BLOG京都美酒知新2021.06.25

カクテルが飲みたくなる話「ダイキリ」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

ダイキリ
カクテル言葉「希望」

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「ダイキリ」は、1986年キューバのダイキリという鉱山で働いていたアメリカ人技師、ジェニングス・コックスが、灼熱の地で清涼感を求めてキューバのお酒ラムにライムと砂糖、氷を入れて作ったのが始まりとされています。

「希望」というカクテル言葉が生まれたのは、鉱山で働く抗夫たちが、厳しい労働に耐えながらも、未来に希望をもっていたことから付けられたそうです。

厳しい時があったとしても、必ずいつかは光が差す。そんな明るい未来を感じさせてくれるカクテルです。

ますます暑くなるこれからの季節、ルーフトップバーなどで飲むフローズンダイキリも最高です。

作家のアーネスト・ミラー・ヘミングウェイがこよなく愛したことでも知られるこのカクテル。彼の作品を思い浮かべながら...なんていうのもいいですね。

カクテルレシピ

バカルディー(ラム) 45ml
ライムジュース 15ml(フレッシュ10ml、コーディアルライム5ml)
シュガーシロップ 10ml
ハバナクラブ ダーク 1tsp(フロート)

6月のウイスキー

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グレンモーレンジィ 10年

ウイスキーの本場、スコットランドでも最も高さのある5.14メートルにもおよぶポットスチル(蒸留器)を使用して造られる「グレンモーレンジィ」。この高さはなんと、大人のキリンと同じくらいなのだそうです。

比重が重いアルコール蒸気は、ポットスチルを昇り切ることができないため、蒸気のなかでも軽やかなフルーティーでフローラルな成分だけが抽出できるのです。

華やかなアロマとエレガントな味わいをもち、柑橘やバターのニュアンスがあるので、オレンジピールを最後に加えるオレンジハイボールで味わうのがおすすめ。

今年は丑年グレンモーレンジィの年ですよ!!

グレンモーレンジィ蒸留所

「グレンモーレンジィ蒸留所」は、スコットランド・ハイランド、ドーノック湾を臨むテインの町の北西に位置する蒸溜所です。
1843年に、 William Mathesonが1738年に設立されたモーレンジ醸造所を購入、蒸溜所へ改装して設立したのがグレンモーレンジィ蒸留所だと伝わります。

追加熟成のパイオニアとして尊敬され、個性にさらなる厚みと複雑味を与える最高級の樽を求めて、ウイスキー・クリエイターたちが世界中を旅するとか。
良質な樽を選んでウイスキーを熟成させるだけでなく、2回までしか使わないのも大きな特徴。樽の要素を最大限に抽出し、まろやかでなめらかな味わいを得るためです。

MHD(モエ ヘネシー ディアジオ)HPより

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009

撮影:ハリー中西