BLOG2022.05.20

『京都で食べたい。』(毎日放送 京都プロジェクト室編)絶賛発売中!

WEBサイト京都知新の連載「京の会長&社長めし」が本になりました!~

「はじめに」より
30年以上「京都」を取材してきて気がついた「京都の魔力」を読み解く一つの手掛かりは、
暗いところは暗いままにしておく
すべてを見せない、語らない。陰翳を礼讃し、花は秘する。
という美学。

太陽の光ではなく、月の影を美しいと感じる粋人たちの棲家が京都なのだ。

京都の街には、空間的にも精神的にも目に見えない結界(防御システムとも言う)が多様に張り巡らされていて、旅行者は結界の外だけを徘徊し、「街全体に歴史と文化の薫りが満ちていて、料理で四季の移り変わりを感じられる。さすが京都」と、寺社や観光地を巡り、そこそこ美味しい料理を食べて満足し、家路に着く。これはこれで、観光都市の正しい役割ではある。

『京都で食べたい。』は、日々その結界を飄々と越え、1200年以上、細胞のように動的平衡を保っている京都で遊び、京都を護り、京都に自分たちの居場所を創り上げてきた京都人の秘密の告白録だ。自分たちの行き着けの店の結界の内側を惜しげもなく披露してもらえた。グルメサイトやガイドブックには、表層的なことしか書かれていない。もし読者が結界を越えたいのであれば、ツテをたどって、本書に登場する会長か社長に連れて行ってもらうのが一番の近道かもしれない。

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