BLOGイベント2021.03.11

新島旧邸の春の通常公開と特別公開

先日の「きょうのちしん」で、下御霊神社の「八重咲の紅梅」をご紹介しました。

今回は「八重(やえ)」つながりで、新島襄・八重夫妻の私邸「新島旧邸」をご紹介します。

新島襄(にいじまじょう)といえば、同志社の創立者として知られるキリスト教の教育者。

明治8年(1875)、同志社大学の前身となる同志社英学校が寺町丸太町に開校されました。

開校にともない、江戸時代後期の華族・高松保実が所有していた邸宅を借りて仮校舎に。

生徒8名でのスタートでしたが、翌年には生徒が増え、烏丸今出川の旧薩摩藩邸跡に移転します。

襄は高松邸を買い取り、その跡地に明治11年(1878)、新島夫妻の私邸が建てられました。

これが現在の「新島旧邸」です。

建物はコロニアル洋式の窓など洋館を思わせる外観と、伝統的な和風建築の内観の木造2階建て。

江戸幕府が終わってからわずか10年ほどで設計されたとは思えない、モダンな家ですよね。

もちろん当時の最先端となる建築で、トイレも腰かけ式の洋式の造りだったそう。

設計者は明らかにされていませんが、知人の助言を受けながら襄が設計したともいわれているとか。

同志社創立者の旧居として、昭和60年(1985)に京都市指定有形文化財に指定されました。

新島旧邸_リサイズ1.jpg

通常は非公開ですが、建学の精神を体感する場として、春と秋に通常公開がおこなわれます。

今春の通常公開は、32日(火)~30日(火)の火・木・土曜。

建物内に上がることはできませんが、旧邸の周囲から建物内部を見学できる機会です。

さらに、特別公開も春と秋におこなわれます。

今春の特別公開は、320日(土)~22日(月)の3日間。

特別公開では旧邸の周囲と建物内部の見学に加えて、母屋1階と附属室に入場できます。

襄の書斎には愛用の椅子や机などが当時のまま展示され、応接間には八重のオルガンも。

洋式トイレの先がけといえる腰かけ式トイレも見学することができますよ。

新島旧邸に残されている家具や調度品も、同志社の歴史を伝える貴重な資料。

これらも、建物とともに京都市指定有形文化財に指定されています。

また、隣接する新島会館には「新島襄の桜」と名づけられた桜の木が植樹されています。

八重彼岸と紅豊をかけ合わせた新しい品種だそうで、この春も開花が楽しみですね。


新島旧邸(にいじまきゅうてい)
京都市上京区寺町通丸太町上ル松蔭町
京阪神宮丸太町駅から徒歩10分


新島旧邸の通常公開は、32日(火)~30日(火)の火・木・土曜の10~16時。
特別公開は、320日(土)~22日(月)の10~16時。


八重咲の紅梅と「下御霊なごみ市」は こちら

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