食知新ブログ
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BLOG京のほっこり菜時記
2020.03.07
「湯葉」
精進料理は、鎌倉時代に道元禅師や栄西禅師によって宋(現在の中国)から京にもたらされたと伝えられる。おそらく湯葉も、そのタイミングで持ち帰られたのだろう。 中国で豆腐や湯葉が誕生したのは、およそ2千年も前で、湯葉は豆腐をつくる際の副産物だったともいわれている。豆腐をつくるために温かい豆乳を桶に入れて置いていたところ、表面に膜がはって湯葉ができていたそうだ。はじめて食べた人は本当に勇気がある。私だったら、そんな膜はおもわず引っ剥がして捨ててしまうだろう。 江戸時代になると、精進料理だけでなく一般的な料理にも湯葉は用いられるようになった。なめらかな口当たりと香ばしい大豆の風味、栄養価も高いとあって、今も人気の食材だ。 豆乳の濃度が濃いうちにつまんで汲み上げる「汲み上げ湯葉」のほか、表面に張った膜を引き上げ、乾燥させずにそのまま食べる「生湯葉」、引き上げた後に乾燥させる「乾燥湯葉(干湯葉)」など、多彩な湯葉が専門店の店頭に並ぶ。 「汲み上げ湯葉」は濃い大豆の風味と甘味もあってミルキー、「生湯葉」は淡泊でなめらか。いずれも、醤油と山葵でそのまま味わうほか、和え物にしたり、あんかけにしたりとさまざまな料理で美味しく味わえる。京都に観光で来られる方は、「汲み上げ湯葉」や「生湯葉」をお土産に買って帰られることが多いが、私のおすすめは常備できる「乾燥湯葉」だ。お味噌汁や鍋物、煮物に入れると生湯葉とはまた違った、しっかりとした食感や深い大豆の味を楽しめる。 さらに言うなら、実は生よりも乾燥のほうが、栄養価が高い。たんぱく質やカルシウムは生の倍ほどもある。脂質や糖質も乾燥のほうが高いから、その分味にコクがある。お湯で戻してサラダやオムレツ、うどんの具材などにする。 最近私は、フリーズドライのお味噌汁と一緒に乾燥の小巻湯葉を入れ、お湯を注ぐだけというズボラ味噌汁にはまっている。柔らかくなり過ぎず、味噌の味を含んでとっても美味。邪道と思いつつもやめられない。ところで、みなさんは甘湯葉をご存知だろうか?何度も湯葉を引き上げて、豆乳が少なくなって濃くなったときにできるのが甘湯葉だ。あまり知られていないが、名前の通りほんとうに甘くて滋味深い。そのまま食べてもいいし、サッと素揚げにしてチップスにしてもいい。私はビールやハイボールのツマミとして食べることが多い。 先日うかがったホテルの朝ごはんにこの甘湯葉が登場して驚いた。色とりどりの野菜サラダに甘湯葉が添えられていたのだ。パリッと割って野菜と一緒に食べてもいいし、そのまま齧って食感や風味を楽しんでもいい。なんとも京都らしい朝ごはんだと思った。「東山 四季花木」は、2019年11月にオープンしたばかり。全8室のスモールラグジュアリーホテルである。地下鉄「東山駅」のほぼ真上。岡崎や東山への観光に最適なロケーションで、観光にもってこい。1室ごとに間取りや家具・調度が違い、好みの部屋を選べるのもいい。 洗練された雰囲気ながらもホッと落ち着けるのは、自然木や石材をできるかぎり使い、唐紙や障子、格子といった和の要素も取り入れるからだろうか。 ホテルオーナーの川上さん夫妻は、ご主人が一級建築士、奥様がインテリアコーディネータ―という建築のプロ。数々のホテルを手掛け、世界各地へ旅するなかで「いつか自分たちの目線で、好みに合うホテルをつくりたい」と思ったそうだ。構想10年以上、2年の歳月をかけて、想いを込めたホテルを開業した。朝ごはんは、京都産を中心にした新鮮野菜のサラダ、湯波半の甘湯葉美山のプレーンヨーグルト、花かごパン製のパンを数種、大原・山田農園の半熟卵季節のジュース、walden woods kyotoのコーヒーなど、秀逸な食材を集めたプリミティブなもの。野菜中心だから完食しても体は軽い。 なかなか自分ではここまでの朝ごはんはつくれないから、時間をかけ優雅にじっくり味わった。 ただし、朝ごはんは宿泊者のみいただけるメニュー。京都に暮らしているとそうそう宿泊もできないが、旅の方にはぜひともこの充実の朝食を味わっていただきたい。■東山 四季花木京都市東山区三条通白川橋西入今小路町85-1075-744-6654https://www.shikikaboku.jp
中井シノブ
ライター
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BLOG京のとろみ
2020.02.29
「とうひち」のつけそば
京都の中心地から北に向かって車で30分、バスと徒歩なら1時間。閑静な住宅街に「らぁ麺 とうひち」はある。車やバイクが無ければかなり行きにくい場所なのに家族連れからラーメンマニアまで幅広い層に愛され連日行列が絶えない人気店である。鶏醤油らぁ麺、鶏醤油つけそば、鶏油まぜそばを軸に限定メニューも展開されている。厳選された鶏、生揚げ醤油を使ったスープやつけ汁は当然旨いのだが自家製麺の麺がいい!そして、その麺を一番味わえるのがとろとろヌルヌルの昆布水に浸されて提供される鶏醤油つけそばである。つけそばには塩、わさび、つけ汁が用意され最初は塩とわさびだけで麺を楽しみその後つけ汁につけていただくのだが、とろとろ昆布水に浸った麺が美味しすぎて塩とわさびだけで麺を食べ終えてしまいそうになる。なんなら塩もわさびもつけず、昆布のとろみだけでも旨い!極めてシンプルだ。看板メニューは鶏醤油らぁ麺だがつけそばのファンも多く、これしか食べない客もいると聞く。店は辺鄙な場所ゆえ、何かのついでではなくわざわざ行かなければならないしわざわざ行くべきラーメン店である。
ハリー中西
料理カメラマン
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BLOGうつわ知新
2020.02.28
三月雛祭り
梶高明梶古美術7代目当主。京都・新門前にて古美術商を営む。1998年から朝日カルチャーセンターでの骨董講座の講師を担当し、人気を博す。現在、社団法人茶道裏千家淡交会講師、特定非営利活動法人日本料理アカデミー正会員,京都料理芽生会賛助会員。平成24年から25年の二年間、あまから手帖巻頭で「ニッポンのうつわ手引き」執筆など。全国の有名料理店と特別なうつわを使った茶会や食事会を数多く開催。三月雛祭り 三月と言えば雛祭りを思い浮かべます。平安の頃、「雛(ひな)」は「ひひな」「ひいな」と言われ、小さいものを指す言葉だったようです。今でも「ヒナ」と言えば、「ヒヨコ」など、誕生間もない小鳥を指しますが、そのことから、小さな人形などで遊ぶ「おままごと」を「ひいなあそび」と呼んでいたようです。 やがて江戸時代になり、3月の初めの巳(み)の日に、人々が水辺に出て、祓(はらえ)や禊(みそぎ)行う習慣が行事として根付くようになり、この日を「上巳(じょうし)」の節句と呼ぶようになります。それが3月3日に固定され、婦女子の祝いの日として、「ひいなあそび」から「雛祭り」へと季節を彩る催事へと変わっていったと考えられます。布志名焼 黄釉菱皿 華やかな黄色の器は「布志名焼 黄釉菱皿」です。布志名焼は18世紀後半に興りました。茶人としてよく知られる松平不昧公の指導のもとで、ここ布志名では茶道具などの製作が盛んに行われ、やがて日常使いの民芸風のやきものの製作へとその方向を変えて、今日に至っています。 この菱形の皿は布志名焼の特徴的な黄釉(黄色い釉薬)をかけて焼かれています。懐石の向付のように茶人好みの薄造りで品よく、現在の布志名焼のように耐久実用性に重きを置いた民芸調の作風とは異なる雅味のある出来栄えです。 菱型は植物の菱に由来し、その繁殖力の強さから「子孫繁栄」を意味するものとされ、ひな人形に菱餅を供えることからも、3月に好んで使われる形です。九代 樂了入 作 桃香合 また、上巳(じょうし)の節句」は「雛祭り」のことであり、さらに桃の花が咲く時期に当たることから「桃の節句」とも呼ばれます。桃は長寿のシンボルですから、貝形だけでなく、桃形の器や香合なども用いると楽しいでしょう。ころんと丸みをおびて艶やかな深い緑釉の香合は、九代 了入の作品で、この季節にふさわしい香合です。十一代 樂慶入作 簾貝向付 雛道具の「貝合わせ」には、蛤が材料に用いられています。蛤はもともと一対だったもの同士でしか組み合わせることができない特性を持っているからです。このことは「貞節」や「男女和合」のシンボルとしても好まれるようになります。雛祭りの料理として、蛤のお椀をいただくようにもなりました。 やがて蛤だけでなく、写真の簾貝(すだれがい)や唄貝(ばいがい)、栄螺(さざえ)など他の貝形の向付も用いるようになっていきます。 中には蛤の形にしただけでなく、サイズも小さく作られているうつわがあります。これはサイズを小さくして「ひいなあそび」らしく、お料理も小さな盛り付けにして、「おままごと」としての遊び心を際立たせる趣向なのです。 ここで樂家歴代の器をご紹介いたします。樂家は千利休の求めで樂茶碗をつくって以来、現在に至るまで千家とは強い縁で結ばれている「ちゃわん師」の家柄です。 今回は、江戸後期の樂家 九代了入(りょうにゅう)、十代旦入(たんにゅう)、そして明治の十一代慶入(けいにゅう)の作品を紹介させていただきましょう。「ちゃわん師」でありながら、樂家は、どうして向付などのうつわをつくったのでしょう。九代以前の樂家でも、茶碗だけでなく、うつわもつくっていましたが、その量は多くありませんでした。ところが九代了入の時代、つまり江戸後期以降から、昭和年間の十四代覚入(かくにゅう)に至るまでは、盛んにうつわも手掛けています。 樂家以外に目を向けてみると、やはり九州の伊万里でも、明らかに江戸後期から大量生産化が進んでいます。これは庶民文化に花が開き、食文化を楽しむ豊かな人々が武士階級以外の中にも生まれてきた証だといえるでしょう。九代 樂了入作 蛤向付(左)と十代 樂旦入作 螺皿(右) 樂家も茶碗以外の需要に応えることで、由緒ある「ちゃわん師」の家柄を途絶えさせることなく、繋いできたのです。幕府が倒れ、武家社会が終焉を迎えても、西洋文化が押し寄せて日本の伝統産業が忘れられそうになっても、また戦争によって人心が乱れ、戦禍に日本が沈んでも、樂家はこのように粛々と器をつくり、波乱の時代を乗り切ってきたのです。 こんな風に器を眺めてみれば、器を通して日本の時代の流れ、文化の移ろいを感じ取ることができるように思いませんか。まさに器は日本の歴史文化そのものなのです。 春を身近に感じるこの季節、雛祭りにふさわしい樂家の作品を愛でながら、伝統を守り繋いでいくということ、その大変さと大切さ、伝統を真摯に受け継いでいく代々の姿勢に思いを馳せてみるのも良いでしょう。■ 梶古美術京都市東山区新門前通東大路西入梅本町260075-561-4114営10時~18時年中無休(年末年始を除く)
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BLOG割烹知新〜奇想の一皿〜
2020.02.27
御幸町田がわ「伊勢海老と白子の春巻、海老味噌ソースと新海苔佃煮添え」
奇想の一皿「伊勢海老と白子の春巻、海老味噌ソースと新海苔佃煮添え」25歳のとき「同じ"ものづくり"なら、人の顔の見える仕事がしたい」と一念発起し、エンジニアから料理人へと転身。それまで包丁を握ったことすらなかったという田川さんでしたが、畑違いの厳しい世界で研鑽を積み、2017年「御幸町 田がわ」をオープン。そのわずか数か月後にミシュランで星を獲得し、周囲をあっと驚かせました。名実ともに京都を代表する料理人の一人となった田川さん。はたして、どんな奇想の一皿を見せてくれるのでしょうか。うちでは僕の出身地、三重県の魚介類を積極的に使うようにしています。鳥羽に海女さんをしている友人がいて、質のいい伊勢海老や鮑を送ってくれるんです。今日はその伊勢海老を使い、「三重の伊勢海老をいかにおいしく召し上がってもらうか」をテーマに、レシピを考えてみました。これまで伊勢海老をいろんな料理に仕立ててきましたが、今回は和食の枠を超えた一皿というお題を受けて、春巻に挑戦します。メインの具は正統派和食食材の伊勢海老と白子。そこにベシャメルソースで洋食の要素を加えます。和の食材を洋風にアレンジし、中華の調理法で仕上げる......どんな感じになるか、早速作っていきましょう。バターに薄力粉と牛乳を加え、なめらかなベシャメルソースを作ります。香ばしさとコクが際立つよう、バターをしっかり溶かしてから粉を加えるのがポイント。のちほどこれと白子のペーストを合わせ、春巻の具をまとめあげるソースにします。次に伊勢海老から海老味噌ソースに使うミソを外し、残った身と殻で伊勢海老出汁をとります。今回、この身は春巻には使いません。ミソを外した伊勢海老を殻ごと香ばしく焼き付け、昆布だし、酒を加えて20分ほど火にかけます。冷めたら濾して、伊勢海老出汁の完成。これはのちほど、海老味噌ソースを作るときに使います。伊勢海老のミソを火にかけ、溶けてきたところに先ほどの伊勢海老出汁を加え、さらにのばしていきます。ここではしっかりと海老の味を「乗せる」ことを意識して、丁寧に。赤味噌にいろんな調味料を加えた「炊き味噌」(田楽味噌)で調味し、海老味噌ソースの完成です。伊勢海老の身を高温の油でサッと「生揚げ」にし、このソースを付けて食べてもおいしいですよ。蒸した後に裏ごしし、ペースト状にしたフグの白子に、先ほどのベシャメルソースを加えます。今日は白子ペースト3に対してベシャメルソース1くらいの割合で。白子だけでも十分おいしいのですが、今回は洋風のソースと合わせ、クリームコロッケっぽく仕上げます。春巻に欠かせない筍と椎茸を太白胡麻油で炒め、さらに九条ネギ、伊勢海老を加えて炒めます。伊勢海老は事前に塩を振り、食感が分かる程度の大きさにカットしたもの。具材に火が通ったら、先ほどの白子入りベシャメルソースと合わせ、春巻の皮で巻いていきます。水分が多いので、糊付けはしっかりと。きつね色に揚がったら完成です。今日は2種類のソースを用意しました。ひとつは先ほど作った海老味噌ソース。ミソを伊勢海老出汁で伸ばした、海老のうまみたっぷりの濃厚なソースです。黒いほうは新海苔の佃煮で、酒肴としてはもちろん、ごはんのアテにも最高の一品。揚げ物との相性もいいのではないかと思い、春巻に添えてみました。普段からコースを組み立てる際には「ストーリー」を大切にしています。その時々の食材を鑑み、「何を軸にするのか」「軸をどこに持ってくるのか」を考え、先付けから水物までを一つの流れとして提案できるよう、工夫しています。例えば12月でしたら、やはり蟹を召し上がっていただきたいのですが、うちの価格帯で高価な食材をドーンとお出しするのは難しい。そこで、蟹身をたっぷり使った蟹しんじょのお椀をコースの肝に据えました。お客様の目の前でタネを擦り、おだしに落としてふわふわの出来立てを味わっていただく。いつもとは提供する順序も変え、あえて華やかで存在感のある八寸のあとにお出しする。緩急の付け方やクライマックスへの持って行き方、そういった演出も含め、さらに突き詰めていきたいと思っています。写真 ハリー中西 取材・文 鈴木敦子■ 御幸町 田がわ京都府京都市中京区夷川通御幸町西入松本町575-1075-708-5936(完全予約制)18:00~20:30最終入店不定休
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BLOG美人&イケメンスイーツ
2020.02.27
『ザ・リッツ・カールトン京都』の「アフタヌーンティー」
推薦人:島直也 だるま商店ディレクター学生時代より本州四国連絡橋公団、阪神高速道路関係のデザイン、コンサル業務に関わり、東京にてスリムビューティーハウス、ヤマハ財団などのWEBやマーケティングを担当。現在、絵描きユニットだるま商店のディレクターとして、製作全般、歴史、考古学などを研究。世界遺産をはじめとする神社仏閣の障壁画、天井画、伝統工芸から、Apple京都、ハリウッド映画、フェラーリディーラー、東京オリンピック文化プログラム、ザ・リッツ・カールトン京都までさまざまな分野にて活躍中。世界に愛されるスイーツを京都で「自分から甘いものを食べに行くほどスイーツ男子ではないですが、カフェで目新しいものがあったら必ず食べますね」と島さん。なかでもホテルで優雅に味わうアフタヌーンティーがお気に入りだそうです。「ザ・リッツ・カールトン京都」をはじめ、京都オークラオークラやホテルグランヴィア京都、ブライトンホテルは、しばしば打ち合わせに選ぶ場所。打ち合わせの後には、そのホテル自慢のスイーツを味わうのが楽しみだと言います。ピエール・エルメ・パリの代表的なケーキ「イスパハン」。お茶とのセットで2700円。(税別)世界にファンのいるピエール・エルメ・パリのお菓子、それもできたてを味わえるザ・リッツ・カールトン京都のラウンジは幸せな時間を過ごせる場所なのだそう。「ピエール・エルメ・パリのお菓子は見た目も味も洗練されています。けれど、最近のお菓子とは違って昔のお菓子のような、ちゃんとした甘みもあり香りも高い。複雑なんだけどわかりやすいお菓子なんです」と島さん。島さんがしばしばこのラウンジを訪れるようになったのは、ホテルから依頼された仕事がきっかけです。「昨年、即位の礼をイメージしたグリーティングカードのデザインをだるま商店さんにお願いしました。ラウンジで打ち合わせをしたその後にアフタヌーンティーを召し上がってくださったようです」と広報の林さん。和の雰囲気もあるカードをと考えたとき、まず候補にあがったのが、絵画ユニット「だるま商店」で、はんなりと美しいカードは世界中の顧客に送られたそうです。2014年2月に京都二条・鴨川畔にオープンした「ザ・リッツ・カールトン京都」は、歴史や伝統に育まれた古都の美意識と世界の賓客が認めるもてなしを集約したラグジュアリーなホテルです。源氏物語の世界観を表現したエントランスも雅で麗しく、すうっとその空気感にひきこまれていきます。アフタヌーンティー4000円(土日祝は4500円)。コーヒーやラテのほか、10種類以上あるお茶から好みの2種類を選べる。※税・サ別(メニューの内容や料金は、時期などによって変わることがあります)ラウンジでいただけるアフタヌーンティーは、見目麗しく盛られた三段のタワー。最上段はプレーンとチョコレートのスコーン2種。2段目はピエール・エルメ・パリ製スイーツの盛り合わせで、タルトやシュークリーム、マカロン、ムースなどその季節のガトー5種。3段目にはサンドイッチやクロックムッシュ、フランなどのセイボリーという豪華さ。島さんは、ワインを合わせて楽しむこともあるそうです。ピエール・エルメ・パリのアフタヌーンティーを味わえるのは、関西ではここだけです。その時季にあわせたスイーツを数種類楽しんでいただけます。ほかにもピエール・エルメ・パリの代表的なお菓子、イスパハン(ローズ、ライチ、ラズベリーの堪らないほど蠱惑的な味のコンビネーション)などを、お茶と共にどうぞ」とすすめてくれるのは、シェフ・パティシエのドゥマネ レジスさん。開業以来、ピエール・エルメ・パリの味と世界観を伝えています。ピエール・エルメ・パリのスイーツは、ホテル内のブティックでも購入することができるので、時間がないときはテイクアウトも。ちょっとした手土産にはパンも人気です。「時間がゆったり流れるラウンジは、空間もサービスも洗練されていて、五感で楽しめる場所。誰もがみな心から寛いでいます。ゆっくり物事を考えられるから、アイデアソースが湧くんです」と島さん。安らぐだけでなく、新たな発想を得られることも、ここにくる理由なのだと言います。撮影:竹中稔彦■ザ・リッツ・カールトン京都京都市中京区鴨川二条大橋畔075-746-5555(代表)https://www.ritzcarlton-kyoto.jp/
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BLOG料理人がオフに通う店
2020.02.21
「日本酒とワインと炭火焼 なかむら」―「にし野」西野顕人さんが通う店
「にし野」西野顕人さん《プロフィール》京都市出身。東京で焼き鳥に魅了され、東京、横浜と8年間修業。2013年、独立のため京都に戻り、京都市中央卸売市場の鶏肉卸の加工場で働きながら、肉の解体や目利きを学ぶ。2014年に焼き鳥専門店「にし野」をオープン。趣向を凝らした焼き鳥のコースが評判を呼んでいる。素材のポテンシャルを引き出す技に唸る絶品の炭火焼を、多彩な酒と楽しめる人気店祇園新橋に近い繩手通の小さなビル。その2階に美味い炭火焼料理を出すと人気の「日本酒とワインと炭火焼 なかむら」がある。今年でオープン9年目となるこの店を営むのは、祇園の「うずら屋」で腕を磨いた中村憲幸さん。西野さんがリスペクトする料理人の一人だ。「炭火で焼いた鶏や牛、野菜などのお料理がコースで食べられます。お酒をつい飲みたくなるような料理を出されるので、テンション上がりっぱなしです」(西野さん)カウンター6席と子供連れも使える個室の小体な空間は、食べること、飲むことが大好きな人々で賑わう。西野さんは、ここに3年ほど前から通っているという。「とてもいいお店だし、勉強になるよと、共通の知人や共通のお客さんからも話を聞いていてずっと行きたいと思っていました。高校の先輩でもある酒屋さんに連れられ伺い、炭火焼の可能性に感動しました」その後、年に一度くらい互いの店を訪れたり、一緒に愛媛の醤油蔵へ行ったりするなかで親しくなったそうだ。「西野くんは共通の酒屋さんが『面白いやつがおるから』と、紹介してくださったんです。とても真面目な方で、探求心がすごくて頭が下がります。お互いまったく違うけれど、興味を持つところが似ていて、いろいろ勉強し合える仲ですね」と中村さん。「料理はシンプルなんですけど、吟味した素材を使って手間暇かけた丁寧な仕事をされます。カウンターで焼かれている様子を見ていても、素材に対する思い入れが伝わってきます」(西野さん) メニューは、全7~8品の8000円のコースのみ。むね肉の前菜なども盛り込みながら、炭火焼をメインに仕立てる。鶏肉は熊本の天草大王、牛肉は宮崎の尾崎牛、そして舞鶴と福岡の農家のものを中心に、全国から届く旬の野菜を使用している。「シンプルな調理法なので、できるだけいい食材を使って余計な味付けをせず、シンプルに食べていただけるようにしています」(中村さん)中村さんは、調理師専門学校卒業後、中華料理店のサービスの仕事を経て、料理修業のために「うずら屋」へ。そこで炭火焼に魅了されたという。「見たこともないような野菜をたくさん使っておられていて、炭火焼って面白いなあと。お肉もおいしかったんですが、それ以上に炭火で焼く野菜の魅力をすごく感じました」(中村さん)西野さんは、中村さんの料理から並々ならぬ熱意を感じるという。「よりおいしくするために緻密にいろいろな工夫をされているんですが、気張った感じはなくて、自然体で淡々と感性を発揮される。それがすごいと思います」(西野さん)「浅い火の入れ方をした野菜と、徹底的に火が入った野菜が一緒に盛り付けられていて、その対比がとても面白い。一つひとつを丁寧にされる姿を見ていていつも勉強になります」(西野さん)西野さんが薦める焼き野菜の盛り合わせは、酒にもよく合う店の名物的な一品。特に男性客に好評だという。色とりどりの季節の野菜が10種類前後入って、結構なボリューム。巧みに引き出された旨味や甘味をしっかり味わうことができる。サツマイモを2時間以上蒸すなど、素材に合わせて丁寧な下ごしらえを行い、表面にオリーブオイルと米油を混ぜたものを塗って焼いていく。油で野菜の水分を閉じ込めることで、一見生だが火がしっかり入った仕上がりになるという。「水分を抜いたほうがいい野菜、そうでない野菜があるので、そういうところを考えながらやると、多彩な味になります」と、中村さん。炭火の力で素材のポテンシャルを引き上げていく。 「牛肉の料理も独自のアレンジをされています。このカツはやわらかくふっくら焼けていて、食べるとカツと炭火焼の中間のような感じ。油っこさはないけど、衣の旨味はちゃんとあってと、言葉では言えますが、難しい調理をさらりとされます」(西野さん)尾崎牛の外ももの部分があるときに作られるのが、この焼きカツ。水分を逃さないよう赤身肉の上下の面にパン粉をつけ、油を塗って炭火で焼いたもの。お好みでリンゴ酢入りの国産マスタードをつけて味わう。絶妙に火が入った肉は、程よい脂とコクがあり、噛むほどに旨味がじわり。通常の炭火焼とはまた違ったおいしさだ。また、酒好きの中村さんが用意するワインや日本酒も見逃せない。「日本酒も豊富だし、ワインもグラスでいろいろ味わえるのでうれしいですね。いつも料理に合わせてお酒を選んでいただいています」(西野さん)日本酒は「不老泉」「而今」「鍋島」など、おすすめの酒蔵のものを揃える。ワインもイタリア、フランス、日本のものを中心に赤白各40種ほどと充実している。そして、「不老泉」の仕込水で炊き上げる土鍋ご飯。「毎日精米してから炊いておられる白ご飯が美しいんです」と西野さん。中村さんによれば、精米したてがおいしいことと、水分量を調整しやすいことから行っているという。使用する有機栽培の中能登産コシヒカリは、小粒だがしっかりとした味わいの米で、粘りが少ないためコースの締めに食べてもくどくならないという。艶やかでさらっとした口当たりのご飯に、焼き海苔、能登の塩、ちりめん山椒。これだけで幸せな気分になれる。「一人でやっているのでお客様が来られるとうれしいですし、できるだけお相手したいと思っています。料理を食べてもらいたいという思いも強いですが、何より楽しく食べて帰っていただくことが目標ですね」と、中村さん。カウンター越しの会話と共に、匠の技で仕立てる旨い料理と酒をしみじみ味わう時間はまた格別だ。撮影 エディ・オオムラ 文 山本真由美■日本酒とワインと炭火焼 なかむら京都市東山区繩手通新橋下がる弁財天町13-1 祇園繩手ホワイトビル2F075-253-431018時~24時(LO23時) 要予約休 月
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BLOG外国人料理人奮闘記
2020.02.19
イタリア人料理人トルメナ・エディさんの「しょうがない」
はじまりはオーストラリア僕は21歳のときに故郷であるイタリアのヴェネト州を出て、オーストラリアで暮らし始めました。オーストラリアではサラリーマンをしていたのですが、その時に今の妻、広美と出会いました。その後、それぞれの国に戻って5年くらい遠距離恋愛を続け、再び二人の思い出の地・オーストラリアへ。現地で結婚し、当初はガイドなどで生計を立てていましたが、そのうち何か新しいことに挑戦したくなって......。そのとき、新たなチャレンジの場として選んだのが日本でした。妻の母国である日本へは、それまでも旅行や帰省で何度か訪れていましたが「日本でジェラテリアを開く」と決めて本格的に移住したのは、今から15年くらい前になります。最初は京都でなく、沖縄で店を開く予定でした。ところが物件探しが難航し、一度は「もうオーストラリアに帰ろうか?」と諦めかけたほど。でもやっぱりオーストラリアに戻りたくない、日本でお店をしたい!という思いが強く、京都でお店を出すことにしたんです。地元の人に愛されるお店を目指してなぜ京都かって? 僕はイタリアでもカントリーサイドの出身で、東京や大阪のような大都会は苦手なんです。その点、京都は高層ビルもないし、こじんまりとした街のサイズ感がちょうどよかった。外国人にも好意的で、関東出身の妻も京都のことは昔から気に入っていたので、二つ返事で賛成してくれました。人が集まる観光地でなく西院に店を構えたのは、地元の人に長く通ってもらえるお店にしたかったから。実際オープン当初からのお客さんで、当時まだ5歳だった子が、20歳になった今も通ってくれています。その頃の京都ではジェラートの認知度もまだまだ低く、一から商品の説明をしなきゃいけなかった。アイスクリームと同じなのに"水っぽくてシャリシャリとしたもの"と誤解している人が多くて、お店に入ってきても「ジェラート」と聞いて、買わずに帰っていく人もいましたね。でも近くの外大(京都外国語大学)の学生さんや先生たちは、新しいものが好きだったり、英語やイタリア語を学んでいたりということもあって、オープン当初からよく来てくれました。今でも大勢の外大生が通ってくれています。イタリアの味を京都で再現イタリアでスイーツといえばジェラート。イタリア人は夏は毎日ジェラートを食べます。逆にジェラート以外のスイーツは食べません。それぐらいジェラート一筋。人によってそれぞれお気に入りのジェラテリアがあって、お店によって味も全然違いますね。日本のラーメン屋さんも店によって味が違うでしょ? それと同じ。使う材料やレシピによって、出来上がりがまったく違うんです。僕も子どものころから通っているお気に入りのお店があって、ここを開く前に修業させてもらいました。僕のジェラートはイタリアのジェラートそのままの味。日本向けの特別なアレンジはしていません。日本では「甘さ控えめ」が人気だけれど、イタリアで食べられているそのままの味を再現したかった。だから最初は「甘すぎる」という声もありましたが、今では「カフェラッテの味」として、受け入れもらえたと思います。作りたてのおいしさは格別今は冬なのでちょっと種類が少ないけど、夏の週末は16種類ぐらいのフレーバーを用意しています。旬のフレッシュなフルーツを使うので、フレーバーは時期によっていろいろ。冬はいちごやピスタチオ、マカデミアナッツがおすすめ。夏は桃、スイカ、メロン、マンゴー、ヨーグルトなど、さっぱりとしたフルーツ系が人気です。ジェラートはやっぱり作りたてが一番おいしい。日が経つにつれて味が落ちていくので、うちでは夏場で2日、冬でも3日で廃棄してしまいます。特にナッツ系は、できたてとそうでないものの違いが歴然で、作りたては香りが全然違います。長期保存が可能な大手メーカー品との違いを、ぜひ味わってほしいですね。This is "HOME".好きな言葉は「しょうがない」です。なぜ? どうして? と深く追求せず、大抵のことは「しょうがない」と流してくれる、日本人のそういうところが好きですね。イタリア人って文句ばっかり言ってるでしょ?(笑) 議論好きで、白黒はっきりつけないと気が済まない。それに比べて日本では、いい意味で無関心というか、他人に対して無遠慮に踏み込まない。僕は昔から議論するのが好きではないし、他人にあまり干渉しない日本の絶妙な距離感が心地いいと感じます。京都の好きなところは古いお寺や建物がたくさんあるところ。今でもシーズンごとにお気に入りのお寺に出かけます。祭りも好きで、祇園祭も必ず見に行きますね。21歳でイタリアを出て約30年。実はこの14年、一度も里帰りをしていません。ホームシックになることもありませんね。今ではここ、京都がホーム。京都に骨を埋めるつもりで、これからも「おいしい、幸せ!」というお客さんの声が聞けるように、おいしいジェラートを作り続けていきたいと思います。写真 ハリー中西 取材・文 鈴木敦子■caffellatte(カフェラッテ)京都市右京区乾町70‐1 ジェミニビル1F075-322-276613:00~20:00(土・日曜12:00~21:00)休 月曜※2020年2月1日~3月15日の期間は土・日曜のみ営業
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BLOG京の会長&社長めし
2020.02.17
株式会社鼓月の社長が通う店「チェンチ」
■中西英貴(なかにし ひでたか)さん 京菓子處鼓月 代表取締役社長1971年京都生まれ。94年に明治大学商学部卒業。97年京菓子處鼓月に入社。2005年4代目社長就任。「どのようなお菓子がお客様に共感され喜んでいただけるのか」を常に心掛け、代表銘菓「華」や「千寿せんべい」の伝統を守りつつも、洋菓子工房「KINEEL」、スポーツ羊羹「anpower」などを発案し、多角展開している。趣味はトライアスロンとスキー。食事のお店選びは、京都でご縁をいただいた方やご紹介など、繋がりを大切に、がモットー。最後の晩餐は、ワインと焼き鳥、デザートにホールケーキ丸ごと。季節の素材の味が際立つ美しい皿に選り抜きのワイン。非日常的な空間で楽しい時間を平安神宮や美術館などが集まる文化エリア、岡崎。丸太町通から桜馬場通を南へ少し入った閑静な場所に、中西さんお薦めの「チェンチ」がある。オーナーは名イタリアン「イル・ギオットーネ」で9年半料理長を務めた坂本健シェフで、2014年のオープン以来、全国にファンを増やし続けている。中西さんは街中から離れた場所にある店が好きで、ここには3年ほど前から通っているそうだ。「実は妻の実家が岡崎でよく前の道を通るので、オープン前から気になっていたんです。親しい夫婦4組で不定期の食事会をしているのですが、そのときに初めて行かせてもらいました。まず建物の雰囲気で気分が高まりますね。料理は旬の素材を使っていろんなものを作ってくれて、行くたびに違うものを味わえるのが楽しい。イタリアンのお店もよく行きますけど、その中でもチェンチさんはもう一回行きたいなと思えるお店です」(中西さん)「岡崎は中心部との距離感がよく、周囲の空気感も変わらないことから選びました。場所柄、昼のお客様はほぼ女性ですが、夜は社長さんや京大病院の先生など男性のお客様も多いですね。中西社長は京都の社長さん方と一緒に来られて、他の会でも何人かで来られていたと思います」(坂本さん)坂本さんは、開業準備期間に全国の生産者を巡り、地元の人と交流する中で食の持つパワーを再認識。店のコンセプトが固まったという。「初対面でも食卓を囲めば皆、楽しく元気になれることをすごく感じて、おいしい料理とワイン、気持ちのいいサービス、いい空間があり、常にいい空気が流れているレストランを作りたいと思ったんです。器や食材なども人としていいなと思う方のものを集めました」(坂本さん)店舗は古い日本家屋を1年近くかけて改装。中に足を踏み入れると、蹴上の"ねじりまんぽ"を模して造られたレンガのトンネル、半地下と中二階のテーブル席、個室、カウンター、坪庭などで構成された空間が現れる。無垢材や石、鉄を巧みに取り入れた内装やインテリアは、温かみと落ち着きがあり、どこかヨーロッパの町にいるような風情だ。「中二階になっているところはちょうどいい席数があって、オープンキッチンも見えるので、そこで家族会や夫婦の食事会などをよくします」(中西さん)「天井を高くして贅沢な気分で食事をしてもらおうと、半地下にしました」と、坂本さん。スタッフと共に内装にも携わったそうで、自分たちで地面を掘り、使用するレンガも掘った土と信楽の粘土を混ぜたものを焼いて製作したという。「知り合いを連れて行くと、まず扉を開けて入ったところからわーっとなって、お店の雰囲気に取り込まれる。それでこちらもお店の蘊蓄を喋れますので」と話す中西さんのように、場を楽しくする話題作りにもなっている。「料理はどれもおいしく、安心感があります」(中西さん)メニューはコースのみで、2カ月に一度変わる。生産者とやりとりしながら環境負荷の少ない旬の素材を仕入れ、その持ち味を最大限に生かした優しい味わいの料理を提供している。写真はコースの一例より、フランス産ビルゴー鴨。ゴボウのピューレ、黒ニンニクと昆布だしで炊いたゴボウ、西洋梨、山葡萄を発酵させたソース、バルサミコを加えた肉のソース。複雑な味の重なりの中に、やわらかな鴨やゴボウなど、素材のおいしさを堪能できる一皿。「あまり詰め込みすぎず、あとでお客様が『今日のあれおいしかったな』と振り返ることができるような料理を心がけています」と坂本さん。フグとフグの白子と九条ネギのパスタ。フグの骨でとっただしに炭火焼の白子を合わせたクリーミーなソースが、太めの麺に絡む、冬ならではの贅沢な一品。コクのある味わいに香り豊かな自家製柚子胡椒が味を引き締める。中西さんは、丁寧な料理説明も気に入っている点だと話す。「例えば、〇〇産の生ハムです、というだけでなく、どういう思いで今日この生ハムを選んだのかというところまで教えてもらえるので、より料理に入り込んでいけます」これについて坂本さんは、こう説明する。「とりあえず試食会などはしっかりやっています。サービススタッフにも新しい料理を全部フルポーションで食べてもらい、意見を聞いたり、ワインペアリングやティーペアリングを決めたり。自分が食べておいしかったという印象から出る言葉で料理を説明するのが一番なので、そこは大事にしています」ワインはイタリアを中心としたヨーロッパや国産の上質の自然派ワインを多く揃える。マネージャーの文屋隆志さんが手にしているのは、山梨の「ボー・ペーサージュ」のワイン。「かしこまりすぎず、お客様に楽しんで帰っていただくことを心がけています。皆で食材やワインの生産者の訪問もよくしているので、そうした方々の思いも伝えていけたら」と、文屋さん。「京都の人に愛されるお店でありたい」と話す坂本さん。この5年の間に自身の料理も変化してきたという。「これまでの料理に、生まれ育った京都の食文化の影響や、海外でインプットしたものなどを融合させてコースを組み立てています。自分たちが今やっているものを、お客様と一緒に共有して楽しめるお店になれば」と話す。コースは昼6000円、夜11000円(各税サ別)。予算はワインを軽く飲んで20000円ほど。楽しい雰囲気に満ちた空間と進化していく料理のもてなしに、また多くの人が魅了されるはずだ。撮影 エディ・オオムラ 文 山本真由美■チェンチ京都市左京区聖護院円頓美町44-7075-708-5307営業時間 12時~15時、18時~23時定休日 月、月2回不定休(日または火)http://cenci-kyoto.com/
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