BLOG京都美酒知新2021.09.30

カクテルが飲みたくなる話「モスコミュール」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

P9280046.jpg

■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

モスコミュール
カクテル言葉「仲直り」

_DSC5151.jpg

世界中で愛されるメジャーカクテルのひとつ「モスコミュール」は、ウォッカベースのロングカクテル。銅製のマグカップで提供するのが、本来のスタイルです。
ハリウッドに店を構えていたバーテンダーのジャック・モーガンが考案したと伝わります。別のカクテルをつくるためにジンジャービアを大量に仕入れたけれど思うほど売れず、ウォッカと合わせたところ人気になったそうです。
銅製のマグカップに注ぐ案は、同じく銅製カップを仕入れたはいいが、売れずに困っていたジャックの友人の発案によるものでした。

「モスコミュール」は「モスクワのラバ」という意味。ラバは後ろ足で蹴り上げる癖があり、そのキック力が相当に強かったことから、パンチが強く後から効いてくるモスクワのお酒(ウォッカ)ということで、この名がつきました。

カクテル言葉は「仲直り」。たとえけんかをしていても、一緒に「モスコミュール」を飲めば心地よく酔い、また仲良くなれるのでしょう。

よく冷やした銅製マグカップでどうぞ。

カクテルレシピ

グレイグース(ウォッカ) 45ml
ライム 1/2カット
和三盆 1tsp
ジンジャービア 120ml

9月のウイスキー

_DSC5037.jpg

ジャック・ダニエル
ジャック・ダニエルブラック(old No.7)は、蒸溜したウイスキーを木桶に詰めた楓の木炭で、一滴、一滴チャコールメローイングする、創業以来のテネシー製法でつくられます。バーボンとは別格にランクされる、アメリカを代表するプレミアムウイスキーです。バニラやキャラメルのような香りと、まろやかでバランスのとれた風味が特徴です。

棺にジャック・ダニエルを入れたといわれるフランク・シナトラを始め、ジャックファンは熱い!

おすすめは、ロング・ジャックコーク。ジャック・ダニエルの甘い香りとコークの甘味、炭酸感が一体となった爽快な味わいです。

ジャック・ダニエル蒸留所
アメリカ・テネシー州リンチバークに本社を置く蒸留所。社名は創業者ジャック・ダニエルに由来します。ジャック・ダニエル蒸溜所が造り出すテネシーウイスキーの製法は、100年以上経った今も変わりません。時間のかかるチャコールメローイング製法で一滴一滴濾過し、芳醇でまろやかな均整のとれたウイスキーをつくりあげます。

アサヒグループHPより

P9280053.jpg

■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影協力:Bar K36/撮影:ハリー中西