BLOG京の会長&社長めし2021.02.18

菱高SDB株式会社の社長が通う店「HUNTER(ハンター)」

京都にある会社の会長&社長は、どんな店でどんな料理を食べているのでしょうか? 彼らが通う一見さんお断りの超高級店から大衆店までご紹介する【京の会長&社長めし】。今回は菱高SDB株式会社 社長の小川敬介さんが通う「HUNTER」です。

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■小川 敬介(おがわ けいすけ)さん 

菱高SDB株式会社 代表取締役
1978年生まれ。愛知県豊橋創造大学を卒業後、2003年4月に株式会社菱高SDネットワークに入社。先代である父の跡を継ぎ2020年7月に菱高SDB株式会社代表取締役に就任、障子の貼替、畳の表替えから大型の工場や倉庫、賃貸マンションや自動車ディーラーショールームの設計施工まで幅広く関わることで、建設業を通して明るい豊かな社会に寄与することを目標にして今に至る。
現在は今までの事業を展開しながら、スタッフと共に「color your life.自分らしい生活」をコンセプトに「リノベ不動産by菱高SDB」の立ち上げに尽力。その他、トリュフ好きが講じて友人達と共に伊崎屋半兵衛「西洋松露 トリュフ煎餅」を開発、販売。

最後の晩餐は、杜氏の奥様お手製の酒粕入りハヤシライス。

味もボリュームも大満足。黒毛和牛からエゾシカまで、絶妙の火入れに唸る渾身の肉料理

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週の大半は外食という小川さん。友人や会社の仲間とよく訪れるお薦めの一軒が、地下鉄丸太町駅から数分の場所にある「HUNTER」だ。2017年にオープンするや、おいしい肉料理を出す店として、たちまち評判を呼んだ。御所南という場所柄、常連には企業経営者も少なくない。
「ここは肉の火入れが秀逸なので、肉が食べたい時に行きます。自宅から徒歩圏内ということで、多い時は週2回程利用します。店主の今井さんの人柄がいいし会話も楽しくて、忙しくなる前の早めの時間に行っています」(小川さん)

もともと肉好きという小川さんだが、この店との出合いは偶然だった。
「青年会議所活動の帰り、友人たちと普段通らない道を歩いていた時に偶然前を通りがかったんです。何の予備知識もなく入ったのですが、頼んだ料理はどれもおいしいし、今井さんとは同い年で共通の友人も多いことがわかって話が盛り上がり、それから通うようになりました。一緒に行った人は皆喜んでくれます」

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元は倉庫だったという店内は、カウンターを中心に20席ほど。木材を多用した造りに、厨房のカラフルな迷彩柄や壁のイラストが楽しい。店主の今井良太さんはここをアルバイトスタッフと2人で切り盛りしている。
「小川さんが最初に来られたのはオープンしてすぐの頃。遅い時間に来られてめちゃくちゃ食べはりました()。それからちょくちょく来てくださるようになって。食べることがお好きなのでおいしいお店の情報交換をしたり、共通の友人の話をしたりしています。小川さんが料理を温かいうちにどんどん食べてくださるんですが、見ていて気持ちがいいですね」(今井さん)

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ここでは牛、豚、鶏から猪や鹿などのジビエまでさまざまな肉を扱う。祇園の「レストラン マエカワ」出身の今井さんはフレンチの技法をベースにしながらも、肉の種類や部位、肉質などに合わせて、和食や中華、エスニックなどのテイストも取り入れた料理をアラカルトで提供。豚のリエットや田舎風パテのようなものもあれば、ビーフンや餃子などが登場することも。

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「『マエカワ』ではコースのメインや温かい料理をやらせていただいていたので、そこで培ったものをベースに、スパイスを使うなど自分なりのやり方を加えたりしています。お肉は種類が豊富でものによっても全然違うので、その日入る肉ごとにどう調理してどう仕上げるかを考えます。特に今の時期一番面白いのはやっぱりジビエですね」と、今井さん。食材や料理の話に熱がこもる。
使用する肉は信頼する大阪の業者や猟師を通して全国から入手。北海道のエゾシカなど特定のもの以外は、産地を決めずいいものがあれば仕入れるという。

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「今井さんの焼くことへの情熱と愛情はすごいと思います。彼が焼くところを見るのが楽しくて、いつもカウンターに座ります」(小川さん)

肉を焼くのが大好きという今井さん。肉に特化した店を始めたのもそのことが大きいと話す。
「この焼き加減にしたら確実にいい感じになるな、などと考えながら料理するのが面白くて。この肉やったら焼いたほうがおいしいなあとか、バターをちょっと利かせたほうがええかなとか、仕事というより趣味の延長のような感覚かもしれません()

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「食べやすい上に、スパイシーでお酒にも合う」と、小川さんが必ず注文するのがフランス産ウズラを使った名物の「うずらもも肉のからあげ」1200円。塩で下味をつけたウズラを揚げ、クミンやハーブをつけて仕上げる。ウズラはくせがなくジューシーで、程よい辛さにお酒が進むこと請け合い。8本がずらっと並ぶ様子もなかなかのインパクト。

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その日の肉によってソースが変わる「牛のロースト」4800円も、小川さんのお決まりの一品。「肉の焼き加減がとてもいい。コスパもよくていつも楽しみにしています」と、小川さん。
60度の低温でじっくり加熱したあとフライパンで焼き、炭火で仕上げる。今回の肉は岩手・北上牛のイチボで、北海道の無農薬の根セロリを使ったピューレ、赤ワインソース、タスマニアのマスタードを敷き、仕上げにフランスの塩をトッピング。肉はやわらかくまろやかな味わいで、噛むと旨味がしみだしてくる。少し酸味のあるソースがよく合う。
写真は小川さん用の350グラムで、通常は200グラム。

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鹿の角をつけたビールサーバーなど、この店らしい遊び心が見られる。

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小川さんが頼むのはハイボールだが、店ではワインも人気。メニューのワインのほか今井さんが集めたナチュールワインも多数ストック。

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「印象に残る料理を作って、食事を楽しいものにする力添えができたら」と、今井さん。そのためにも積極的にお客とのコミュニケーションを図っているそうだ。
「話さないとその人の好みもわからないし、会話してその人の特徴を知れば何ができるか考えられるので」
お客との対話の中からその人が喜ぶ料理を用意するという今井さんに、小川さんはじめ常連は厚い信頼を寄せる。
「お客さんの顔を見てお薦めの肉を変えたりしてくれる。あの人に任せといたら何でもおいしく食べさせてもらえると思います」(小川さん)

予算は飲み物代も含めて78千円。

撮影 エディ・オオムラ  文 山本真由美

■HUNTER

京都市中京区東洞院通夷川下ル壺屋町533-2 武内ビル1F
075-708-5566
営業時間 18時~22時(LO)※水曜のみランチ営業あり(11時30分~なくなり次第終了)
定休日 木曜、第3水曜
※営業時間は状況により変更の場合あり。お店にお問い合わせください。