BLOG京の会長&社長めし2022.03.22

株式会社実業広告社の社長が通う店「ほんわか」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は(株)実業広告社 社長の馬場俊光さんが通う居酒屋「ほんわか」です。

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■馬場 俊光(ばば としみつ)さん

株式会社実業広告社 代表取締役
京都市交通広告協同組合 理事長
1974年生 京都府出身 慶應義塾大学商学部卒

昭和23年3月設立。交通広告を中心にテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・WEBなどのメディアを通じて、クライアントのニーズに幅広く応えています

プライベートで行くなら気楽な店が好み。
最後の晩餐は、すき焼きと白飯。

自慢の焼き鳥をはじめ、大将の愛情たっぷりの料理と酒で憩う、地元民のオアシス

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阪急桂駅西口ロータリー前に立つビル1階に、居酒屋「ほんわか」がある。賑やかな東口と比べ、西口周辺は店舗数が少なく入れ替わりも激しいそうだが、ここはそんな中にあって、地元で長く愛され続けている一軒。馬場さんにとっても、親子で通った馴染みの店である。

「今はコロナで少し足が遠のいていますが、月一ぐらいは行っています。常連だった父に連れられて行き始め、10年以上は経つと思います。焼き鳥が売りなんですが、ほかにもいろいろメニューがあってどれも美味しいし、誰でも連れていけるような店です。大将は若干強面ですけど、話しだすと気さくで感じがいい。大将との会話も楽しみたいので、カウンターに座ることが多いですね」(馬場さん)

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店主の中川悦男さんは言う。
「もう亡くなられましたが、馬場社長の父上には、長年にわたって可愛がってもらい、相当お世話になりました。家族でお食事に来ていただいたりしているうちに、息子さんも一人で来ていただくようになって。馬場社長はご友人と3~4人で来られる時もよくありますね。豪快にお酒を飲んで、食べて帰っていただいています。すごく豪快な方なんで(笑)」

15歳から飲食の世界に入った中川さんは、祇園の炉端焼き店やちゃんこ料理店での修業を経て、28年前に桂でカウンターの店をオープン。その5年後に場所をかえてこの店を始めたという。実家が元鶏肉店だったことから、焼き鳥をメインにおばんざいからカレーまで工夫を凝らした多彩な居酒屋料理を揃える。今は残念ながらコロナ禍で入荷がストップしているが、丹後の伊根町から届く天然魚にも定評がある。

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ここでは定番の焼き鳥以外はメニュー内容もその時々で変わる。
根っからの料理好きで研究熱心、常に新しいメニュー作りを考えているという中川さん。そのあくなき探求心で、粉の配合に苦心したという北海道風唐揚げのザンギ、「最近のヒット作」自家製の餃子や焼売など、オリジナルの味を次々登場させている。
アイデアマンの中川さんの料理を象徴するのが、名物の焼き鳥。関東のウナギの製法をヒントに7年ほど前に考案した方法で、鶏肉を蒸してから炭火で焼き上げる。そうすることで、肉の余計な脂が落とされるという。
「水分が抜けないんでふんわり焼きあがり、うま味も逃げません」と、中川さん。

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「とりあえずお造りを食べて、そこからシーザーサラダとかアボカド、だし巻きなどを。で、〆に焼き鳥をつまみます」と、馬場さん。いつも酒のアテとして料理を楽しんでいるという。

「いいだしが利いています」と、馬場さんお薦めのだし巻きは、たっぷりとだしを含み、シンプルに美味しい。本来のメニューにはないが、事前に予約すれば用意してもらえる。
「うちはお馴染さんが多いんで、メニューの提供もフレキシブル。そうめんゆがいてといわはる人もあれば、焼きめし作れといわはる人もあるし、お客さんのオーダーに応じて作っている感じ」と、中川さん。

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身がふっくら柔らかく、ジューシーな自慢の焼き鳥は、大振りでボリューム満点。各種2本以上から注文できる。盛り合わせは5本入り780円と10本入り1560円。手前左は大人気のモモ。下味をつけた肉を巻いて一度蒸してから串を打って焼いている。黒糖やチョコレートを隠し味にしたコクのある特製タレがよく合う。

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「ザ・居酒屋」な内装の店内には、昔の広告ポスターなどが貼られ、どこかノスタルジックな風情を感じさせる。
「初めてのお客さんでも『なんか昔から来ている気がするわ』て、皆言われます。あまりにも普通過ぎるからかなあ。でも普通でいいんですよ。誰でも好きなように入ってこれる店がいいんじゃないですかね」(中川さん)

また馬場さんのように親子二代で通う常連客も少なくない。
「子供の頃から来ていて、もう酒飲める歳になったんか、っていう人もたくさんいはります。子供さんにオムライスやらパスタやらメニューにないものを作ったりしていたのが良かったのかな。大人になっても『おっちゃんの作るオムライス、最高やわぁ』いうて食べて帰らはります」(中川さん)

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親子でよく一緒に飲んだという馬場さん。
「ここは焼酎のボトルキープができるんです。親父も結構酒飲みだったので、二人でボトル一本ぐらいはすぐあけていましたね」と振り返る。
写真は店で馬場さんのキープボトルに使われているキーホルダー。実はお父さんのボトルで使っていたものがそのまま引き継がれている。

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日本酒は全国各地から料理に合う地酒を揃えている。

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「店の造りも昔と全然変わらず、アットホームな感じ。隠れ家的で地元の人しか行かないようなところも、気楽でいいんですよ」と、馬場さん。
訪れるのは自営業などの地元の常連客が大半という「ほんわか」。仕事終わりに遅がけの食事をしにきたり、会食のあとの一杯を楽しんだりする人も少なくないという。ハレの日に使う特別な店ではないが、こんな行きつけの店が地元にあるのは、幸せなことなのではないだろうか。

弟子も独立し、今は一人で厨房に立つ中川さんだが、まだまだ料理人としての意欲は衰え知らずだ。
「やめる気は全然ないですね。体が動くんやったら80でも90でも店はしたいと思ってます」

予算は食べて飲んで3000円~3500円。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■ほんわか

京都市西京区川島有栖川町桂西口駅前ビル1F
075-394-7878
営業時間 17時~24時
定休日 火曜
※営業時間は状況により変更の場合あり。HPで要確認
http://www.izakaya-honwaka.com/