小豆の赤には邪気を払うパワーがあるとされ、京都では平安時代から食べられてきました。
たとえば、「夏越の祓」の6月30日に、三角のういろうに小豆を散らした「水無月」をいただきます。
小正月の1月15日には、小豆を食べると邪気が払われるという故事にちなみ、小豆粥を食べる風習も。
上賀茂神社(賀茂別雷神社)では、「御粥(みかゆ)神事」が執り行われます。
「樒(しきみ)」で作られた粥杖が、小豆粥とともに神前に供えられ、年中の除災が祈祷されます。
また、下鴨神社(賀茂御祖神社)でも「御粥祭(おかゆさい)」が斎行される日。
野菜や果物とともに小豆粥と大豆粥が神前に供えられ、五穀豊穣と国家国民の安泰が祈願されます。
下鴨神社では、例年、祭事のあとにおさがりの小豆粥が参拝者に授与されてきました。
2021年は祭事のみの斎行となり、小豆粥の授与は行われません。
春には世間が落ち着いていることを願いながら、自宅で小豆を炊いてみたいと思います。
小豆といえば、下鴨神社境内にある「休憩処 さるや」。
下鴨神社の北に本店をかまえる「あずき処 宝泉堂(ほうせんどう)」が手がける茶店です。
こちらでは、下鴨神社の宮司さんと考案したという甘味や軽食が提供されています。
寒い時期の参拝帰りに味わいたいのが、丹波大納言小豆の風味豊かな「良縁ぜんざい」。
縁結びにご利益のある、境内の末社「相生社(あいおいのやしろ)」にあやかったおぜんざいです。
神様のおさがりの小豆で炊かれたおぜんざいと紅白のお餅に、身も心も温かくなるのを感じます。
上賀茂神社(賀茂別雷神社)/かみがもじんじゃ(かもわけいかづちじんじゃ)
京都市北区上賀茂本山339
市バス停上賀茂御薗橋下車、徒歩3分
下鴨神社(賀茂御祖神社)/しもがもじんじゃ(かもみおやじんじゃ)
京都市左京区下鴨泉川町59
市バス停下鴨神社前下車、徒歩すぐ
休憩処 さるや
京都市左京区下鴨泉川町59(下鴨神社境内)
市バス停糺ノ森下車、徒歩2分