京都の佐々木酒造が京都産の米から作った『べっぴん米糀(こめこうじ)』と京都の名店がコラボした商品が、近畿のローソンで販売されることになりました。
その第一弾は、「京料理 木乃婦」と「京菓子司 亀屋良長」がそれぞれ商品を監修。7月6日から3週間の予定で、近畿2府4県にある約2,400の店舗で販売されます。そこで今回は、そのコラボ商品をクローズアップ! 開発の経緯やこだわり、販売される商品の魅力に迫ります。
洛中に唯一残る酒蔵、佐々木酒造が開発した『べっぴん米糀』
今回のコラボ商品で使用される「べっぴん米糀」を開発したのは、1893年(明治26年)創業の「佐々木酒造」。良質な地下水に恵まれた洛中に唯一残る酒蔵で、現在の代表である佐々木晃さんは4代目。伝統ある洛中での酒造りを継承し、酒造りに励んでいます。また、俳優の佐々木蔵之介さんのご実家ということでも広く知られています。
佐々木酒造が京都市産業技術研究所とともに進めた『べっぴん米糀』の開発には、京都産米の消費拡大と清酒メーカーの設備や人員を有効活用して業界を活性化させる目的がありました。
「もともと、酒造りは出稼ぎの職人さんたちが秋から冬の間だけやっていました。しかし、後継ぎが少なくなり、酒蔵は職人さんを確保するのに通年雇用をしないといけなくなったんです。そこで、春から夏の間にも作れるものはないかと考えて、酒類以外の商品の開発にも力を入れていくことにしたのが、『べっぴん米糀』開発のきっかけです」と佐々木さんは話します。


そんな経緯で生まれた『べっぴん米糀』は、これまでに幾多の改良を重ねてきました。
「実際に使う人から"こう作れ"と言われて、その通りに作るというのがメーカーの役目だと思っています。新酒鑑評会では何回か金賞を頂いていますが、そこでも大切なのはどれだけそこで求められるものを作れるかということ。『べっぴん米糀』は使われる現場の声を取り入れつつ、現在進行形で改良を続けています。」
コンビニエンスストアとのコラボレーションは、今回が初めてだという佐々木さん。商品が発売されることで、米糀の魅力をより多くの人に知ってもらうきっかけになればと期待します。
「たくさんのローソンさんで米糀を使った商品を取り扱っていただけるというのはすごく光栄です。米糀は日本食に必ずと言っていいほど使われているものなので、多くの方にとって受け入れやすい味だと思います。米の消費量が増えることで食料自給率を高めることにも繋がってほしいと思います。」
では、その『べっぴん米糀』を使って完成した商品をご紹介しましょう!
京料理 木乃婦 監修「米糀と夏野菜の冷し彩りおうどん -だしジュレ仕立て-」
昭和10年創業の名店、「京料理 木乃婦」が監修したのは「米糀と夏野菜の冷し彩りおうどん -だしジュレ仕立て-」です。トマト、水菜、なす、南瓜、レンコンといった夏野菜をふんだんに使用し、よく冷えた出汁のジュレをかけるうどんです。
『べっぴん米糀』とみりんで下味を付けた夏野菜の旨味が存分に引き出され、また、塩分と水分もしっかり取れて、栄養素が不足しがちな夏にぴったりのメニューです。
水から湯がいて塩抜きした梅もトッピングされ、全体的にさっぱりとして食べやすくなっています。
「京料理 木乃婦」三代目が提案する「家庭で楽しむワンランク上の味」
メニューを監修した「京料理 木乃婦」は、昭和10年に畳十畳ほどの仕出し屋から始まりました。現在の店主、高橋拓児さんは三代目。先代の頃に収容200名を超える大型料亭に発展したお店をさらに洗練させて、斬新かつ新しい日本料理で訪れる人を魅了しています。
自身でレシピを考え、下処理や調理にも全面的にアドバイスを行って完成した「米糀と夏野菜の冷し彩りおうどん -だしジュレ仕立て-」は、高橋さんも納得のクオリティに仕上がったと言います。
「新型コロナウイルスの影響もあって外食がなかなか難しい今だからこそ、コンビニで買ってもらって、お家でワンランク上の食事を楽しんでほしいと思っています。日本料理は器を汚さず汁まで全部食べ切る、というのが基本です。今回のおうどんもジュレや野菜まで全部美味しく食べ切っていただけるようにと考えて作りました。」
佐々木酒造の『べっぴん米糀』は、こちらの要望に応えて改良してくれたので、とても使いやすかったとも話します。
「佐々木酒造さんとは20年以上のお付き合いですが、とてもこだわってものづくりをされているという印象です。料理酒も米糀も、料理人の意見を取り入れて、調整を重ねて作ってくださいます。今回の監修メニューでは、野菜を米糀に漬けることで、野菜の旨味が引き立ちました。隠し味として使っているので、ほんのりとした甘さがおいしいと感じてもらえると思います。」
京菓子司 亀屋良長 監修「米糀と白みそのブランマンジェ -ほうじ茶寒天と杏添え-」
次にご紹介するのは、老舗の和菓子店「京菓子司 亀屋良長」とのコラボで生まれた「米糀と白みそのブランマンジェ -ほうじ茶寒天と杏添え-」。和洋折衷のユニークな味わいが魅力のブランマンジェです。ブランマンジェとは、フランス語で「白い食べ物」を意味するデザートで、白いゼリー状の牛乳にフルーツソースなどをかけて食べるものを指します。
このブランマンジェの部分にべっぴん米糀と白味噌を混ぜており、トッピングにはあんずとあんずのソース。その下には、ほうじ茶の風味豊かな寒天が敷かれます。まろやかな味わいのクリームとあんずの甘酸っぱさ、ほうじ茶のほろ苦さが絶妙にマッチした、夏のスイーツです。
「京菓子司 亀屋良長」八代目当主が表現する「これまでに食べたことのないスイーツ」
「京菓子司 亀屋良長」は、京都・四条堀川で1803年(享和3年)から続く老舗の和菓子店。人気商品には、創業当時から受け継がれる艶やかな漆黒のお菓子『烏羽玉(うばだま)』やトーストにのせて焼く『スライスようかん』などがあります。八代目当主は吉村良和さん。老舗でありながら、洋菓子の要素を取り入れるなどの挑戦的なスタイルが話題を呼んでいます。
コンビニエンスストアとコラボレーションしての商品開発は初めてだという吉村さんですが、とてもおいしい商品ができたと語っています。
「他にはあまりない珍しい味の組み合わせで、今まで食べたことのないようなものを作りました。外に出るのが億劫になりがちな昨今でも、ローソンさんは色んなところにあるので、遠出をせずに、この珍しいスイーツを楽しんでもらえると思います。」
『べっぴん米糀』については、完成された味わいがある、と吉村さんは評します。
「佐々木酒造さんの米糀自体がとても完成された味なので、米糀を主役として引き立たせるようなものにしました。また、米糀は白味噌と混ぜることで、チーズのような味わいになるんです。ほうじ茶やあんずともよくマッチします。」
また、吉村さんは今回の商品開発を通して、ローソンのスイーツ作りの技術に驚かされたそうです。
「実は今まで、コンビニのスイーツを食べることはあまりありませんでした。今回、監修してみて、実はかなりの部分が手作業で作られていることを知って、ほんとに驚きました。ローソンさんと一緒に試食と改善を重ねて、5、6回は作り直しました。わがままを言って迷惑をかけたかもしれません(笑)でも、その甲斐あって、すごくおいしくできたと思っています」
今回は、ローソンで販売されるこの時期にぴったりの、佐々木酒造の『べっぴん米糀』と京都の名店がコラボレーションした商品を紹介しました。「京料理 木乃婦」のうどんも「京菓子司 亀屋良長」のスイーツも売り切れ次第、販売終了となってしまいますので、ぜひローソンへ急いでみてくださいね。
これらのコラボ商品の売上金の一部は、京都の未来を担う子どもたちを支える、京都市はぐくみ未来応援事業(※)に寄付されることになっています。
そして、今後の展開として8月には「マールブランシュ」と「小川珈琲」とのコラボレーションも予定されています!こちらもぜひご期待ください!
※京都市はぐくみ未来応援事業
社会全体で子ども・若者を支える「はぐくみ文化」の創造・発信の取組の一環として,「子ども・若者のために何かしたい」という思いを具体化する4つのメニュー(①事業体験型,②現物給付型,③現金給付型,④事業賛同型)で応援し、善意の輪を広げていく事業。
「ローソン×京都」プロジェクトにより集まった寄付については、④事業賛同型として、児童養護施設等に関わる事業に活用することを予定。
京都市はぐくみ未来応援事業についてはこちら
- 商品名
- 京料理 木乃婦 監修「米糀と夏野菜の冷し彩りおうどん -だしジュレ仕立て-」
京菓子司 亀屋良長 監修「米糀と白みそのブランマンジェ -ほうじ茶寒天と杏添え-」 - 販売期間
- 7月6日~約3週間(売り切れ次第終了)
- 販売店舗
- 近畿2府4県 約2,400店舗のローソン(福井県小浜市・美浜町・高浜町・若狭町 三重県名張市・熊野市・伊賀市・御浜町・紀宝町の店舗を含む)
- 詳細
- 近畿情報 | ローソン公式サイト(https://www.lawson.co.jp/area/kinki/index.html)