BLOG京のとろみ2021.06.30

「相生餅本店」のひややまそば

Byハリー中西

料理を撮影し続け40年。京都の食事情を知り尽くした食いしん坊カメラマンが、好物のとろみ料理を披露する新企画。和食のあんかけ料理をはじめ中華の甘酢餡、カレーうどんやデザートまで。ハリー巨匠撮影、シズル感たっぷりの写真とともにご紹介します。

西洞院と新町の間、四条通りに面した北側に相生餅本店はある。
30年以上前、すぐ近くのデザイン事務所に居候していて
こちらには昼ごはんを食べによく来ていた。

当時は中華そばばかり食べていた。
中華そばは優しいスープに柔らかめの細麺、蒲鉾も入って
コショウは最初からかかってる食堂の正統派。

入り口のショーケースには赤飯やおはぎが並び、そそられる。
店内はけっこう広く歴史を感じる内装。
お茶は小ぶりなやかんごと出してくれる。
麺類、丼物、定食、ぜんざいやかき氷などメニューはかなり多い。

ちなみに「麺類一式」というのはうどん、そばだけでなく
中華麺もあることを言うらしい。

この日、注文したのは冷やし山かけそば。
厨房には「ひややまそば」と通る。
黒い蕎麦の上にとろろ芋、卵黄、ネギ、刻み海苔、わさびが乗る。

ミシュラン掲載店のこだわりの蕎麦も大好きだけど
こういう食堂の蕎麦がホッとする。

全部一気に混ぜてズルズルっと啜るのが気持ちいい。
蕎麦の香りと言うよりも喉が喜んでる。
今からの季節、欠かせないメニューだ。

おいなりさんも忘れずに。

ハリー中西