京都では、長い歴史のなかで、気づくと思いがけない場所に寺社仏閣が! ということも。
裏寺町通の一角にそびえる「赤門正覚寺(あかもんしょうかくじ)」も、そのなかのひとつです。
河原町通と新京極通の間の「うらでら」とよばれる裏寺町通は、寺院が密集するエリア。
とはいえ、通常拝観できるのは赤門正覚寺など、ごく一部の寺院に限られます。
赤門正覚寺があるのは、カラオケ店や居酒屋、雑貨店などが入ったビルの中!
蛸薬師通に面したビルには「赤門正覚寺」の表札のみで、お寺だと気づかないかもしれません。
蛸薬師通を下がった場所に赤門が建ち、1階に弁天堂、5階に本堂と客殿が入っています。
5階の本堂と客殿へはエレベーターで上がって参拝する、京都でも珍しい造りのお寺です。
寺伝によると正覚寺の開基は永禄2年(1559)で、当時は二条玉屋町にあったとか。
豊臣秀吉公の都市改造によって、天正19年(1591)に現在地へ移転したといわれています。
元和元年(1615)には伏見城の赤門がこちらへ移され、「赤門さん」などとよばれるように。
昭和40年(1965)に焼失後、平成元年(1989)にお寺の跡地にビルが建てられ、現在に至ります。
ビルの1階の弁天堂に祀られているのは、弘法大師(空海)の作と伝わる「白蛇弁財天」。
これまでの幾度の火災でも弁天堂は焼失を免れたことから、火災厄除などの信仰も集めています。
京都随一の繁華街へお出かけの際は、参拝してみてはいかがでしょうか。
赤門正覚寺(あかもんしょうかくじ)
京都市中京区裏寺町通蛸薬師下ル裏寺町599
阪急京都河原町駅から徒歩3分
ビルと共存する寺社仏閣② 四条寺町「火除天満宮」 はこちら