食知新ブログ
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BLOG京の会長&社長めし
2019.09.18
川崎機械工業株式会社の社長が通う店「阿さひ エ リヴ・ゴォシュ」
■林誠一郎(はやし せいいちろう)さん 1971年京都市生まれ。航空機などの歯車や部品製造を手掛ける川崎機械工業株式会社代表取締役社長。在日フランス商工会議所アンバサダー、オハイオ州立大学歯車研究所スポンサー、同志社大学アートインビジネス研究会研究委員など数々の肩書をもつ。蒔絵作家、浅井康宏のスポンサー。空手初段、テコンドー3段、ボクシング歴5年という肉体派でもある。2017年夏は、ご子息が祇園祭長刀鉾の稚児を務めた。外食は週4回。最後の晩餐は、マルゲリータピザと赤ワイン。ワインが進む小皿も充実。和やかな雰囲気の中で優しいフランスの味を「同い年のオーナーシェフが腕をふるう店で、彼は私のいい相談相手でもあり、普段から食事のわがままを聞いてくれるセンスあるお友達。そこで活躍するソムリエの翠ちゃんのことも応援しています」(林さん)店を選ぶ際は、「安心できて、人間同士のつきあいができるところを重視する」という林さんが通う「リヴ・ゴォシュ」は、オーナーシェフ・小梶文久さんが2002年に始めたフランス料理店。長く川端二条で人気を博していたが、2015年に千本丸太町にある実家のうどん屋と合体するかたちで、移転リニューアルオープンした。平日の夜と土日はフランス料理「リヴ・ゴォシュ」、平日の昼はうどん屋「あさひ」というユニークな営業形態をとっている。「前の店に水回りの不具合などがあり、移転を考えていたときに、両親が体調を崩したんです。両親も高齢なので、いろいろ考えてこの機会に一緒にしました」と、小梶さんは説明する。小梶さんは、高松や京都のレストランで修業した後、渡仏。ロワール地方トゥールや、モンペリエ郊外にあるレストランなどで経験を積んだ。そのフランス時代の友人が、林さんと共通の友人で、林さんはそれが縁でこの店に通うようになったという。「川端二条に友達の友達がやっている店があることは聞いていました。本場仕込みのフレンチのコースが食べられると。でも友達がなかなか連れて行ってくれなくて。それで痺れを切らして、家内と一緒に行ったのが最初です」(林さん)小梶さんは、当時を振り返る。「林さんとは共通の友達が3人ぐらいいて、20歳くらいのときから林さんのことは聞いていました。その後、日本に帰って独立して。林さんは今から10年近く前だったと思いますが、ひょっこり店に来てくれました。『やっと来れたわ』って(笑)」以来、林さんにとって、週に数回訪れたりするほどのお気に入りの店になったようだ。「川端の店では昼にお客さんを連れて行ったりしました。昼も夜も行くようになったら、共通の友達もいるのでいろんな話をして、短期間ですごく仲良くなりましたね」(林さん)町家の細長い空間を活かした店舗は、入ってすぐのところにシックなカウンターがあり、奥はテーブル席になっている。メニューはコースとアラカルトがあり、「食材はフランスからも仕入れますが、主に日本産のクォリティの高いものを選んでいます」と、小梶さん。数種類の自慢のテリーヌをはじめ、クラシックなものが中心の料理は、フランス人客にも高い評価を得ている。アラカルトには、砂肝のコンフィや蝦夷鹿のパテなど、ワインのつまみになる小皿料理が充実しているのもうれしいところだ。林さんは、小梶さんの料理について、こう評する。「彼の料理は愛情を感じるというか、味がすごく優しいんです。以前、パリの航空ショーに行くことがあり、アパートで10日間過ごしたんですが、来客があるときは現地の有名シェフを呼んで近所で調達した食材で料理を作ってもらったんです。彼の料理はそのシェフが作る味に近いと思います」今一番のお気に入りは、「仔鳩のパイ包み焼き」。「すごくビターな感じと、甘い感じと混ざったような味が、赤ワインにぴったりです」(林さん)仔鳩の手羽先や内臓などのミンチと、ホウレンソウを巻いた胸肉をパイ生地で包んで焼いた一品で、仔鳩が手に入るときは、数量限定のおすすめメニューとして登場するそうだ。 フランス産ミューラル種の鴨を使った「マグレ鴨のロースト」も、林さんがよくオーダーする一品。「甘めのソースがかかっていて、さっぱりしているけれど重みのある感じです。ここはデザートまで全部彼が面倒を見てくれるので、満足度が高いです」(林さん)鴨肉は程よい噛みごたえでしっかり旨味が感じられ、酸味を抑えたソースとよく合う。「煮詰めた赤ワインに野菜と鶏ガラのブイヨンを加えたソースで、野菜の甘みがよく出ていると思います。この料理はブルゴーニュの赤ワインと合わせるのがおすすめです」と、小梶さん。林さんは季節のスープもおすすめに挙げる。「スープの真ん中にのった塩胡椒の加減が抜群にいい。コクがあってさっぱりしていて、尖ったところがまったくない優しいお味です。家内の両親も大喜びでした」(林さん)写真はかぼちゃ、にんじん、玉ねぎが入った「かぼちゃのポタージュ」。林さんの言葉通り、牛乳を使ったポタージュはまろやかな優しい味わいで、カマルグの塩と潰したミニョネット(胡椒)がアクセントに。「年末年始は聖護院蕪のポタージュにピンクペッパーをのせて紅白にしたりしますね」と、小梶さん。ソムリエの翠さんが担当しているという自家製パンも好評。「パン・ド・ミというパンを出しています。しっとり系で甘味があって、テイクアウトされるお客さんも結構おられます」(小梶さん)「ソムリエの翠ちゃんがセレクトしたワインも、コストパフォーマンスが高いです」と、林さん。小梶さんは近くの町家でフランス産ワインの販売も手掛けており、店でもボトル4500円から楽しめるという。林さんはここには一人で訪れることが多いといい、「どこかへ行く前に、『寂しくなったし寄ったわ』とか、『お腹すいてるし、何か食べさせて』という感じで行ったりします。わがままを聞いてくれますし、胃の調子が悪いときは、胃に優しいものを出してくれたりして、私はいつも彼の料理には愛情を感じます」その言葉に小梶さんは、「二人ともそろそろ病気があってもおかしくない年なんで(笑)。お客さんの体調や好みにはできる限り対応します。子供さんにはスープをぬるめにしたり、味を薄めにしたり、年配の方は量を減らしたりと、求められれば何でも対応しています。食卓が和むほうがいいし、楽しんでもらうことが目的なので」とにこやかに答えた。在日フランス商工会議所のアンバサダーを務める林さんは、以前、京都府とフランスの企業関係者との会食をこの店で行うことを企画し、小梶さんと「割烹いがらし」の五十嵐さんとのコラボ料理を用意してもらったことがあるという。そんなことからも、林さんのこの店と小梶さんへの信頼の大きさが伝わってくる。撮影 瀧本加奈子 文 山本真由美■阿さひ エ リヴ・ゴォシュ京都市上京区千本丸太町上ル東側小山町871075-841-9912フレンチレストラン リヴ・ゴォシュ 平日17時30分~22時(LO)/ 土日11時30分~15時、17時30分~22時(LO)不定休※うどん「あさひ」は平日11時30分~15時、土日休http://www.eonet.ne.jp/~rivegauche/
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BLOG料理人がオフに通う店
2019.09.13
「リストランテ野呂」―「富小路やま岸」山岸隆博さんが通う店
「富小路やま岸」山岸隆博さん《プロフィール》京都市出身。「七栄鮨」、中央市場の鮪問屋、ホテルの和食店などを経て、「京都一の傳」で10年間修業した後、2015年10月に独立し、「富小路 やま岸」を開く。茶道裏千家講師、華道嵯峨御流華範、書道準五段、京都検定取得。2019年8月には姉妹店「二条やま岸」をオープンし、さらに9月「富小路やま岸 香港店」をオープンする予定。食べ手思いの巧みな季節のイタリアンや洋食で、会話も弾む楽しい時間を休日はよく食べ歩きに出かけるという山岸さん。その際は、「おいしいのは当たり前なので、それ以外のことがどれだけ行き届いているか、どれだけ考えてはるかを見にいくことが多い」のだそうだ。そんな山岸さんがおすすめとして挙げるのが、二条城の南にある「リストランテ野呂」。JR二条駅から御池通を東へ進んだところにひっそりと佇む町家のレストランだ。細長い空間を活かした店内は、1階はゆったりとしたカウンター席、2階はテーブル席で構成される。オーナーシェフの野呂和美さんは、日本やイタリアの有名イタリアンで腕を磨き、ホテルグランヴィア京都「リサータ」の料理長、「洋食おがた」勤務を経て、2017年に独立。気取らない雰囲気のなか、野呂さんの料理が楽しめるこの店はたちまち評判となり、ファンを増やし続けている。ここに山岸さんが初めて訪れたのは、昨年のこと。「『SUGALABO』の須賀さんや『Restaurant TOYO』の中山さんなど、パリと東京、京都の料理人たちと、ANAクラウンプラザホテルで食のイベントをしたんですよ。メンバーの一人『末富』の山口さんがこの店をご存じで、須賀さんたちと一緒に食べに行きました。パスタなどをパパパッと作ってくれはったのがおいしくて、そのあとも一回食べに行きましたね。料理もきれいだし、清潔感があって、値段もリーズナブル。また行きたいと思えるお店です」(山岸さん)その時のことを、野呂さんは「山岸さんのことはいろんな料理人仲間や仲卸の人から常々聞いていて、すべてを兼ね備えたすごい料理人だと。だから、初めてお会いしたときは緊張しましたね。山岸さんはじめ、どえらい人ばかりで来られて、勘弁してよって思いました(笑)」と、振り返る。野呂さんは、和やフレンチなど他ジャンルの料理人との交流も多く、そうした人たちに大いに刺激を受けているという。こちらのメニューはアラカルト中心で、イタリアンと洋食の二本立てで構成される。注目したいのが、オーダーのフレキシブルさ。その日のおすすめがメニュー表にあるが、たとえばパスタなら好みのソースと具材、麺の量を指定してお願いすることも可能だし、好きな肉料理を好きな量で盛り合わせたり、カレーやリゾットなどの裏メニューを用意したりといった要望にも対応してくれるという。「僕が作りたいものじゃなく、お客さんの食べたいものをお作りするスタンス。コースであれば、この地方の料理を同じ地方のワインと合わせてとか、ベジタリアンのコースでという具合にご要望に沿ってもお作りします。100人いたら100人に合わせられる"私のお抱え料理人"のようなイメージです」(野呂さん)毎朝中央市場で仕入れる魚のほか、高知や野呂さんの地元・青森からの直送分など、目利きの業者から届く上質な魚を使った料理に定評がある。中でも、山岸さんおすすめの前菜「旬の魚の食べ比べ」は、多くの常連が頼む人気の品だ。「お魚を8種類ほど盛り合わせてあるんですけど、食べやすくて、味付けもバランスがいい。一皿の中にメリハリがあって、全部食べて完成されるおいしさ」(山岸さん)その日の仕入れによって内容が変わり、この日はハマチ、よこわ、アオダイ、マアジなど9種の鮮魚が、昆布締め、マリネ、炙りなど、それぞれに合った調理法で仕立てられている。一品一品手をかけ、煮野菜やピクルスなどと合わせた魚は、繊細な味わいで素材の魅力が際立つ。これだけの種類の魚を一度に味わえるのもここならではだ。「この中から好きな分だけ選んでいただくこともできます。お客さんによっては、カットの大きさを変えたり、切れ目を入れたりしています。また切る厚さや塩加減なども、その日の魚の種類や状態によって変えます。だから、ただレシピ通りにするのではなくて、レシピがないのがレシピみたいな感じですね。そうじゃないと、お客さんの琴線に触れられるとは思っていないので」と野呂さん。お客や魚に寄り添う野呂さんの思いが窺える一皿だ。山岸さんのもう一つのおすすめは、パスタ。「単純においしかった。バランスがうまいなあと。パスタって味が濃いとおいしいんですけど、濃い中にもどう食べさせたらおいしく感じてもらえるかというところまで考えているようなソースで、好きでした」(山岸さん)写真は、釜揚げのシラスとアサリを使った「魚介ときのこの軽いサフランクリームソースのパスタ」。魚介の旨味がぎゅっと詰まったまろやかな味わいの一品だ。こうしたパスタの味付けも、野呂さんはお客によって変えたりするそうだ。「少しでもお客さんの"おいしい"に結び付けたいので、お客さんの会話や飲み物などの情報をもとに、乳化の仕方や塩加減などを変えて、好みのソースの味にしていきます」。ソース、麺のゆで加減など、何千通りある中でこれという味を模索しながら作っていくのだというが、これもパスタへの豊かな知識や経験のある野呂さんだからできることだろう。「ベースができていなければ、それをやってもちぐはぐになってしまいます。何が本当なのか基本がわかったうえで、お客さんに寄り添える何かを作ることができるので」(野呂さん)「お客さんの笑顔が見たいから何でもやっちゃう」と話す野呂さん。その料理とともに、明るく飾らない人柄も大きな魅力で、野呂さんとの会話を楽しみに訪れる人も少なくない。「すごく気さくな方で、お客様を楽しませることに長けておられる。誰が行っても気持ちよく食べさせてくれるんやろうなと思いましたね」と山岸さんは言う。もてなしの面で、野呂さんが意識していることはどんなことなのだろう。「たくさんお店がある中で、わざわざ電話して、わざわざ電車を乗り継いで、わざわざ来ていただいているわけですから、楽しんでもらいたいし、こちらも本当に楽しく作らせていただいています。それには僕だけでなく、スタッフも気持ちよく仕事をすることが大事で、各個人が責任を持ちながら伸び伸びと仕事ができるようにしています。お客さんからもよく『みんなきびきびやっていて気持ちがいい』と言われますね」山岸さん以外にも、ここには有名和食店の主人や料理長が訪れることもしばしばだという。名だたる料理人たちも認める同店。予算は食べて飲んで1万円~1万5千円ほどで、コースは8千円から楽しめる。撮影 高見尊裕 文 山本真由美■リストランテ野呂京都市中京区西ノ京職司町67-14075-823-810011:30~14:30(LO13:30)、17:30~22:00(LO20:30)休 月曜、月1回火曜不定休
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BLOG京の会長&社長めし
2019.09.11
川崎機械工業株式会社の社長が通う店「割烹 いがらし」
■林誠一郎(はやし せいいちろう)さん 1971年京都市生まれ。航空機などの歯車や部品製造を手掛ける川崎機械工業株式会社代表取締役社長。在日フランス商工会議所アンバサダー、オハイオ州立大学歯車研究所スポンサー、同志社大学アートインビジネス研究会研究委員など数々の肩書をもつ。蒔絵作家、浅井康宏のスポンサー。空手初段、テコンドー3段、ボクシング歴5年という肉体派でもある。2017年夏は、ご子息が祇園祭長刀鉾の稚児を務めた。外食は週4回。最後の晩餐は、マルゲリータピザと赤ワイン。使い勝手の良さに、家族的な雰囲気も魅力の花街のカウンター割烹京都の飲食店の中で、親子2代、3代で愛されているところは少なくないが、林さんが通う祇園の「割烹 いがらし」も、そんな一軒といえる。四条花見小路から一本南の通りを少し東へ入った場所にあるこの店は、京都の「浜作」で長く料理長を務めた五十嵐克己さんが、昭和54年(1979)に創業。季節のうまいものを食べさせるカウンター割烹として、京都の旦那衆や花街の人々に親しまれている。現在は若主人の五十嵐正記さん、姉の五十嵐由記さんが中心となって、家族で切り盛りしている。「弊社の創業者である父、林俊三が愛したお店です。父はカウンターが好きで、そこにお客さんをお招きして、たまに芸妓さんなどを呼んだりしながら、二次会へ行くというような流れでした。私がこちらに通うようになったのは、父の会社に入って、お客様の接待に同席するかたちで行かせてもらったのが最初です。私と同い年の若大将の正記さんとお姉さんで若女将の由記さんとは、懇意にさせていただいおり、一緒に飲みに行くことも多いです」と、林さん。それを受けて、「林さんのお父様は、店主であるうちの父が前の店で料理長をしていた頃からの一番古いお客様で、開店からずっと来ていただいています。そのお父様が海外から戻られた林さんを連れてお見えになって。林さんが会社を継がれてからは、お父様のようにお客様とご一緒にいらっしゃっています。すごくお話好きな方で、歳がほぼ同じということもあり、私もお友達のように楽しくお話しさせていただいていますね」と、由記さんは言う。ここでは、中央市場から仕入れる瀬戸内海や若狭の鮮魚、京野菜など、旬の素材を中心にした一品料理と、1万円からのコースが用意されている。一品とコースの内容は異なるが、好みの一品をコースに組み込むことも可能だ。食材の食べ方を相談しながら注文する割烹ならではのスタイルは、初めて訪れた林さんには、かなり印象深かったようだ。「目の前でもろこを一匹ずつ網で焼いて出すなど、吟味した食材をシンプルに食べさせるような料理がすごく新鮮で、お客さんのことをすっかり忘れてその食べ物のとりこになったことを覚えています。私は大学から12年間アメリカにいて和食らしい和食は食べてこなかったので、衝撃を受けました」(林さん)一品は週替わりの季節の献立に加え、定番メニューとしてからすみ、ふなずしといった酒肴が並ぶ。「黒龍」などの日本酒を頼むことが多いと言う林さんのお気に入りは、ミンククジラを使用したくじらベーコン。ミョウガなどと一緒に辛子や醤油につけて味わう。「どれもおいしいですが、くじらベーコンはあったら頼んでしまいます。脂もしつこくなくて、日本酒のアテに最高なんですよ」(林さん)「パリッとして甘味があって、おいしいですよ。ちょっと塩をつけて食べると、たまりません」と、林さんがおすすめする「海老コーンのかき揚げ」は、毎年初夏~9月頃まで楽しめる人気の一品。生のコーンにアスパラを混ぜて白絞油に入れ、上に海老をのせて揚げているといい、軽い食感で、素材のおいしさがシンプルに伝わる。「うちは揚げ物もよく出ます。芸妓さんとか、油物がお好きな方が多いですね」と、正記さん。秋は鱧や松茸のフライなども登場する。若狭産ぐじを使った焼き色も美しい「ぐじ焼き」。油をかけて焼いたうろこはパリパリと香ばしく、ふっくらとした身は甘みのある独特の味わいが楽しめる。正記さんは、神奈川の茶懐石の店や大阪・淀屋橋の「つるや」、新地の割烹などで経験を積んだ後、実家に戻ったという。「うちは親父も大阪で修業していたし、どちらかと言えば、少し濃いめで大阪寄りの味かもしれません。一品料理がメインなので、あまり手の込んだことはしていません。飾りつけもあまりしないので見た目は派手ではないですけど、僕はごちゃごちゃしたものより好きですね。この頃コース料理の割烹が多くなってきましたが、うちは一品を残していきたいと思っています」(正記さん)姉の由記さんはソムリエの資格を持っており、彼女がセレクトしたワインと和食を楽しむ客も多い。「もともと日本酒やワインが好きで、友人に誘われて一緒に資格取得の教室に通い始めたのがきっかけです。以前、林さんがフランスの企業のご接待にうちの座敷を使ってくださったのですが、私に日仏のワインのアレンジを頼まれて。そのときのお食事がお客様の印象に残っていたらしく、それがもとではないですけど、その企業との提携話がうまくいったということがあったんです。それ以来、ワインやフランス関係のことがあると、私に声をかけていただいたりして、親しくお話しするようになりましたね」(由記さん)店にはフランスを中心に、ドイツ、オーストリア、日本など、常時約50種のワインを揃えており、毎回テーマを決めてワインと料理を楽しむワイン会も不定期で行っているという。林さんは、接待など大勢で訪れる際は奥の座敷でコース、一人や友人たちと一緒の場合はカウンターで一品を楽しむといい、「総会などの立食パーティーがあって、名刺交換ばかりで食べられないときなんかは、一人で行って食べたいものを出してもらうことが多いです。いろいろわがままを聞いてくれて、こちらの調子に合わせて料理を出してくれたりするので、お母さんに甘えるような感じで過ごしています。雰囲気もアットホームな感じで、お客同士が知り合いになることもありますね」と、この店の魅力について語る。「林さんに限らず、お腹すいたし何か食べさせて、と言って来られる常連の方は多いですね。うちは花街にある店なので、お茶屋さんや芸舞妓さんたちのご要望に合わせた対応を日常的にしていますし、使い方を知っていただいている方には扱いやすいのではないでしょうか。上手に使って楽しんでいただけたらと思います」と、由記さん。ここにはふらりと訪れる一人客も多いという。おいしい料理や選りすぐりの酒、そしていつ訪れても楽しく過ごさせてくれる懐の深さが、多くの常連たちに愛されている所以なのだろう。撮影 瀧本加奈子 文 山本真由美■割烹 いがらし京都市東山区祇園町南側570-125075-525-173417時~21時(LO)※昼は前日までの予約のみ受付(2名以上)休 日曜(土~月の3連休の場合は不定休)※夜は予約が望ましい
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BLOG京のほっこり菜時記
2019.09.04
「丹波くり」
女性の好きな食べもの! 江戸時代は「芋、蛸、南瓜」、令和の今は「芋、栗、南瓜」といわれているそうだ。だが私...、芋も栗も南瓜も嫌いではないが、旬を待ち焦がれてとびつくほど好物ではない。お月見の頃(今年の十五夜は9月13日らしい)には「小芋の衣被」を料理屋さんで美味しくいただくし、夏の暑さがゆるんだ頃に、「南瓜のスープ」がコースの最初にでたら、なんだかほっとして嬉しくなる。けれど、圧倒的にこの食材の並びなら、「蛸」が好きだ。小学校の頃、友だちのお弁当には「タコちゃんウインナー」が入っていたが、私のお弁当箱には「飯だこの炊いたん」が入っていて、みんなに「なにそれ!気持ち悪い~」と言われたものだ。あえて言うなら、「栗」はテンションがあがる食材だ。時代なんだと思うが、実家にいた頃「栗」はとても特別なものだった。「林万昌堂」の甘栗は来客からいただくお土産だったし、栗の甘露煮はお正月に食べるものだった。だから、母がまれに「栗入りのおこわ」や「栗ご飯」を炊いてくれると、心が躍った。単に茹でたり剥いたりするのが面倒で、母があまり作ってくれなかっただけかもしれない。とにかく、我が家では、「栗ご飯」はめったに食べられないご馳走だったのだ。ただし、「丹波くり」なんていう上等なものは家ではけっして食べられなかったが・・・「丹波くり」は和栗の王様といわれ、昔から和菓子などに重用されてきた。出荷の時期は、9月上旬~10月下旬。松茸と並ぶ京都の秋の味である。 丹波地方では、古くから栗づくりが盛んで、平安時代の法令「延喜式」には、宮廷への献上品として「丹波くり」が贈られたことが記されている。当時から高級食材だったのだろう。 「丹波くり」がほかの栗と違うのは、まずはその大きさ。1個40gの大きなものもあって和栗のなかでも最大級。実はしまって甘味が強く、香りも良い。とはいえ、高級食材。家庭で買って料理するのは、稀なことかもしれない。 もし手に入ったなら、茹でたり、焼いたりという簡素な料理で、自然な甘みとほくほく立ち上がる香りを実感してほしい。ただ、恥ずかしながら私は「丹波くり」を自分で調理した記憶がない。いただくのは、たいてい料理屋さん。くりの甘露煮、焼き栗、鶏肉と栗の炒め物、栗のリゾット、栗おこわなどなど。どんな料理になっても「丹波くり」の美味しさは際立っている。年々、生産数も減っているらしいから、ますます貴重な味になりそうだ。「大の栗好き」というほどでもない私が、「これは秋には必ず食べたほうがいい」と感動したのが、「マールブランシュ 京都北山本店」の「モンブラン・オートクチュール」だ。秋になると必ず、その味を思い出す。 もともと「マールブランシュ」といえば「モンブラン」といわれるほどの代表銘菓なのだが、オートクチュールは、その名のとおり、ラム酒を選んでカスタマイズできるうえ、シェフが席に来て目の前で作ってくれるという豪華な一品。 何種類かあるラム酒から好みの味を選ぶと、それをクラッシュした栗に注いで混ぜてくれるのだ。お皿に盛ってひんやりムースグラッセを乗せ、その上からモンブランクリームをたっぷり。 なめらかで芳醇なクリームとラム酒が香る栗を一緒にほおばると、栗の風味に満たされる。どこかの食リポーターではないが、「栗の密集地帯や~」と言いそうになる。ボリューミーなのに、あっという間に完食。こんな洋菓子体験は初めてだった。 京都へ観光やビジネスで訪れる方には、2019年8月1日にリニューアルオープンした「八条口店」がおすすめだ。ここには「モンブラン・オートクチュール」はないが、八条口店限定の「モンブラン・ミルフィユ」を味わえる。さくっとしたパイ生地にラムが香るモンブランクリームが合わさって、なんともいえないふくよかな風味。目の前でクリームをしぼってくれ、ライブ感も味わえる。「お濃茶ナイトロブリュー」も、この店限定メニュー。ビールのように専用のサーバーで注がれるお濃茶に、窒素ガスを加えた新感覚のドリンクである。「家ではゆで栗も面倒!」という私のようなズボラ?な方におすすめしたい「栗」を堪能できる新店だ。■ マールブランシュ八条口店京都市下京区東塩小路釜殿町31-1 京都駅近鉄名店街 みやこみち内075-661-38089:00〜21:00(カフェメニューL.O.20:30)無休(施設に準じる)
中井シノブ
ライター
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BLOG京都グルメタクシー
2019.08.30
おいしい京都案内 | 夏の京都を涼しく、おいしく過ごせるグルメ
こんにちは!京都グルメタクシーの岩間です。車に乗るだけで、あなたにとっての「おいしい京都」をご案内いたします。連日暑い日が続きますが、こういう季節はやっぱり「かき氷」や「ジェラート」でしょうか。タイムリーな「タピオカ」もありますね。そこで今日はグルメタクシーが提案する、「もう一つの真夏グルメ」をご紹介いたします。 京都駅をでて堀川通りを北上、晴明神社を超えて今出川通りを西へ、北野白梅町の交差点近くに「等持院」という臨済宗天竜寺派のお寺があります。そこにちょっと立ち寄ってみましょう! 暦応四年(西暦1341年)、天龍寺の夢窓国師を開山に、足利尊氏が衣笠山の南麓に創建したお寺です。足利家ファンにはたまらない場所。かつて私が2時間ドラマの主人公のモデルになったときに、ここでもそのドラマの撮影が行われました。霊光院には本尊利運地蔵尊(伝弘法大師作)をはじめ、達磨大師と夢窓国師とを左右に配置し、足利歴代の将軍像(5代と14代の像は除く)が、徳川家康の像と一緒に安置されています。観光タクシーのベテランドライバーがおすすめする場所で、建造物や御庭が見どころ。親切なお寺のスタッフが迎えてくださいます。 私の一番のおすすめは、この写真のエリア。夢窓国師作として伝えられているこのお庭で、方丈の北庭の東にある心字池が見事です。草書体の心の字をかたどって作られた池庭で、かつては中央の中ノ島には妙音閣という立派な建物があったそうです。庭園内には足利義政好みの茶室「清漣亭」や尊氏の墓所もあり見どころ多いお寺でもありますね。京都市内の住宅街の中ですが、静寂感と涼を感じることができます。また境内で抹茶の接待(有料)も受けられ好評です。 私は、京都府文化観光大使でもあり、京都検定2級も合格しておりますので、美食観光だけでなく通常の京都観光も得意なのです! お寺で京都のすばらしさを堪能いただいたあと、次の目的地まで少し時間がかかるので「おやつの時間」とまいりましょう! 新丸太町常盤の踏切近くにある「粉ものや巌(いわお)」さんは、大阪から京都に来られたご夫婦が開かれたお店です。その後、東京で飲食業をされていた息子さんが合流して手伝うことになりました。たこ焼きや、お好み焼き、焼きそばなど大阪生まれの「粉もの」が豊富です。月に2日は、フードメニューも充実した「立ち飲み巌」という居酒屋さんになったりして、地元で人気になっています。 たこ焼きもおいしいのですが、今回は「真夏グルメ」がテーマなので、ここでもこの季節ぴったりのお菓子を紹介しましょう。 それはこの「たい焼き」なのです(^^♪店主からの「たい焼き」の詳細、まずはご覧ください♪ 生地は卵を使わず、薄皮でサクサクに仕上げております。冷めても固くならず、程よい柔らかさで召し上がっていただけるよう、独自に粉をブレンドしています。 「小豆」は北海道産を使用。さっぱりの後味と、風味を残すため、糖度と塩分のバランスを綿密に打ち合わせ、関西の製餡所にオリジナル餡をつくっていただいております。たっぷり入ったあずきでも、もたれず食べやすい仕上がりになっております。 「カスタードクリーム」は、夏頃から試作を始め、ようやく出来上がりました。毎朝仕込む手作りで、量に限りがあります。週末の夕方には完売する事も多いです。豆乳と卵で作ったカスタードクリームで、豆乳臭さ、卵臭さをしっかりと消し、旨味とコクをしっかりと引き出しています。濃厚ではありますが、糖度も一般的なカスタードクリームよりも低めに作っていますので、後口はさっぱりとなります。香り付けはダークラムを少量使っていまして、ほんのり後口と共に香りも楽しめるようになっております。 温かいたい焼きは、気温にもよりますが、5月中頃までの販売となり、冷やしたい焼きに切り替わります。 熱い「たい焼き」は、本来夏のグルメとは言い難いのですが、5月の中頃以降は、「冷やしたい焼き」と書かれています。なんと、夏場は冷たいたい焼きに変わるのです! 北海道襟裳産の小豆を使用した冷やしたい焼きは、完成までに5年もかかったそうです。糖度と塩分のバランスがポイント。クレープのような生地と餡とともに入っているホイップクリームのなめらかなバランスがみそ。カリカリというよりしっとりひんやり。小豆、カスタードクリーム、チョコクリームの3種があります。冷たいたい焼き、形こそ鯛ですが西洋感もあるグルメでした♪ 一般的に、通常のたい焼きは暑い季節になると「売れ行きが伸び悩みます」と店主。そこで考えた結果できたお菓子がこれ。いまでは土日限定の「塩レモン」や「フルーツ」のたい焼きもあります。開発した息子さんの想像力にはこれからも期待できますね。 車を一旦東へ向けて双ヶ岡の信号を北へ、国道162号線、通称周山街道を北上します。紅葉の名所高雄を目指すことになります。川床で有名なのは貴船ですが、実はこのエリアにも涼をとれるスポットがあります。その一軒が「瓦そば 松右衛門」です。 少々わかりにくいのですが、神護寺に車で向かうときに街道から折れる交差点を超えて、高山寺の赤い橋の手前。5台程度停められる駐車場もあり、入り口は少し入ったところにあります。 階段を下りていくと隠れ家のような一軒家がみえてきます。 岸壁に張り出したお座敷。屋根があるので雨天でもぬれずに川のせせらぎを楽しめます。京都市内からだと5度は基本が低いのではと感じます。澄んだ自然の空気はやっぱりおいしい。これこそ避暑地のご馳走だと思います。 写真のような高台になっているうえ、山沿いで日照時間も限られているので涼しいのでしょう。 「瓦そば 松右衛門」は、熊本城発祥のグルメで、後に山口県の温泉旅館で茶そばをもちいて供されるようになったのが始まりと聞きます。ここの店主は山口県下関市とご縁があり、郷土の味を知ってもらおうとお店をはじめられたそうです。私の著書「もっと食べたい京都」(PHP研究所)でも紹介させていただきました。 熱々の「屋根瓦」に盛って提供されます。なぜ瓦をつかう料理なのかというと・・・西南戦争のとき、熊本城を取り囲んでいた薩摩軍の兵士が、瓦の上で野草や肉をやいて食べたのがはじまりとされています。「かわらけ投げ」の神護寺と、日本ではじめて茶が作られた高山寺のちょうど中間の場所にあるということも開店の決め手だったそうです。そういう流れでお店ができるのも興味深いことですね。こちらは別の日にいったときの「大盛り」仕様。 ド迫力です! 熱々の瓦に乗せ、じゅっと焼く。鉄板ナポリタンのようですね。野菜や牛肉など具材もたっぷり、錦糸卵や葱、海苔、薬味のおろし大根が添えられます。檸檬スライスがアクセントになって爽やか。 まずはそのまま。つけ汁は濃いので、好みのよって少しだけつけてもいいでしょう。添えられたポットに温かいつけ汁がたくさんはいっています。 ちなみに、親切に食べ方が書かれています。ぜひこのやり方で最初はお試しくださいね。 以前伺った時には、サービスで杏仁豆腐がでてきました。これも絶品です(^^♪ 瓦そばだけでなく、デザートも充実していて、自家製ぜんざい、かき氷、アイスコーヒーもあるので甘味処としても利用できます。貴船はピーク時には大混雑しますが、こちらは紅葉の季節を比較的混雑することもなく、ある意味隠れ家でもあります。 おいしい空気に、おいしい料理、素敵な風景が五感を刺激します。食後の珈琲をいただきながらゆっくり風景を眺めていると、ちょうど時間になりました。また紅葉の季節にも伺いたいものですね。本日の京都グルメタクシー「もうひとつの真夏のグルメ」特集いかがでしたでしょうか。四季折々の京都の景色を楽しむグルメを、皆さんもぜひお楽しみくださいね!それでは!■粉ものや 巌京都府京都市右京区常盤馬塚町12 エスポワールT 1F075-406-525510:00~18:30、昼の定食 11:00〜15:00定休日月曜日、第3火曜日■瓦そば松右衛門 (カワラソバショウウエモン)京都府京都市右京区梅ヶ畑殿畑町35 075-863-1177 11:00~15:00(L.O.14:30)定休日木曜日
岩間孝志
京都グルメタクシー
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BLOG酒のふと道
2019.08.30
夏の終わりに行きたい京都の飲ませる店3軒
入れなくなる前に初訪問すべし! 大注目の路地奥新店『おおはし』今年7月末にオープンするやいなや、各所で「もう行った?」「めっちゃよかったで」という会話が飛び交った『おおはし』さん。私も友人と共にお邪魔して、秒速でファンになってしまいました!丁寧に作られた和食ベースのお料理を気軽に楽しむことができ、ご主人の接客やお店の雰囲気も心地よくて「また来たいっ」と強く思ったのです。場所は三条会商店街から猪熊通を下がった住宅地の中。先日ご紹介した『食堂酒場たなか』さんの斜め向かいくらいにあります。提灯を目印に、民家の間に延びる細いアプローチを奥へ。京都らしいロケーションにわくわくします。まっさらな暖簾がお出迎え。訪問時はほかのお客さんがいらしたので撮影できませんでしたが、店内は厨房を囲む形でL字型カウンター(椅子有)があり、その背後にはドラム缶をテーブルにした立ち飲みコーナーも! もちろんどちらでも同じメニューを楽しめます。最初に頼んだ「ちょこっとずつ盛り」。その日のおすすめを文字通りちょこっとずつ味わえる酒飲み泣かせの前菜。大皿で盛り合わせかと思いきや、人数分にちゃんと分けて盛り込んでくれていました。もう、この時点で大好きっ! これで生ビール2杯いけちゃいました。カンパチのごま和え。お魚は日によって替わるようですが、このごま和えは外せない。白黒2色のごまの香ばしさと青ネギの風味がたまりませ〜ん。ご主人も酒飲みにちがいない、と確信。和食一辺倒ではなく、洋テイストのお料理もあります。パクチーサラダは海苔とナッツっぽいトッピングとマイルドな酸味のあるドレッシングとても上品で、このてんこもり状態があっという間に更地のようになりました。レモンサワーはクラッシュドアイスで爽やかさ倍増! まだまだ暑い京都の夜に嬉しい。後半は揚げ物で。割烹張りの美しい仕事を施されたキス天。薄衣が技アリって感じですね。こちらはドカンときます。ビールのクチに戻らせてくれたチキン南蛮〜。ふんわり衣の中に包まれたジューシーな鶏肉をあぢぢぢーっと言いながら頬張り、生ビールをギュイッと。ぷっはー、幸せ。幸せだったよあの瞬間の私は間違いなく。さっぱりめのタルタルソースも美味しかったなぁ。この日は開店と同時にお邪魔したのですが、あれよあれよという間にカウンターも立ち飲み席も埋まっていきました。近所のおっちゃんから、会社帰りの仲良しグループ、木屋町っぽいおしゃれカップルなど客層も幅広い。一人で調理と接客をこなすご主人は控えめにいってもかなり大変そうでしたが、ジョッキが空になるとさりげなくおかわりを聞いてくれるし、ほろ酔いなおっちゃんのライトな絡みにもいい笑顔で応えるし、で実に爽やかなお仕事っぷり。そりゃみんないい顔で飲んで食べてるわなぁ。また来たくなるわなぁ。というわけで、もうすでにリピーターを掴んでおられるお店ですが、本気で入れなくなる前にまずは一回行ってみてください。最寄駅の地下鉄東西線二条城前駅や阪急の四条大宮駅からは徒歩10分強ですが、暑さが和らぎつつある頃なら心穏やかに向かえるはずです。■おおはし京都市中京区三条猪熊町626-1075-406-720117:00~翌2:00不定休9月末まで! 鴨川を見下ろしビール&肉!『焼肉の名門 天壇 祇園本店』の鴨川スカイBBQガーデンこちらはこの時季ならではのお楽しみ。人気焼肉店の屋上にあるビアガーデンです。毎年期間限定(2019年は4月25日〜9月30日)でオープンする『焼肉の名門 天壇 祇園本店』の鴨川スカイBBQガーデンは、オープンエアの屋上で美味しい焼肉とビールが味わえるこの世の天国。ここに行かずに私の夏は終わることはできません。スタイリッシュなオープンエア空間。昔ながらのビアガーデンのようにギラギラな照明は不在、控えめな灯りが四十路の身にはとても嬉しい。鴨川ごしに川床や先斗町、木屋町の景色を遠望。視界を遮るものがないのでビルの向こうに浮かぶお月様も見放題です。解放感ある〜〜〜。さて、こちらのBBQガーデン。通常の店舗とは営業スタイルが異なるためまず簡単にシステムのご説明をば。営業は夜のみ。17:00~18:00または20:15~20:45 にスタートする2時間制。料理は「天壇BBQコース」「天壇焼肉コース」「サムギョプサルコース」が各5000円、「プレミアム焼肉コース」が7000円でいずれも100分フリードリンク付き。雨天中止。食事途中で雨が降った場合は返金なしなのであらかじめ納得の上訪問を。ちなみに私は傘をさしながら根性で乗り切ったことがあります。私のおすすめはいろいろな食材が味わえる「天壇BBQコース」。2019年8月現在は、以下のような内容になっています。ミスジステーキ熟成ロース中落ちカルビ鶏肉粗挽きウィンナー焼野菜のチーズフォンデュじゃがバターホットドッグおにぎり焼マシュマロ枝豆ひゅ〜! 盛りだくさ〜ん!こんな感じでど〜んと出て来ます(写真は4人前)。これを好きなように焼いて食べて飲むだけ!フリードリンクはすべてセルフサービス。アサヒスーパードライの生ビール(黒ビールもあり!)を始め、サワー、焼酎、ワイン、スパークリングワイン、ウイスキー、カクテルなどが好きなだけ、好きなように飲めてしまうのです。はぁはぁ。開始早々にハイボールを作る友人。頼もしい。生ビールはオートサーバーが美味しくいれてくれるのもポイント!グラスをセットし、スタートボタンを押すと......グラスが斜めに寝かされ、ビールがしゅごーっと注がれます。後半にはきめ細かい泡がそっと注がれ、優しくビールに白い冠をかぶせます。はい美味しいーーー!ジョッキほど容量が多くないので、冷たいうちに飲みきってお代わりできるのも嬉しいポイント。そうですね、ここだけの話、ビールだけで8杯はいただきましたね、この日は。ゲスを承知で申し上げますと、店で生ビールを飲むと安くて1杯500円。これを計算するとお肉代はほぼ払っていないも同然......。あわわ、申し訳ないやらお得感に痺れるやら。ロースターで煙を上げる肉の姿さえもおつまみに!肉は備品のキッチンばさみでひと口大に切ってから焼くと食べ(つまみ)やすくてよござんす。焼肉以外にもチーズフォンデュやホットドッグも味わえるのがこのコースの魅力!ホットドッグに焼き野菜用のパプリカをあしらったりするアレンジもまたオツなものです。ここ数年、こちらのBBQガーデンに通って体感したのは「行くなら9月がベスト!」ということ(個人の感想です)。5、6月は意外に肌寒い日があったり、梅雨で直前まで予定が組めなかったりでハラハラすることが多く、7、8月は京都の酷暑の余韻が夜まで続くこと山の如し。もちろんそれぞれにシチュエーションを楽しめばいいのですが、9月は暑さも和らいでくるし雨も振りにくくてイイ! あとひと月ほどの開催期間にぜひ、この素晴らしい肉&ビールを再度楽しみに行こうと思っています。■ 焼肉の名門 天壇 祇園本店 鴨川スカイBBQガーデン京都市東山区宮川筋1丁目225 075-551-412917:00〜、20:15〜の2時間制(詳細は本文をご参照ください)雨天休※本フロアは毎年期間限定でオープンするフロアです『トラモント』の夏限定の冷製パスタが激ウマなんです!京都の食いしん坊達の間で絶大な人気を誇るクラシカルなイタリア料理店『トラモント』。名物は約20種類が揃うパスタで、そのどれもがご主人が独学で作り上げたレシピによるものだそう。私は昼間にパスタを1品いただく形でしか利用したことがなかったのですが、常連である友人に「それは損してる! トラモントはディナーであれこれ食べるのが正解!」とハナイキ荒く説教(?)され、先日初めてディナーに行ってみました。そしたら!まったくもって友人のいう通りでした......。これまで損してた私。もっとあれこれ食べるべきやったんやここでは......。この通路の奥にあんな美味しいパスタが待っているとは、素人には想像しがたいかも。店に入ったことはなくてもこの看板に見覚えがある人も多いかと。うっかり予約を忘れて友人と現地で待ち合わせたら、なんと満席!「ディナーは予約必須っていうのも言わなあかんかったね。いつもこうやねん」とのこと。今後肝に命じます!ちょうど席を立つ方々がいて、運良く入れることになりました。皆様方におかれましては、事前の予約をお忘れなきようお伝え申し上げます。ビール&白ワインで乾杯して、前菜からスタート!蛸のやわらか煮。ノンストレスで嚙み切れるタコにさっぱりドレッシングが好(ハオ)!鳥の内臓煮込み。コリコリ、ねっとり、ふわふわ。いろんな部位が味わえてこれまたワイン泥棒なひと品。このほかにもカプレーゼなどの前菜をいただき、パスタの部へ移行。まずは、これを待ちわびる常連客も多いという夏期限定の逸品。冷製トマトのパスタ。ひゃー! 美しい! 頃合いに熟したトマトをまるまる2個分(写真は大盛りなのでたぶんそれ以上)使ってあります。トマトの酸味にパンチを加えるニンニクの香り、氷水でギュッと締められたパスタの食感、時折感じるバジルの涼味。シンプルながら完璧なバランスです。ブラボー!これはぜひとも食べるべき!提供は9月頃までとのことですので、急いで目指してくださいね。ほかにもまだまだ美味しいパスタがあります。魚介類のブランデー風味 リングイーネ。こっくりとしたクリームソースにぷりっぷりの魚介。ワインのボトルを追加せざるを得ません。娼婦のスパ(プッタネスカ)。このシンプルなトマトソースがしみじみと旨い。オリーブやケッパーの酸味、アンチョビの塩気もうまいこと活きてます。ボンゴレビアンコ。アサリの実の詰まりっぷりを見ていただけたらわかるように、素材もいいものを使っておられます。それでいてお値段はごくごくリーズナブルなのだから素晴らしい。ちなみにこのボンゴレビアンコ、大盛りで1000円です。いいのかな......。締めにはピッツァも。香り高い生地が専門店さながらの美味しさで胃袋がぎゅんと広がりました。たまらん。最後はもう笑ってしまうほど、出てくるものすべてが美味しくて感動ものでした。調理は基本的にご主人一人で手がけておられるため、満席時などは少し待つことがあるかもしれません。前菜をつまみながらゆったりと待つのが吉です。冷製パスタをはじめなるべく多くの種類を食べてほしいので、最大限にお腹を空かせてどうぞ。■トラモント京都市中京区榎木町97 075-256-191711:30〜14:30、18:00〜20:30日曜、第2•4水曜休***夏の終わりの「今」、行っていただきたいお店、いかがでしたか? いつも以上の熱量と写真の量で私の思い入れが伝わったかと思います。生きているだけで毎分2リットルの汗をかくようなでぶには辛い辛い夏も終わりに近づき、快適に行動できる日が増えてくるとついテンションも上がってしまうんです。 とはいえ、この好きなお店を訪問する時は嬉しさで体温も上昇しまくること必至。 残暑の頃にも赤ら顔で飲みつづけてしまって堪忍え〜〜〜。と先におことわりしておきますね。
泡☆盛子
沖縄出身・京都在住のフリーランスライター
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BLOG割烹知新〜奇想の一皿〜
2019.08.30
高台寺 十牛庵「出汁ガスパチョ」
奇想の一皿「出汁ガスパチョ」トマトとパプリカのガスパチョを和の風味で国内外でレストランやホテルを手がける「ひらまつ」が、2017年京都に料亭「高台寺 十牛庵」を開業しました。その料理長に抜擢されたのが、今回登場いただく藤原誠さんです。藤原料理長は京都祇園の名料亭で修業を積み、その後、カウンターで懐石料理を味わえる割烹料理店を京都市内に開業。その料理は華やかで美しく印象に残ると人気を博しました。「ひらまつ」に見込まれた実力派が挑む一皿を紹介します。発想秘話「高台寺 十牛庵」開業前に、社長である平松とともにフランスのレストラン巡りをさせていただきました。和食とは違う料理法や食材に出合い、目からウロコの旅でした。そんな旅で、平松から言われたのが「同じ食材を使って同じような料理を作っても、作る人によって料理は変わる。型にとらわれない料理を自由につくることも大切だ」という言葉でした。その後、同じ敷地内にある「レストランひらまつ 高台寺」で食事をしたとき、スペシャリテの「赤ピーマンのムース」の美味しさに心を打たれました。そして思ったのが、「自分が同じように赤ピーマンやトマトを使ったら別の料理になるだろうか」ということでした。とはいうものの、なかなか挑戦する機会はありませんでした。今回、このお話をいただき「そうだ!あの料理を」と思い「出汁ガスパチョ」に取り組みました。メインの食材は、甘味のあるミディトマトとパプリカ、5対1の割合です。トマトは湯むきして、パプリカは焼いて皮をとってからざっくりと切り分けます。メインの食材は、甘味のあるミディトマトとパプリカ、5対1の割合です。トマトは湯むきして、パプリカは焼いて皮をとってからざっくりと切り分けます。味のポイントになるのが、上に盛り付けるキュウリとセロリを土佐酢でさっと洗うこと。昆布と鰹という和の旨味をガスパチョに添えるのです。ガスパチョを器に少し流して油でサッと揚げた海老を盛ります。さらに流して、先ほどのキュウリとセロリ、シャインマスカットを盛り付け、ベルーガキャビアと穂紫蘇、振り柚子をして完成です。フレッシュなトマトとパプリカの青々しく爽やかな味。鰹の風味をほんのりとまとったキュウリやセロリのシャキシャキとした食感。キャビアの塩味とシャインマスカットの甘味が絶妙なバランスでなじみます。振り柚子の爽やかな香りもアクセントになっていることでしょう。ガスパチョ自体はスペインやポルトガルの料理ですが、和の旨味や香りを添えることで、味わいの緩急を求められる懐石料理の一品になる。洋の要素もありますが、食材の持ち味をそのまま活かすということでは、まさしく和食。冷たくしてガラスの器に盛り、清涼感も演出します。「同じ食材を使っても違う料理をつくる」は、フレンチにもスパニッシュにも、和食にも共通する料理人が心掛けねばならないこと。これを機に、新たな和食にも挑戦したいと改めて思いました。「一味違う和食」「ひと工夫ある和食」を生み出し、次代の和食に少しでも貢献できればと思います。撮影 竹中稔彦■ 高台寺 十牛庵京都市東山区高台寺桝屋町353075-533-606011:30〜12:30(L.O.)、17:30〜19:30(L.O.)休 月曜
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BLOG京の会長&社長めし
2019.08.29
明清建設工業株式会社の副社長が通う店「煕怡 Kii」
■本間 満(ほんま みつる)さん 明清建設工業株式会社 副社長。群馬県生まれ。日大卒業後に祖父が創業した「明清建設工業株式会社」に入社。 以来、営業を中心に勤め、現在は副社長と営業本部長を兼務。趣味は美味しいものを食べることと読書。休日には、嵐山で英語の観光案内ボランティアとして活動している。最後の晩餐は、「草喰なかひがし」の松茸ご飯。白いご飯に焼き松茸が乗ったシンプルなご飯だが、ご飯の塩加減や松茸の香ばしさが抜群に美味しくて、忘れられない。秋になったら食べにいく一品。美味しいものを長く食べるためにも、歩くなど運動もして健康でいたい。季節を味わうクリエイティブな一皿と憩う隠れ家的な一軒四条烏丸近くの呉服関係の会社が集まる一角。仏光寺通にある細い路地を進んで左手に見えてくるのが、本間さんが推薦する「煕怡 Kii」だ。「以前は伏見区中書島で『センプリチェ』という店名でやっておられました。フードコラムニストの門上武司さんにご紹介いただき、伺ったのが最初でした。中心部から離れた場所にあるにもかかわらず人気店で、食通の方々が通っておられました」(本間さん)「センプリチェ」は2013年のオープン。イタリア各地や京都でイタリア料理を学んだオーナーシェフ・西山哲平さんの独創的な料理が評判を呼び、多くのファンを獲得。それから多くの常連客の要望もあり、今年5月、店名も新たに移転することとなった。「本間さんはオープン1年目から来てくださっています。ロータリーの会で使われることがほとんどですが、ご家族で来られることもあります。前の店から来てくださっている方は、ほとんど1年目からのお客さんですね」と西山さん。「街中に移転され、行きやすくなりました」という本間さんのように、今回の移転は皆から喜ばれているそうだ。「カウンター7席ほどのお店なので、貸し切りにして友人たちと楽しみます」(本間さん)古い長屋を改装した店に足を踏み入れると、外とはガラリと様相は異なり、カウンターのみのシンプルモダンな空間が迎える。メニューは15000円からのコースのみで「季節感もありどれもおいしい」と、本間さん。西山さんの料理は素材ありき。季節の素材を生かすことに重点を置き、オリーブオイルやニンニク不使用の、イタリアンの枠を超えたものになっている。「イタリアン畑でやってきたのでパスタもありますが、ジャンルは固定していません。何料理かと言われたら、僕の料理という感じです」と、西山さん。素材を重視すればするほど、イタリアンという枠組みが窮屈になってきたと話す。「イタリアンでは僕がやりたいことをしきれない。じゃあ、何料理としなくても、自分が思うおいしい料理ができればいいかなと」。京都の意欲的な若手農業者が作る野菜や、信頼のおける錦市場の魚屋が扱う魚介など、いい素材と出合い、その生かし方を見直して試行錯誤を重ね、今の料理スタイルに行きついたという。コースの献立表は、「スープ 牡蠣 ゴーヤ 青海苔」「但馬牛 パプリカ 実山椒」という具合に、使う主素材のみ記載されている。「既存の料理じゃないので、素材以外に書きようがなくて」(西山さん)。書かれた素材から何が出来上がるのか、あれこれ予想しながら待つこともここでの楽しみだろう。写真は、7月のコースの一品「鮑 万願寺 モロヘイヤ」。この日の鮑は小浜産。長時間かけてやわらかくした鮑に、昆布だし入りの万願寺唐辛子のペーストと刻んだモロヘイヤを合わせた一品だ。鮑の食感と磯の香り、まろやかな万願寺のコク、アコヤ貝の旨味を含んだモロヘイヤ。それぞれの豊かな味が重なり合い、余韻が続くおいしさに。「鮑って料理の仕方が大体同じなので、今までにない食べ方を提案できたら」(西山さん)。油を使わず、余計な手をかけず素材の味を引き立たせた料理の数々は、和食に近いものがある。コースの最後に登場する、本間さんもおすすめのパスタ。「パスタはいろいろな種類を上手く組み合わせて巧みに出してくださる。いつも『今日はどんなパスタが出るだろう』と楽しみにして伺います」(本間さん)毎日手打ちするタリオリーニを使ったパスタは2種類あり、3つのサイズからチョイスできる。「1つは野菜系で、魚介を使ったパスタなどを組み合わせています。どちらか1つにすることもできますが、皆さん大概2種類食べはりますね」(西山さん)。写真はアルギット栽培によるフレッシュトマト、塩、水だけで作るトマトのパスタ(大30グラム)。歯切れのいいパスタの食感と、トマトの甘味と酸味、旨味を楽しむシンプルな一品だ。器は現代作家のものが中心。「僕は、意味のないものをのせるのが嫌で、白い皿だとまったく映えへん料理を作ることが多いんです」と、西山さん。それだけに器の存在は重要だという。ここでは日本酒も10種類ほど用意。「ワインだけでなく、日本酒にも合う料理ばかりなので、ワインをボトルで頼んで、料理によって日本酒を一杯飲んでいかれる方が多いですね」(西山さん)。写真の山形の四蔵元で造る地酒「山川光男」や、幻の伊ワイン「バローロ・リナルディ」(非売品)など、レアものに出合えることも。「食べたり飲んだりすることが好きな友人たちとカウンターに座り、店主と食材や料理について話しながら料理をいただく時間は至福です。奥様とお二人でやっていらっしゃるのですが奥様が可愛い方で、お話も楽しい。お目にかかるのが楽しみです」と、店の魅力について語る本間さん。その言葉に西山さんは、「僕がカウンターを好きなのは、お客様と会話がしたいから。かしこまっているのは嫌いですし。本間さんはすごく気さくな方で、壁なく接してくださるんです。うちの奥さんも気に入ってくださってて。彼女は人見知りなんですが、本間さんのことは大好きで、よく会話が弾んでいます(笑)。お客様は本間さんのように人生経験豊かな年上の方がほとんどで、お話も面白く、教えていただくことばかりです」。ちなみに、「煕怡」という店名は、中国の吉語だという。「和やかに集っているさまを表したおめでたい言葉だそうで、短くて語感もいいし、選びました。この名前が表すように、楽しく過ごせる雰囲気の店になれば」と西山さん。和やかなプライベート感のある空間で、これからどんな料理で愉しませてくれるのか、さらなる期待が膨らむ一軒だ。撮影 エディオオムラ 文 山本真由美■煕怡 Kii京都市下京区仏光寺室町東入釘隠町242090-7098-439218時~(応相談)休 日曜、月曜 ※前日までに要予約
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