BLOG京の会長&社長めし2021.06.24

株式会社永楽屋の社長が通う店「市場小路 四条烏丸店」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は株式会社永楽屋社長の齋田芳弘さんが通う焼肉店「市場小路 四条烏丸店」です。

■齋田 芳弘(さいた よしひろ)さん 

株式会社永楽屋 代表取締役社長
四条河原町に本店を構え、あまいもの(京菓子)とからいもの(京佃煮)を取り扱う。
看板商品は、仕上がりの美しさにこだわり抜いた寒天菓子「琥珀」や、作家 向田邦子氏にも愛された国産原木栽培椎茸の佃煮「一と口椎茸」など。
本店2階には2014年リニューアルの喫茶室があり、吹き抜けの和モダンな空間で手作りの甘味を味わうことができる。
https://www.eirakuya.co.jp/

1973年 京都府京都市生まれ
最後の晩餐は、美味しい桃。

コスパの高さにも大満足。希少な部位も登場する黒毛和牛を熱々のかまど炊き土鍋ご飯と

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「3~4年前に友人から紹介されました。うちの室町店や大丸京都店とも近いのでよく利用しています。従業員や取引先の方、また室町店が(祇園祭の鉾町の)鯉山町にあるので、鉾町の友人と一緒にお昼に伺うことが多いですね。夜は家族から『美味しい焼肉が食べたい』とおねだりされた時でしょうか(笑)。行かれた方は皆、満足していただいています」(齋田さん)

外食をする機会は多いほうで、特に料理、サービスなどを通して努力や良心が感じられる店が好きだという齋田さん。今回ご紹介いただいた「市場小路 四条烏丸店」もその一つだ。
大正14年に西洋料理店として創業し、現在市内に十数店舗を展開する「スター食堂」が手掛ける。以前はおばんざいの店だったが、2017年3月に「市場小路」初の焼き肉店としてリニューアルオープンした。四条烏丸の駅直結のビル食堂街にあり、昼時はビジネスマン、OLなどで賑わう。齋田さんも月に一度ほど訪れるそうだ。

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80席ある店内は、格子戸が町家を思わせる和のテイストで、席の多くがロールカーテンで仕切った席や半個室になっている。
「ボックス席で、ゆったりしていて少人数で話したりするのにも向いています。立地もよく、地下でそれほど並ぶこともないのですごく使いやすい。娘を2~3歳の頃から連れて行っていますが、子供連れでも安心して行けると思います」(齋田さん)

「席は接待にも使っていただけるようになっています。オープン時、私はまだアルバイトでしたが、齋田社長はその頃から来てくださっています。すごく気さくな方で、軽くお話をさせていただいたりしています。齋田社長をはじめいろいろな社長さんが使ってくださり、そういうご縁がすごくありがたいと思っています」と、2年前から店長を務める安藤美穂さん。

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入り口の朱塗りのおくどさんが目を引く。こちらでは一頭買いする黒毛和牛肉、そしておくどさんで炊き上げるご飯が自慢だ。齋田さんも、「お肉はもちろん、炊き立ての土鍋ご飯がとても美味しい。うちも佃煮の商売をしていますので、ご飯が美味しいのはやはりポイントです」と話す。

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肉はA4ランク以上の黒毛和牛で、産地を決めず、老舗精肉卸から料理長が目利きして買い付けたものを提供。また一頭買いで希少部位など普段食べられない部位の肉を楽しめるのも魅力だ。
「いいお肉を仕入れておられ、コストパフォーマンスはすごく高いと思います」(齋田さん)
「シャトーブリアンやヒレなど、なるべくいいお肉は原価に近いお値段でお出ししています。希少部位を仕入れたら早く食べてほしいのでお薦めとして数量限定で出しており、楽しみにされる方も多いです。ここに来たら間違いなくいいお肉が食べられると言っていただくこともあります」(安藤さん)

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お昼はコース、夜はアラカルトで楽しむという齋田さん。牛タンや赤身などに加え、よく注文するのが、「至福のおまかせ7種盛り」(写真は3名用7590円)。ロースやカルビなどの定番に、希少部位を含むその日のお薦めが味わえる。
「迷ったら、まずこれを頼まれたら間違いないと思います。気に入った部位はハーフサイズでもご注文いただけます」と、料理長の岡田真依さん。

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「日本人好みの味。娘がとてもお気に入りで、結構な頻度で連れて行けと言われます」(齋田さん)
焼いた肉を卵黄入りの割り下につけて味わうブリスケの「焼きすき」1199円は、熱烈なファンもいる人気の一品で、締めにご飯と一緒に食べても。
ブリスケは前バラの肉で、淡白だが薄くスライスすると味わい深くなるという。
「赤身が強い部位で、卵と割り下を絡めて食べていただくと、よりお肉の旨味を感じられると思います」(岡田さん)
ほかにサーロイン(1990円)でも楽しめる。

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齋田さんたち常連に人気の「炊きたて土鍋ごはん」759円(1合半炊き)。錦市場「中央米穀」の丹波産コシヒカリを使い、注文から約25分かけて炊き上げる。水加減や温度、浸水時間など、季節やお米の状態に応じて調整しているという。
煮えばなからおこげまで堪能できるご飯は、焼肉の甘ダレとも相性良し。ちなみにお昼の御膳に付くご飯はお代わり自由。

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焼肉に合う飲み物としてビールと共にお薦めしているのが、大きなグラスに入ったジントニック。黒コショウを入れたオリジナルの飲み方を提案しており、好評だという。

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齋田さんは、安藤さんを中心としたきめ細やかな対応も店の魅力だと話す。
「気持ちの良いサービスと温かいおもてなしがとてもうれしいです。ボックス席だと目が届きにくく、手が離れがちになると思うんですが、頻繁に目配りや声がけをして、子供が汚したりしてもすぐにフォローしてもらえる。いつも笑顔でいい雰囲気で対応してくださるので、見習わないといけないなと思っています」
そんな齋田さんの言葉に、
「ありがとうございます。網の交換や最後のお茶をお出しするのはもちろん、お子様連れは予約時に個室をお取りする、ハサミやおしぼりの替えをお持ちするなど、ちょっとしたことですが少しでも居心地良く過ごせるよう気を付けています」と、安藤さん。アイデアマンの前任店長の後を受け、新たな魅力を加えるべくスタッフと奮闘している。
「お客様においしいと言って喜んでもらえるとうれしいし、その笑顔を見たいという気持ちでやっているんです。そういうことをスタッフにも伝えられたらと思っています」

予算は昼1600円、夜5000円程度。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■市場小路 四条烏丸店

京都市下京区四条烏丸北東角長刀鉾町8 京都三井ビルディングB1F
075-253-1461
営業時間 11時半~15時(LO14時)、17時~23時(LO22時)
定休日 年末年始
※営業時間は状況により変更の場合あり。お店にお問い合わせください。
https://www.star-kyoto.co.jp/restaurant/shop-3/