BLOGニュース2020.06.03

職人の約4割が「年内に廃業の危機」 コロナ影響で"伝統"が途絶える恐れ

・このまま需要が回復しない場合、年内に多くの事業者が存続の危機に直面

これは、伝統産業の職人の技術を活かした子ども向け日用品の企画・開発・販売やホテル、旅館の内装プロデュースなどの事業を行う「株式会社和える」が5月中旬に伝統産業従事者を対象に実施した新型コロナウイルスの影響を調査するアンケート(回答数:367件)でわかったものです。

新型コロナウイルスの売上への影響については、今年4月の売上が前年同期比で50%以上減少した事業者が過半数となっていて、製造業の売上はこれからさらに減少する見込みだということです。また廃業のリスクについての質問には、このまま需要が回復しない場合、9月末までに約2割、年内に約4割の事業者が経営危機に陥ると答えました。高級品や嗜好品を扱う産業のため、需要回復には時間がかかると見られています。

伝統産業従事者からは、「工房を休業せざるを得なくなってしまった」「オンラインで販売するやり方がわからない」「百貨店での催事が3か月先までなくなり、準備していた在庫の売り先がない」といった悲痛なコメントが寄せられています。

今後必要な支援策について聞いたところ、「運転資金のショートを防ぐための『助成金』制度拡充」(59%)、伝統産業分野の既存の助成金の用途緩和(53%)、オンラインでの販売や顧客への発信サポート(49%)などが上位となりました。

アンケート調査を実施した和えるは、「伝統産業は複数の事業者で作る製品が多く、一社の廃業から連鎖が広がる恐れも」「一度途絶えると再興は難しく、観光・宿泊・小売など他業界にも影響が及ぶ」と現状を分析した上で、必要な支援策について「多くの事業者が既存の支援策を活用する一方で、手続きの難しさや売上の減少基準などにより、事業継続に必要な支援を受けられていないケースが存在」と指摘しています。


■和える(aeru)noteサイト
【職人調査を行いました!】 「年内に廃業の危機」約4割 コロナ影響で伝統が途絶える恐れ

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