BLOG京の会長&社長めし2021.08.27

株式会社スコープ・ココの社長が通う店「はつだ」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社スコープ・ココ社長の加納圭悟さんが通う焼肉店「はつだ」です。

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■加納 圭悟(かのう けいご)さん 

株式会社スコープ・ココ 代表取締役社長
1979年 京都生まれ
大学在学中に、ロンドン留学。その後、東京にてアパレル会社に3年勤務。
2008年 株式会社スコープ・ココ入社
2010年 X JAPAN YOSHIKI氏と「YOSHIKIMONO」を立ち上げる。
2019年より現職。
好きな食のジャンルは、肉系と和食。
最後の晩餐は「はつだ」の薄切りバラと白ご飯。

常連たちの〆のお決まり「薄切りバラ」をはじめ、店主の哲学が詰まった焼肉を

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「バラタレというメニューがあるんですけど、その味がすごく好きで。小学校の頃から現在までずっと食べています」(加納さん)

洛北・修学院の住宅街の一角に立つ「はつだ」は、味にうるさい京都の社長たちが多数通う人気の焼肉店だ。叡山電鉄の修学院駅から5分ほど歩いたところにある。

昭和55年に創業し、今年で42年目を迎えるが、加納さんはもう30年以上、家族で通っているという。

「最初は小学校の時ですね。当時、僕はリトルリーグで野球をやっていたんですが、仲間のお父さんに最初に連れて行っていただいたと思います。試合終わりに父親や仲間の何家族かと行くことが多かったです。今は娘が生まれて親子3世代で行っています」と加納さん。友人や取引先などとの食事にも利用するという。時には、ここでリトルリーグ時代の友人、親戚などの知り合いとばったり、ということも。

店の営業部長、武一誠二さんは、そんな加納さんを小さい頃から知る一人だ。
「僕はここで30年になるので、圭悟くんのほうが年数は長いと思います。加納さんは、亡くなられたおじいさんの時から来てくださっていて、うちとはずっと家族ぐるみのおつきあいをさせてもらっています。圭悟くんは若い時からおしゃれやったね。今は家族で月1、2回は食べに来てくれます」

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「一緒に行く人は皆、絶賛してくれます。東京の方とかをお連れすると、すごく喜ばれて、また京都に来た時に寄っていかれたりします。ここのたれの味はなかなかほかにはないと思うので」(加納さん)

3階建の店舗は、カウンターと掘りごたつ席を含む座敷があり、絶えず常連客たちで賑わう。中心部から離れた場所にありながら、わざわざ足を運ぶ人も。
「うちは口コミで来てくれるお客さんを大事にしよう、というコンセプトでやっています。会社の社長さんやご家族連れほか、いろんな方が来られるし、僕らも誇りを持って働けています」と武一さん。

また昔なじみの加納さんとは年齢が近いこともあり、よく冗談を言い合ったりするという。
「圭悟くんは、東京の方も連れてきてくれはるし、お父さんと一緒に仕事の接待でという時もあります。人当たりがいいので、お客さんからも絶対好かれる人やと思います」

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「その日の一番いい肉を仕入れられていて、とても肉質がいいです」(加納さん)
「いい肉をなるべく安く仕入れ、お客さんになるべく安く提供する」ことをモットーとしている「はつだ」。毎日業者に赴き、国産のメスの和牛の中から吟味して買い付けるという。その肉選びには妥協はなく、仕入れを任されるベテランの武一さんでも、時にはオーナーから叱られることもあるそうだ。 写真は焼き用のレバーの皮をとる様子。肉は血合いや筋などがない部分を丁寧に成形していくという。

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ほかの常連と同じく、加納さんも頼むものは昔から大体決まっているという。
「まずタンれもん醤油から始まってタン塩。そのあとに赤身へいって、その日のお薦めを出していただいて、あとはステーキやウルテ、最後はバラとご飯で〆るというのが基本構成です。だから、はつださんに通っている人と一緒に行くと、頼むメニューが違うので、新たな発見があって面白いですね」

冒頭のコメントにある加納さんの大好物バラタレとは、「薄切りバラ焼」1400円のこと。細かく極薄に特別成形したバラ肉を甘辛い秘伝のタレを絡め、一気に焼き上げる名物。はつだといえば、和牛弁当が全国的に有名だが、実はこの弁当に使われているのが薄切りバラ焼。直火で焼いた肉は柔らかく濃厚で、脂の甘味、香ばしさが口の中に広がる。
「オンザライスで食べるんですが、ゴマの葉に包んでご飯にのせて食べるのも好きです。バラタレに関しては、お店の人に焼いてもらうほうが圧倒的に美味しいので、常にお願いしています」と加納さん。
焼きを頼むお客は多いそうで、「ほとんどのお客さんは、焼いてくれるのが当たり前のように『はよして、待ってるねんで』という感じで言ってきはります」と武一さん。

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薄切りバラ焼は、大根おろしかタレにつけて味わう。加納さんはタレ派だという。

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加納さんもお薦めの人気の「タン塩」1500円~。
「山椒がかかっているのが京都らしいし、薄切りで口当たりがよく、食べやすいですね。ここは赤身は大根おろしのポン酢、ステーキはガーリックと和がらしなど、いろんな味の変化が楽しめるのもいいんです」と加納さん。

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「うちは、飲み物はできるだけ安くしてあげて、肉を堪能してもらうという考えなんです」と武一さん。希少な高級ウイスキーも破格の値段で提供している。写真は丹波ワイン製の「はつだワイン」各2500円。

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店では常連も一見も関係なく、同じサービスを提供することを大事にしている。

「新しいお客さんが、うちの肉の出し方、店の雰囲気とかが自分に合うと思ったら、常連になってくれはりますし」と武一さん。
そこからお客と店とのいい関係が作られていくのだろう。
「これだけ通っているお店ってないですよね。自分の好みを知ってくれているし、体調や食べたいものも伝えやすいので、安心感があります」

ちなみに加納さんは、東京出張時、よく伊勢丹で売っている和牛弁当を買い、新幹線の車内で食べるという。加納さんにとって、はつだの味はソウルフードといえるのかもしれない。
予算は12000円~15000円程度。

撮影 エディ・オオムラ/文 山本真由美

■はつだ

京都市左京区山端柳ヶ坪町17-3
075-722-8179
営業時間 17時~22時(LO21時30分)
定休日 月曜