BLOG京都グルメタクシー2019.05.23

おいしい京都案内 |イタリアン「ジェルモ―リオ」

By岩間孝志

桜が終わると次は新緑。新芽の美しいこの時期がもっとも鮮明な緑の風景を楽しめますね。 こんにちは!京都グルメタクシーの岩間です。車に乗っていただくだけで、あなたにとっての「おいしい京都」をご案内いたします。今回は京都駅近くのグルメな寺院と昨年秋にOPENしたレストランをご紹介いたします。いつもは京都駅ですが、京都グルメタクシーは私鉄やバス停などの交通機関からもご乗車できます。今日は京阪出町柳駅の近く同志社大学前から「おいしい京都」を目指して!では、そろそろ出発いたしましょう!

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今出川通りから川端通りを南へ、清水寺方面の五条通りを東へ進み、東山通りを南へ向かいます。カーブにさしかかった中程の信号を、山沿いに東へ行けば「泉涌寺」という真言宗泉涌寺派の総本山があります。皇室との関連が深く「御寺(みてら)」と呼ばれます。重要文化財の楊貴妃観音像は、その美しさにあやかろうと多くの女性が参拝されます。その山内に雲龍院という塔頭があります。南北朝時代の北朝第四代天皇、後光厳天皇の勅願で作られたお寺で、御本尊は本堂龍華殿に安置されている薬師三尊像、西国薬師霊場四十番札所としても知られています。

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寺院内には鎌倉時代につくられた「走る大黒天尊像」や、大石(内蔵助)良雄筆「龍淵」、そして「悟りの窓」「迷いの窓」など貴重な見所がたくさんあり、ベテラン観光タクシー運転手がおすすめする穴場的な古刹です。そんな素敵な場所で和のスイーツがいただけます。

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拝観料は400円ですが、別途500円で接待をお願いすると、「皇月(こうげつ)」という生菓子と抹茶を出してくださいます。緑映える庭園を眺めながらゆっくりした時間を過ごすのもいいものです。京都グルメタクシーは、こういった特別な場所でのグルメのコーディネートもご案内できます。

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夕暮れの雲龍院を後にして車は山を下ります。多くの塔頭が建ち並ぶ参道は、まるで「新緑のトンネル」のように青々として涼しげです。「心があらわれる」という表現がぴったりですね。 車は人々が集う今熊野商店街を通り北へ向かいます。長谷川等伯の襖絵が有名な智積院から西へ向かって三十三間堂や国立博物館を横目に東本願寺を目指します。

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東本願寺の南側、京都駅からもすぐのビルの2階にあるのが、昨年秋にオープンしたイタリアン「ジェルモ―リオ」です。
入口には、さりげなくディスプレイが飾られているだけ。「いい店ほどわかりにくい」という言葉を思い出します。実はこのお店、私の好きな大宮高辻の「プッチーロ」のシェフからお聞きして伺ったのが最初。「プッチ―ロ」も「マンマのミートソース」がおすすめのお店。美味しいお店のシェフから聞いた情報には間違いがないですね♪

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エレベーターもあります。

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この入り口の左側にもテーブル席があります。奥に2テーブル(4名×2)あります。

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 カウンターもあります。内装もあたらしく清潔感もありますね。

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2月に頂いた「Dinner Course10,000 (18:00-23:00 L.O.21:30)をご紹介します。
21:00以降で空席があればバーとして利用できるそうですよ。鉛筆書きのメニューにほっこり♪

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これオリーブオイルです。ビンごと置かれていてうれしい。シェフ、太っ腹です♪

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イタリアンにいくといつもジンジャーエールのビターをいただきます。

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●カリフラワーのクレマ
重厚なクリーム状スープ オリーブオイル 生わさび ペコリーノのクルトン状のもの 
どろりとする特別な食感、いい意味での重たさ。味は軽ろやかで食感はまったり。
繊細な感覚です。

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●フォアグラとビーツ
中にフォアグラムースとビーツが混在しています。食べるとフォアグラの独特な味が広がる構造で、チョコレートに見えるところが面白い。

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シェフの経歴に有名パン店があり、フォカッチャにその経験がにじみ出ています。

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右手から
●カンノーロ(シチリアの菓子:ちょっと塩系)リコッタチーズ
●甘エビのタルタル 青リンゴ敷き
2つの料理をあわせて頂く面白い構造。たしかカンノーロはゴッドファーザー(映画)が有名にさせたシチリア菓子。 塩気のあるお菓子と甘エビという不思議な組み合わせですが、違和感はありません。ほかにはない美味しさです。

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●イタリア パルマ産24ヶ月熟成生ハム スライス モッツァレラ 八丈島 ジャージー牛放牧
●プンタレッレ(良質苦みあり) アンチョビ レモン 
熟成状態が理想的。この塩気と旨味、それに青菜の苦みがちょうどいい。ワインもすすみます。

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●アニョロッテ ダル プリン
豚肉と兔 ミンチ 薄いパスタ生地 バター 黒トリュフ
濃厚なのに、あと味すっきり。バターとトリュフがぴったり合う。
具材のわずかな短所をお互いがおぎない、臭み無く旨味が先行します。

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●山口のどぐろ チューチ
下はチェーチ(ひよこ豆) 右手上:ニンニクとアーモンドのソース
カーボロネル(黒キャベツ)ロースト
皮目もしっかり焼かれていてアクセントになっています。潤いある白身、控えめな味わいのひよこ豆とも相性抜群です。

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●丹波鹿ロースト 赤ワインソース 紫人参のピューレ ヴィエトラ(ふだん草)
野性味あふれるストレートな味。赤ワインソースがまとめ上げるひと皿です。濃厚ながら重いと思わせない美味しさがあふれています。

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●水牛+牛乳の白カビチーズ
●セミハードタイプ ラスベガス

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●gelo(ゼーロ:イタリアのおかし)みかんゼリー ホワイトチョコ デンプンで固める マスカルポーネのムース みかんの皮
みかんの香りとともに運ばれてくる一皿。「香る料理」と言っても過言ではありません。

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●いちごのタルトレット メリンガ カントゥッチ(ビスコッティー)
タルトレットはフレッシュな苺の風味。伝統的なイタリア菓子もしっかり提供されます。

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chef 天谷彰吾さん経歴

2003年 リストランテカノビアーノにて料理人開始
2006
年~祇園tvbで副料理長
2012
年~イタリアへ修行
All'enoteca
 (ピエモンテ、ミシュラン★)
Enrico Bartolini (ミラノ、ミシュラン★)
Cappun Magru (リグーリア、郷土料理)
個々に部門シェフとなる。
2016
年日本へ帰国後、祇園やまぐち、245を経て独立

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「未知なるあわせ技」
食後の余韻も心地よく満足感があります。全体的にまとまっていて、レアな食材が多いのですがそれがまたいい。食材の組み合わせにも新たな発見があります。シェフの天谷さんの料理は、多彩な経験と素敵な師匠に恵まれたからこそ。シェフの独特な世界観がお皿に表現されています。

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このお店の料理は「直向きな驚き」という言葉がぴったり当てはまります。シェフの人柄があふれる良質な料理。素直に評価したいお店です。マダムやスタッフがシェフをもりあげているのがわかる明るい厨房が、料理の味に反映されているのでしょう。

 先日ランチにも伺ったのでご紹介させていただきますね。

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Lunch Course」 4,000 (12:00-15:00 L.O.13:30)(金、土、日、祝日のみ)
こちらは3月下旬の料理。

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新ジャガイモとグリンピースのスープ

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  • 真ん中 インサラダルッサ(イタリアピエモンテ)ポテトサラダ
  • 左上 紫カリフラワーのピクルス
  • 右上 トルタルスティカ(昔ながらのトルタ)リコッタチーズとほうれん草(詰め物)パイ生地包み焼き
  • 右下 パルマ産24ヶ月熟成生ハム 薄くスライス
  • 左下 太刀魚 ハーブで巻き込んだオーブンで火入れ

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 スパゲッティーボンゴレ ホワイトアスパラ ロースト 燻製香り付け

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対馬産ひらめ ひよこ豆 

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スーラ(煮込み)豚肉(ももにく+豚足等)白インゲン ちりめんキャベツ

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ステュールーデル イタリアのアップルパイ

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シュークリーム 洋梨でつくったカスタード ビスコッティー

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エスプレッソ

昼と夜、どちらも捨てがたい魅力があります。いずれもコース内容、価格帯も同じなので、どちらがお得かというより、使い分けるべきでしょうね。 本日の京都グルメタクシーツアーはいかがだったでしょうか!イタリアンのお店は益々増え、そのレベルも上がる一方です。京都でイタリアン♪、是非皆さんもお試しくださいね!

■泉涌寺雲龍院

京都府京都市東山区泉涌寺山内町36
午前9時〜午後5時(午後4時30分受付終了)
1拝観料 お一人様400円 抹茶+お菓子 500円

■Germoglio ジェルモーリオ

京都府京都市下京区東境町172 ネオヒルズビル2F
18:00~23:00 (LO21:30以降バータイム(空席の場合))
12:00~15:00(LO13:30)金,土,日,祝日のみ営業
定休日水曜日
https://www.germogliokyoto.com/
https://www.facebook.com/germogliokyoto/?modal=admin_todo_tour
https://www.instagram.com/germoglio_kyoto/
2018年11月22日OPEN 

岩間孝志いわまたかし

1968年・東京生まれ 70年・京都市伏見区に移住 91年・辻調理フランス校へ留学 現地レストラン研修後帰国、京都ホテルグループで勤務。その後タクシー会社勤務、途中バックデザイナーを経てタクシー業界に復帰、2010年・法人タクシーで「京都グルメタクシー」を旗揚げ、2015年・個人タクシーとして独立。著書に「おいしい京都」「もっとたべたい京都」PHP研究所)があり、現在は京都府文化観光大使としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活躍している。

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