BLOG京都美酒知新2020.10.20

カクテルが飲みたくなる話「ブルームーン」

ウイスキーなどお酒には、歴史や醸造の苦労話などさまざまな物語があります。 「京都美酒知新」では、カクテルとウイスキーにまつわるお話をご紹介していきます。 美しいカクテルをつくり、解説してくださるのは、全国にファンのいる名バーテンダー 「K6」の西田稔さんです。 このお話を読むと、カクテルが飲みたくなるに違いありません。

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■西田稔(にしだみのる) 

京都木屋町二条「Bar K6」、「cave de K」、「keller」のマスターバーテンダー。
2020年開業の「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「Bar K36」を監修。自らもカウンターに立つ。
京都生まれ、同志社大学卒業後、東京のバーで経験を積み、1994年に「Bar K6」を開業した。シャンパーニュの将校、グラッパの騎士、クリュッグアンバサダー、ウイスキーコンテスト審査員

BLUE MOON ブルームーン
カクテル言葉「完全なる愛・叶わぬ恋」

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古の時代から、満月の日15夜とその前の少しだけ欠けた13夜は両方愛でるものとされ、片方だけ見ることを片見月と呼んでいました。
2020年は10月に15夜と13夜(10月29日)の両方がある珍しい年です。

男性から愛の告白をするのが当たり前だった時代、15夜に男性から告白された女性は、その後の13夜だけは、自分から男性を誘ってもよかったのだそうです。それは15夜の告白に対する、YESの返事だったのですね。なんとロマンチックなストーリーでしょう。

そんな満月が美しい10月にご紹介するカクテルは「ブルームーン」です。ジンにパルフェタムール(完全な愛)という名のリキュールを合わせています。
実は、このカクテルのカクテル言葉はふたつ。「完全なる愛」と「叶わぬ恋」です。
果たしてあなたの恋は、どちらでしょう?

今回は、嵐山の渡月橋下に船を浮かべて観月を愉しむ月見酒の風情を演出しました。川に映る月と、盃に映る月。空を見上げるだけでなく、たまには自分のグラスに月を映して、いつもとは違うお月見を楽しみたいところです。

カクテルレシピ

季の美 30ml
パルフェタムール 15ml
レモンジュース 15ml
レモンピール

10月のウイスキー

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ラフロイグ10年のソーダフロート

ラフロイグ蒸留所のフラッグシップ・モルトで、世界的な人気を誇る1本です。爽快なピート感や磯の香が強烈で、独特の風味をもっています。1stフィルバーボン樽熟成による甘いバニラの香りとクリームのような滑らかさを併せもちます。

ソーダを入れたグラスに氷を加え、ウイスキー30mlを静かに浮かべるように注ぎます。口にすると最初はウイスキーそのものを、その後氷が溶け込んだウイスキーを、最後にソーダが混ざった味を。つまり、ストレート、ロック、ハイボールの3つの味わいを1杯で楽しめるのです。

ラフロイグ蒸留所とは
スコットランドの西岸沖、インナーヘブリディーズ諸島の南端に位置するアイラ島の蒸留所です。アイラ島は、淡路島よりやや大きいくらい。そこに、8つの蒸溜所とひとつの製麦工場がある世界でも珍しいウイスキー島で、ウイスキーの聖地とも言われています。創業は1815年。フラッグシップ・モルト「ラフロイグ」は、力強い酒質で伸びがよいウイスキー。20世紀初頭のアメリカ禁酒法時代にも、薬用酒としてアメリカに輸出されていたのは、薬品のような香りに薬用効果があると認められたからだといわれています。(サントリーHPより)

撮影:ハリー中西

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■Bar K6

京都市中京区木屋町二条東入ル ヴァルズビル2F
075-255-5009