BLOG歳時記2021.11.09

"亥の月・亥の日・亥の刻"に食べる「亥の子餅」

1111日は「亥の子(いのこ)の日」です。

十二支の最後にあたる「亥」は「イノシシ」のこと。

昔は年だけでなく、月や日も十二支を使って表していました。

「亥の月」は旧暦の10月(現代の11月ごろ)で、「亥の刻」は2123時ごろを指します。

「亥の子の日(亥の日)」は毎年変わり、2021年は1111日。

亥の子の日には、子だくさんのイノシシにあやかって子孫繁栄や無病息災を祈ります。

古くから、"亥の月・亥の日・亥の刻"に食べられてきたのが「亥の子餅(いのこもち)」。

亥の子餅とは、その名のとおりイノシシの子(ウリ坊)をかたどったお餅のことです。

中国から伝わった風習で、平安時代に宮廷でおこなわれたのがはじまりともいわれています。

『源氏物語』にも亥の子餅の描写があるので、紫式部もお気に入りだったのかもしれませんね。

私のお気に入りの亥の子餅は、「甘春堂 本店」のもの。

求肥に3筋の筋が入れられ、ウリ坊の可愛らしさが伝わってきます。

白あんと粒あんの二重あんで、求肥に混ぜ込まれた白ごまの風味も楽しめますよ。

また、陰陽五行説において亥は「水」にあたるため、火災を免れると考えられてきました。

江戸時代の庶民の間では、亥の子の日に囲炉裏を開いたりコタツを出す風習があったとか。

現在もコタツを出すのに迷ったら、亥の子の日を目安にするとよさそうですね。

茶の湯でも亥の子の日を炉開きの日として、茶席菓子に亥の子餅が供されてきたそうです。

先人たちに思いをはせながら、亥の月・亥の日・亥の刻に、亥の子餅を味わってみませんか?

甘春堂のオンラインショップで購入することもできるので、ぜひチェックしてみてください。


甘春堂 本店(かんしゅんどう ほんてん)
京都市東山区川端通正面下ル上堀詰町292-2
京阪七条駅5番または6番出口から徒歩3分

甘春堂のオンラインショップ はこちら

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