BLOG美人&イケメンスイーツ2019.06.21

『ZEN CAFE』の「上生菓子 コーヒーとセット」

京都在住の美人&イケメンにお気に入りのスイーツ、デザートを教えていただく企画。今回は、明治8年創業の茶筒の老舗、開花堂の八木隆裕さんに『ZEN CAFE』の「上生菓子 コーヒーとセット」についてお話しいただきました。

推薦人:八木隆裕さん(開花堂 代表取締役社長)

「甘いもん食べたいな~、と純粋に思ったら、迷わずZEN CAFEさんの上生菓子とコーヒーのセットを注文します」

茶筒「開花堂」6代目の八木隆裕さん。その茶筒はイギリスのヴィクトリア&アルバート博物館にも所蔵されている。そんな八木さんは、奥様との買い物の合間や、ひとりでもふらりとZEN CAFEに立ち寄るという。

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祇園南の静かな路地の一角の、モダンなビルの1階。

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その奥にZEN CAFEはひっそりと、大人の時間を提供している。

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ZEN CAFEは、友人である老舗和菓子店『鍵善良房』の14代当主、今西善也さんが2012年にオープンされました。"大人がゆっくり、有意義に過ごせるカフェを"というテーマが込められたこちらでは、上生菓子やくずもちなど手づくりの和菓子と、和菓子の味を引き立てるお茶をいただけます」

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和カフェかと思いきや、店内には北欧テイストの洗練されたインテリアが品よく配置され、穏やかな空気が流れている。

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「ケヤキの1枚板が見事なカウンター席も素敵ですが、ひとりでうかがうと、半個室になっているひとり掛けの席で書類を読んですごすこともあります」

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「ミーティングでは奥の個室を使用させていただくことも。いろいろなスタイルに合わせて利用できるのがありがたいですね」

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多様な使い方をするなかで、八木さんが注文するのが、上生菓子とコーヒーのセット(税別1200円)だ。

「こちらの上生菓子は、きちんとしていながら、口にするとゆったりした心地にもさせてくれるんです。その場で食べられる上生菓子の美味しさは格別です」

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ZEN CAFEの上生菓子は1カ月に1種類で、毎月変わってゆく。本店とは材料をともにしながらも、見せ方が違うと店長の藤澤知也さんは言う。

「本店では400年の歴史ある重厚感を、カフェでは軽やかさを意識しています。たとえばきんとんは、本店では大胆に、こちらではきめ細かく可愛らしさを演出するなどの違いがあるんです」(藤澤さん)

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6月中旬~7月の上生菓子は、くずままんじゅう「朱夏」。涼しげな吉野の本くずの中に、ピンクの練り切り、そして中心には白こしあんが。くずから透けて見えるピンク色が、なんとも奥ゆかしく可愛らしい。くずはフルフルと絶妙な弾力で、上品な甘さのこしあんとともにとろけて、口いっぱいに広がってゆく。

「カフェでは備中の白あんを積極的に使っています。白あんはとても風味がよいので、その魅力をみなさんに知っていただきたくて。冬には白小豆のおぜんざいもお出ししています。白いおぜんざいはインパクトがありますよ(笑)」(藤澤さん)

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「上生菓子の飲み物のセットでは、煎茶やほうじ茶、紅茶なども選べるんですけど、私はいつもコーヒーです。ZEN CAFEさんは中川ワニ珈琲さんの豆を使ってらっしゃいます。これが上生菓子にとてもよくあうスッキリ感なんです」(八木さん)

コーヒーは、和菓子に合うようにオリジナルブレンドを焙煎。「美味しいお菓子のなかに、よい飲み物を」という気持ちがこもっている。

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「お菓子も空間も素敵ですが、さらに素敵なのは、お店の方がいつも"ありがとうございます"と、とても丁寧に声をかけてくださるところです。何気ない日々の言葉の大切さに気付かされます。自分の、その時々のどんな気持でも受け入れてもらえる雰囲気があります」(八木さん)

「入り口から少し通路を歩いてから店内にたどり着くので、少々入りづらい雰囲気があると思います。でも入ってさえいただければ、アットホームな空気を感じていただけるかと。丁寧過ぎず、ほどよい距離感でお客様に接することを心がけています」(藤澤さん)

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「お客様に楽しんでいただきたい」と飾られた、生け花や絵画、彫刻など若手作家から年代物の作品を、お菓子をいただきながら見るのも至福のひと時だ。写真はNHK大河ドラマ「いだてん」のオープニングの絵を描いた山口晃氏の作品。

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彫刻家・樂 雅臣氏の「輪廻転生」が、メインフロアのなかで凛とした存在感を放つ。

「私は甘いものが好きなので、どんな時でもスイーツはウェルカムです(笑)。でも気持ちを切り替えたいときに、口にすることが多いかもしれません。そういう時には上品な味のするものがいいんですよね。ZEN CAFEさんは、そうした私の甘い物への気持ちを見事に満たしてくれる、懐の深い場所です」(八木さん)

撮影 津久井珠美 文 竹中式子

■ZEN CAFE

京都市東山区祇園町南側570-210
075-533-8686
11:00~18:00
休 月曜
https://www.kagizen.co.jp/