BLOG京のとろみ2020.09.30

「天下一品」のこってり

Byハリー中西

料理を撮影し続け40年。京都の食事情を知り尽くした食いしん坊カメラマンが、好物のとろみ料理を披露する新企画。和食のあんかけ料理をはじめ中華の甘酢餡、カレーうどんやデザートまで。ハリー巨匠撮影、シズル感たっぷりの写真とともにご紹介します。

全国に展開する京都発祥のラーメン店には
新福菜館、横綱、魁力屋など人気店がたくさんあるが
ファンの多さでは天下一品が一番だろう。
ファンは親しみを込めて「天一(てんいち)」と呼ぶ。
天一のラーメンにはこってりとあっさりの二種類あるが
基本はスープドロドロのこってり。
あまりにもドロドロなのでよく豚骨と間違われるが
鶏ガラと野菜をじっくり煮込んでとろみを出している。
なので見た目ほどひつこくなくスープは飲み干せる。
私が初めて天一を食べたのはたぶん40年位前だと思うが
それまで味わったことのないドロドロに衝撃を受けた。
これが美味しいのかどうかもわからなかった。
30代の頃、木屋町でバーテンダーをしてた頃はほぼ毎日
天一を食べていた。
そして今も、40年を超えて定期的に食べている。

ラーメンを食べたい時に行くのは天一ではない。
「天一に行こう!」という気分の時に食べるのだ。
「天一のこってり」という食べ物があるのだ。

食べ終えるとラーメン鉢に「明日もお待ちしております」と
書いてある。
明日は来られるかわからないけど、きっとまた近いうちに来ます。

ハリー中西

京都生まれ京都育ち ファッション写真を勉強するも食いしん坊が故、料理カメラマンに。好物は茶色い食べ物。とろみストである