BLOG京都美酒知新2021.05.26

カクテルが飲みたくなる話「マルガリータ」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

マルガリータ
カクテル言葉「悲恋」

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ロサンゼルスのレストラン「テール・オ・コック」のバーテンダー、ジャン・デュレッサー氏が創作したとされるカクテル「マルガリータ」。1949年のUSAカクテルコンテストで3位に入選した作品です。

カクテル言葉の「悲恋」が表すように、このカクテルには、彼の悲恋が潜んでいます。
若き日、恋人のマルガリータと二人で狩猟に行った際、彼女が流れ弾にあたって亡くなってしまいます。その女性を偲んでつくったのが、このカクテルだといわれているのです。

本来ならば、グラスのリム(縁)全体に塩をつけるところ、今回は、半分はインスタントコーヒーを付けた特別バージョン。ベースになるテキーラにコーヒーの香りがとても合う。
少し濃いめの「ネスカフェ・エクセラ」が私のおすすめです。よく冷えた材料と氷をシェイカーに入れて混ぜ、塩とインスタントコーヒーをリムに付けたグラスに注ぎます。

最初は塩が付いた部分から口をつけて飲み、その後コーヒー側で味わうと、その違いがよく分かります。塩とコーヒーが付いた境目の部分から飲むのもいいでしょう。
ほろ苦い、悲恋の味を感じてください。

カクテルレシピ

パトロンシルバー(テキーラ) 40ml
コアントロー 15ml
レモンジュース 15ml
塩とコーヒーをリムに付けたグラス

5月のウイスキー

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白州 ノンヴィンテージ

南アルプスの清冽な水と自然の恵みに育まれた、清々しい香りとすっきりした味わいのシングルモルトウイスキーです。
白州蒸留所が持つ多彩な原酒の中から、ブレンダーたちが理想のモルトを選び抜いて生まれました。森の若葉のように瑞々しく、軽快な味わいが特徴。ほのかにスモーキーフレーバーを備えたモルトと、複雑で奥行きのある原酒が合わさっています。
ソーダ割にして、ミントの葉を添えることで、より青い森の香りが広がります。

白州蒸留所

サントリーが、山崎蒸溜所とは異なるタイプのモルトウイスキー原酒を求めて全国各地を調査して出合ったのが、日本有数の名水地である"白州"です。1973年、サントリー第2のモルトウイスキー蒸溜所が"白州"に開設されました。
長い年月をかけて、南アルプスの山々をくぐり抜けた地下天然水は、ほどよいミネラルを含むキレの良い軟水で、この水で仕込まれた原酒は軽快で穏やかな味わいを持っています。
白州蒸溜所におけるウイスキーづくりの特長は、大きさや形状の異なる蒸溜釜を使い分けるほか、貯蔵(熟成)工程でも様々な樽を使い分けるといった世界にも類を見ない多彩な原酒のつくり分けです。発酵工程では、保温性に優れた木桶発酵槽にこだわり、乳酸菌などの微生物の働きによって、白州ならではの独特な風味を生みだしているのです。

サントリーHPより

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影:ハリー中西