BLOG京のとろみ2021.01.29

「更科本店」のたぬききしめん

Byハリー中西

料理を撮影し続け40年。京都の食事情を知り尽くした食いしん坊カメラマンが、好物のとろみ料理を披露する新企画。和食のあんかけ料理をはじめ中華の甘酢餡、カレーうどんやデザートまで。ハリー巨匠撮影、シズル感たっぷりの写真とともにご紹介します。

新京極商店街にある更科本店さん。
こちらは京都では珍しい「きしめん」のお店だ。
外観や店内の雰囲気も味があって居心地がいい。
メニューにはうどんや蕎麦もあるが
やっぱり看板のきしめんを頼んでしまう。
そして冬場は迷わず「たぬききしめん」一択!

関東で「たぬき」と言えば天かすの入ったうどんやそばのことで
関西では揚げの入ったそばのことを指す。
揚げの入ったうどんは「きつね」である。
ところが!京都で「たぬき」と言えば揚げの入った
餡かけのうどんやそばのことになる。
ややこしい・・・

なので、更科本店さんで「たぬききしめん」と注文すると
「揚げ入りの餡かけきしめん」が出てくる。
濃いめの出汁にとろっとろの餡、たっぷりのおろし生姜。
きしめんとは言え、そこは京都!
コシとは無縁のやわやわの麺がしっかり出汁を吸いまくる。
だしを飲む感覚で麺が喉を通っていく。
そして凄いのが揚げの分厚さである。
こちらも出汁を吸いまくりまるでよく煮込んだおでんの厚揚げみたい。

京都の冬には欠かせない「たぬき」
うどんやそばもいいけど是非とも「きしめん」を試してみて欲しい。
「たぬききしめん」癖になります。

ハリー中西

京都生まれ京都育ち ファッション写真を勉強するも食いしん坊が故、料理カメラマンに。好物は茶色い食べ物。とろみストである