7往復半。

道中も参拝中も無言を貫き通すと、秘めた願いごとがかなうといわれているとか。

一度でも誰かと口を利くと最初からやり直しになるので、心してお参りしなければなりません。

八坂神社の主祭神といえば、素戔嗚尊(スサノヲノミコト)。

そして、櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)と八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)です。

櫛稲田姫命には、恋愛成就や子宝・安産、夫婦円満などの御利益があるといわれています。

もとは、舞妓さんたちが恋愛成就の願掛けのお参りをしていたのが始まりだったとか。

山鉾巡行や神輿渡御が行われないなか、静かにお参りするのも大切ですね。


八坂神社 御旅所(やさかじんじゃ おたびしょ)
京都市下京区四条通寺町東入ル南側貞安前之町
阪急京都河原町駅から徒歩3分


祇園祭期間にだけ開放される「御手洗井」とは? はこちら
※コロナ禍のため、2021年も開放されていません。

京都知新オススメの京都 職人&工房 体験